SHM-CD
1963年に49歳で夭逝したフェレンツ・フリッチャイ。彼は第二次世界大戦後の混迷したヨーロッパ楽界に彗星のように登場し、モノラル録音の時代からステレオの初期に活動し、数多くのレパートリーを次々と録音してきた。そうした彼も病を境にその芸術が一変。なかでもこの≪悲愴≫は二度目の手術後の再起第一作として、またドイツ・グラモフォン初の≪悲愴≫ステレオ録音をめざしたものとして意義深いもの。フリッチャイが一音一音を慈しみ、万感を胸に抱き演奏されたこの≪悲愴≫は彼の時代を明確に刻む記念碑といえるもの作品。 (C)RS