★この商品(HybridCD)の再生にはSACD再生に対応している機器があればSACD音源を聴くことができます
また、通常のCD再生機器(一部のDVD再生機器を除く)では通常CD音源を聴くことができます★
今なお生き続けるカリスマ、カルロス・クライバーのシューベルト・アルバム
シューベルトの「第3番」はウィーン・フィルへのデビューとなった1974年10月の演奏会でベートーヴェンの「運命」とともに取り上げて成功を収めた縁のある曲で、この録音の1ヶ月後のシカゴ響を振ってのアメリカ・デビューでも取り上げています。通常よりも軽やかな足取りで描き出される第1楽章の序奏や第2楽章、そして熱狂的にたたみかける第4楽章など、カルロスならでの個性的な解釈が随所に刻印されています。一方「未完成」は、ブライトコプフの旧全集版でのディミニュエンド記号の多くをアクセント記号に戻したクリティカル・エディション(1959年出版、フィルハーモニア版)を採用したことで、従来の甘くロマンティックな趣きが姿を消し、極めてドラマティックな起伏と激しさを備えた音楽としての「未完成」像を提示しています。この録音は、アナログ時代のウィーン・フィルとのDG(ドイツ・グラモフォン)録音の典型で、細部の明晰さと全体的な響きの重量感とを両立させた名録音です。