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[ 2020年 2月 11日付 ]

 トライオードから、真空管バッファ搭載 MQA-CD対応プレーヤー『 TRV-CD6SE 』がついに登場!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、当初の予定より、かなり遅れての発売となりましたが、ついに登場したトライオードの”MQA-CD”対応CDプレーヤー『 TRV-CD6SE 』を取り上げます。



■ 『 トライオード 』CDプレーヤーの集大成
デザインはお馴染みの前作「TRV-CD5SE」をほぼ踏襲しています。また真空管とソリッドステートの両方のサウンドが楽しめるのも前作と同じです。しかし『 TRV-CD6SE 』は、同社が”トライオードCDプレーヤーの集大成”を目指したと言うだけあって、最先端の技術とノウハウを結集して開発されており、しかも国内生産にこだわった戦略モデルです。

トライオードは1994年、トライオードサプライジャパンとして現社長:山ア 順一氏によって設立されました。その後、2001年に株式会社トライオードに組織変更されています。トライオードは真空管アンプのイメージが強いのですが、同社のCDプレーヤーの歴史は意外に古く、創業僅か5年後の1999年にまで遡ります。

その第1号機が「TR-CD1」でフィリップス・メカに、DACはバーブラウン(BB)PMC1702、そして真空管非搭載で標準サイズの一般的なソリッドステートのCDプレーヤーでした。

その後、2002年「TRV-CD2」と型番に"V"が付き真空管バッファが搭載され、真空管とトランジスターの2系統の出力が搭載され、トライオードならではのCDプレーヤーとなりました。DACはBB:PMC1732でした。そして2005年「TRV-CD3」、DACはBB:1792と標準サイズのプレーヤーが続きました。

2007年発売の「TRV-4SE」になってサイズが横幅34cmと小振りになり、真空管はミニチュア双三極管:6DJ8が搭載されていました。そして2012年、DACがBB:1798になり、メカも変更され、更にUSB-DAC機能も加わった「TRV-CD5SE」となり人気を博しました。そして、今年2020年『 TRV-CD6SE 』の登場となったのです。

『 TRV-CD6SE 』は国産初の”MQA-CD”対応プレーヤーです。製品発表はラックスマンの「D-03X」の方が僅かに早かったのですが、結局トライオードが先鞭をつけた格好です。

本機はCDソフト再生に特化しており、前作にあったUSB-DAC機能は省略されています。トライオードの技術者によると、アンケート等では前作では殆どUSB-DAC機能は利用されておらず、その分のコストをCD再生に振り向けて欲しいとの要望が多かったということで、本機は思い切って非搭載にしたとのことです。また同軸/光のデジタル入力も省略しており、CD再生に徹しています。

実際にUSBによるPCオーディオを楽しまれている方の多くは、単体のUSB-DACをお使いのことが多く、トライオードの選択は正しいと思います。限られたコストの中で、最高のCDサウンドを目指したということはユーザーにとっても有り難いことです。

■ 『 TRV-CD6SE 』の注目すべきフィーチャー
@真空管バッファ回路搭載

真空管には6DJ8の上位バージョンの「6922(E88CC)」が採用されています。これによって従来機以上の真空管サウンドが楽しめます。また勿論ソリッドステート出力も備えおり、真空管とソリッドステートの2種類の音が楽しめるトライオードならではの仕様となっています。お好みやお聴きになる音楽で選択可能という、これこそ他にない『 TRV-CD6SE 』の最大の”売り”です。

ADACチップにESS「ES9038Q2M」搭載

DACチップに採用されているESS Technology社のSABRE「ES9038Q2M」は、ハイエンドCDプレーヤーにも採用されている高性能、高音質で定評のあるデバイスです。ESSの32ビット SABRE 2M DACシリーズのフラッグシップでもあり、D/A変換には独自技術の HyperstreamUを採用。過渡応答特性やTHDのリニアリティに優れ、正確でクリアなサウンドが得られます。

Bアップコンバート機能

CDの44kHz/16bitの音楽信号を内部で352.8kHz/32bitまたはDSD5.6MHzにアップコンバート処理してから、D/A変換を行う再生モードを搭載しています。D/Aコンバーターでは過去にもありましたが、CDプレーヤーでは珍しい機能です。PCMでの情報量の多いハイサンプリング/ハイビットのサウンドや、DSDでは繊細なアナログライクなサウンドが楽しめます。

CMQA-CD対応

本機で最も注目されているのが、MQA-CDへの対応です。勿論フルデコード対応であり、MQA-CDは「スタジオ」(MQA自身の手によってMQA化)と「オーセンティック」(ソフト側によってMQA化)のソフトの表示もされます。CDソフトで最大352.8kHz/24bitの高音質サウンドがお楽しみいただけます。


そして『 TRV-CD6SE 』のCDメカはティアック製(アルメディオ)でここにも国産へのこだわりがあります。また、従来機にはなかった外部クロック入力も装備しています。WORD CLOCK(BNC:75Ω)で44.1kHz/11.2MHz/22.6MZ/45.2MHzで同期可能で、プロ仕様の10MHzの基準信号(BNC:50Ω)入力も装備されており、本格的です。クロックの重要性を熟知されているオーディオファイルには朗報です。

アナログ出力は、RCAが真空管バファー出力とトランジスタ出力の2系統。XLRバランス(2番HOT)はトランジスタ出力のみとなっています。デジタル出力は、同軸/光各1系統の他に、一部のハイエンドD/Aコンバーターに採用され始めている、I2S HDMIジャック(44.1kHz/16bit、352.8kHz/32bit、DSD5.6MHz)まで搭載するというこだわりようです。

フロントパネルには、ボリューム付きの6.3mmステレオ標準ジャックのヘッドホン端子が装備されており、何とその出力は真空管出力(280mW+280mW/40Ω)となっています。これはヘッドホンユーザーには楽しみな機能です。

このようにトライオード『 TRV-CD6SE 』は、SACDは勿論、USB-DACやネットワーク機能などを一切排除し、ただ「MQA-CD」を含むCDソフト再生だけに、とことんこだわったCDプレーヤーです。

近年のSACD/CDプレーヤーの超ハイエンド化に立ち向かうように、トライオードが究極のミドルクラスのCDプレーヤーを目指した画期的プレーヤーです。ここに”トライオードCDプレーヤーの集大成”が完成しました。
(あさやん)


今回ご紹介した、トライオード『 TRV-CD6SE 』はこちら