SHM-CD
前作から残ったメンバーはメル・コリンズのみ、ドラムにイアン・ウォーラス、ヴォーカルで参加したボズ・バレルがベースを担当する形で再始動した第1期クリムゾンによる最終作。フリップとピート・シンフィールドの確執も顕在化し不穏なムードの中で制作された作品ながら、前作『リザード』で提示した硬質な美しさを磨き上げた究極のバラード「アイランズ」、『太陽と戦慄』以降のクリムゾンに通じる豪快なジャズ・ロックを聴かせる「船乗りの話」、不穏なムードの中展開される戦慄の心理劇を描いた「レターズ」、初期楽曲の中でも異質な屈折したポップ・ソング「レディース・オブ・ザ・ロード」など記憶に残る楽曲を収録した作品。オリジナル・クリムゾン以来久々にツアーを行うことで楽曲をまとめ上げていった作品でスタジオ作業で構築していった前作とは作風が大きく異なり、クリムゾンの全スタジオ作の中でもユニークな個性が光る作品。 (C)RS