2018年4月より大阪フィル第三代音楽監督となった尾高忠明。就任披露公演で演奏された≪ブルックナー 交響曲 第8番≫ライヴCDは“尾高の緻密なアプローチと大阪フィル伝統の力の結晶”と絶賛されました。さらに、同年の<ベートーヴェン交響曲全曲演奏会>は、“作品の真の価値は、演奏スタイルをも超えて明らかにされる”と称され、大阪文化賞、関西音楽クリティック・クラブ賞を受賞。大きな飛躍を遂げた両者による2019年の新シーズン開幕曲、それはマーラー畢生の大作≪交響曲 第9番≫でした。最後の小節に“ersterbend”(死に絶えるように)と記され、作曲家自身は聴くことが叶わなかったこの作品。尾高/大阪フィルは「告別」にとどまらず、個の苦難を超越した新たな世界を啓きます。 (C)RS