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[ 2020年 2月 18日付 ]

 ラックスマン待望のMQA-CD対応プレーヤー『 D-03X 』がついに発売!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、最初の発表から実に5ヶ月以上費やしたものの、ついに発売となった ラックスマン MQA-CD対応プレーヤー『 D-03X 』をご紹介します。



詳細は伏せますが、『 D-03X 』の開発段階、そして生産段階で、かなり予想外の高いハードルがあったようです。恐らく他のオーディオメーカーも苦労している、ハイエンド製品の構成部品の小規模生産に応えてくれる部品メーカーの減少が影響しているのだと想像します。私はかつての日本の高品質なものづくりが難しくなっている現状を危惧します。

そんな発売が遅れた原因はさておき、ラックスマンならではの、同社としてはミドルクラスに位置づけられる画期的な最新鋭CDプレーヤーがついに完成したのです。その『 D-03X 』の全容を見てまいりましょう。

■ ドライブメカ
『 D-03X 』は、2015年発売のSACD/CDプレーヤー「D-05u」の基本構成を受け継いでいます。ただ前作は同社フラッグシップ機である「D-08u」と同一の高剛性オリジナルメカ「LxDTM」を搭載し、SACDに対応していました。しかし本機では、実際のソフトの使用状況などを加味して、高信頼CD専用メカによるCD専用機として価格面での訴求力を上げています。

そのメカは、これまでも採用実績のある極厚アルミ製のメカベースと、アースループが発生しないループレス構造のシールド付きボックスシャーシで構成されています。メカニズム全体を強固なシャーシによって囲うことで、外来振動をリジッドに遮断できたのです。また新たにスチール製トッププレートを加えた最新仕様とすることで、読み取り精度と静音性もさらに高めています。

また、CDプレーヤーでは一般的なセンターメカ構造はとらず、物量投入型のアナログ回路のスペース確保や各種信号が筐体内をスムーズに流れること、さらには振動の伝わる経路にも配慮し、優れた重量バランスを得るため、非対称(アシンメトリー)構成の「レフトサイド・メカ・レイアウト」をとっています。

■ デジタル回路
USB入力によるPCM/DSDのハイレゾファイルの再生は、PCMでは最大384kHz/32bit、DSDは最大11.2MHz/1bit(最初の発表時点では5.64MHz)に対応しており、現状では万全のスペックです。S/PDIF入力は、最大192kHz/24bitのPCMに対応しています。

D/Aコンバーターには使い慣れた「D-05u」と同じ32bit対応TI社製「PCM1795」をデュアル構成(モノラルモード)で搭載しています。高性能DACを余裕を持たせた環境で動作させることで、高精度で精密な変換を可能にし、デジタル信号に刻まれた音楽信号を余すことなく引き出します。

特にUSB信号では、通常のアイソクロナス転送(リアルタイムに転送されるが、エラーが発生しても再送が行われない)に加え、バルクペット(Bulk Pet)転送(大量のデータを正確に伝えるのに適し、エラーがあれば再送される)にも対応しており、デジタル信号の送受信間の負荷が軽減でき、高品位で安定したファイル再生が可能で音質の向上が図れます。

クロックには、発振周波数(22.5792MHz/24.5760MHz)付近のノイズを低減する高精度かつ低ジッターの低位相雑音クロックモジュールを搭載しており、デジタル再生の要であるクロックにも万全を期しています。




■ アナログ回路
正確に読み取られたデジタル信号を、L/R独立のモノラルモードのD/Aコンバーターの差動出力を、フルバランス構成(同一構成のアンプ×4基)のI/V(電流/電圧)変換回路へ入力。次段のL.P.F(ロー・パス・フィルター)アンプを強力にドライブすることで、理想的なアナログ出力を得ているとしてます。



電源もラックスマンらしくこだわっており、大型の電源トランスを搭載。そのトランスから各回路独立のレギュレーターと大容量ブロックコンデンサーを経由することで、高慣性(ハイイナーシャ)の電源環境を構成しています。

■ 構造・機能
同社「L-509X」などの高級アンプにも採用されている「ループレスシャーシ」とすることで、シャーシ電流によるアースインピーダンスの上昇や発生磁界の影響を回避し、デジタルノイズを遮断するシールドシャーシとの複合構造とすることでノイズ対策も万全です。

電源ケーブルには、同社リファレンスモデルの「JPA-10000」を採用し、ACインレットもケーブルを強固に支える高剛性パーツを採用しています。またアナログ出力端子も高級機仕様の大型のRCAプラグにも対応する18mmピッチの金メッキ仕上げのRCA端子と、ノイトリック社製の高級XLR端子を採用し、手抜きはありません。

FLディスプレイは、ブラスターホワイト仕上げのフロントパネルに映える視認性の優れたもので、離れた場所からも見易い「ズームモード」が搭載された親切設計です。専用リモコンもブラスターホワイト仕上げのテンキー付きのアルミ製のしっかりしたものです。多彩な操作やディスプレイのディマー調整も可能です。



そしてUSB入力は、WAV/FLAC/MP3/DSF/DSDIFF/ALAC/AIFFのフォーマットに対応し、ラックスマンオリジナルの高音質音楽再生ソフト「LUXMAN Audio Player」(Windows/Mac共ダウンロード可能)によるシンプルかつ快適な操作が可能です。

ラックスマンの”MQA-CD”対応CDプレーヤー『 D-03X 』は、オーディオファイルが今現在望んでいるであろう、あらゆるフィーチャーに加え、ひたすら高音質を目指して開発された“最新鋭デジタルプレーヤー”と言える注目機です。

(あさやん)


今回ご紹介した ラックスマン『 D-03X 』はこちら