前作「LOTUS FLOWER」から1年、これまでで最も長い期間を経て制作されたこのアルバムは、これまでで最もシンプルで「ジャズ然」とした造形を呈する作品となりました。
前作でアグレッシブにグルーヴを牽引した「バンド・サウンド」は今作では鳴りを潜め、制作のパートナーにクリヤ・マコト氏を迎えることでピアノ、フェンダー・ローズを中心とした「コンボ」へと変貌を遂げました。そして、その時改めて露わになるSHANTIのヴォーカル表現の味わい深さを引き出すために、今作では再びカバー曲を中心にアルバムを構成しています。これまでもライブでパフォーマンスを重ねてきたビル・エヴァンス、ジョー・サンプルなどはもちろん、リッキー・リー・ジョーンズで見せるエキセントリックなスタイルのヴォーカルや、「木綿のハンカチーフ」「EVERY BREATH YOU TAKE」など明らかに毛色の違う楽曲たちを共通のアプローチへ引き寄せていく様など、SHANTIの以前にも増してストイックな「ヴォーカル・マインド」の美学が全体に貫かれた作品となっています。
■Personnel
SHANTI (Vo) クリヤ・マコト(Pf,Key) 鳥越啓介(Bass) FUYU(Drums) 木原良輔(Guitar) Tommy(Drums)
■録音
2012年12月5〜12日 藤沢イニックスタジオ