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[ 2020年 3月 3日付 ]

 エソテリック 最新鋭デジタルプレーヤー『 K-01XD 』『 K-03XD 』誕生!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、エソテリックのフラッグシップ「Grandioso(グランディオーソ)」のエッセンスを注入した、最新鋭デジタルプレーヤー『 K-01XD 』『 K-03XD 』をご紹介します。



エソテリック『 K-01XD 』『 K-03XD 』は、いずれも、2010年発売の「K-01」「K-03」、2014年の「K-01X」「K-03X」、そして、2018年の「K-01XS」「K-03XS」に続く、第4世代機です。

それでは、前作からのグレードアップの内容と『 K-01XD 』と『 K-03XD 』の違いについて、エソテリックの担当者に詳しくお聞きしましたので、レポートしてまいります。

■ まずは「エソテリック」のVRDSのメカの歴史から
1987年、CDトランスポート ESOTERIC「P-1」に初めてVRDSが搭載されました。一体型CDプレーヤーでは、1991年のESOTERIC「X-1」が最初です。普及機としては、1992年のTEACのCDプレーヤー「VEDS-10」、CDトランスポート「P-700」が最初でした。1997年、当時CDトランスポートの最終型と言われたVRDSメカを搭載した伝説の「P-0」を発売しました。

2003年、SACDに対応した新VRDS搭載の「X-01」、2004年には、さらに進化したVRDS-NEO搭載の「P-01」、そして、フラッグシップ”グランディオーソ”にも、2013年に登場した「Grandioso P1」、2016年「Grandioso K1」に改良型のVRDS-NEOが搭載され、エソテリックのCD/SACDプレーヤーはVRDSメカと共に進化してきました。

SACD対応トランスポートメカ「VRDS-NEO」が、基本設計は変えて来なかったものの、登場して16年目の昨春(2019年)遂に、SACD/CD トランスポート「Grandioso P1X」に新開発の『 VRDS-ATLAS 』が搭載され、登場したのです。業界最高のメカと謳われた「NEO」のレベルを更に向上させるということは至難の技であり、エソテリックにとっては、社運を掛けた挑戦だったともいえます。

「NEO」のメカ設計を根幹から見直し、類まれなる機構の構築と高音質を誇る新規設計の究極のメカとして『 VRDS-ATLAS 』が完成したのです。VRDSメカ史上最高の剛性と重量を誇り、「NEO」との比較で重さが+27%(メカ単体6.6kg、ベース部含め13.5kg)もの重量級コンストラクションとしたことで、音質に悪影響を及ぼす、あらゆる振動を極限まで減衰させたのです。

その「Grandioso P1X」の発売から僅か半年で、『 VRDS-ATLAS 』を搭載した一体型SACD/CDプレーヤー「Grandioso K1X」を完成させたのでした。ただ約300万円という超ハイエンドプレーヤーであり、その恩恵にあずかるのは、ほんの一部のハイエンド層に限られていました。

そこで、今回ご紹介します『 K-01XD 』と『 K-03XD 』の登場と相成るのですが、『 VRDS-ATLAS 』を使う限り、やはりコストを下げるのには限界があり、下位の『 K-03XD 』でさえ、100万円強という高額なプレーヤーとなってしまいました。しかし、CD/SACDの可能性を極限の極限まで追求するのであれば、『 K-01XD 』『 K-03XD 』のご購入も検討されてみてはいかがでしょうか。

■ 究極のトランスポートメカ「VRDS-ATLAS」
VRDSメカニズムは、ディスクを同径のターンテーブルに確実にクランプして回転させ、ディスク自身の回転振動や、メカニズムの不要振動を徹底して排除し、ターンテーブルでディスクの反りを矯正します。これにより、光学ピックアップとディスクピット面の相対光軸精度を大幅に向上させ、サーボ電流を極小化できたことで、ディスク読み取りエラーの大幅な減少と優れた音質を実現したのです。

『 K-01XD 』に搭載された専用メカ「ATLAS 01」は、上位モデルと同一の20mm厚ブリッジを採用。極めて高い剛性と重量であらゆる振動を減衰します。ターンテーブルはジュラルミン製、SS400スティール製ブリッジはVRDS-NEOよりも大型化。スピンドルは、点接触で受けることで摩擦や回転ノイズを極限まで抑えています。

更にメカ全体の幅を広く、背が低い設計とすることで低重心化。ターンテーブル駆動用モーターを従来のブリッジ最上部からターンテーブルの下側に移動することで、振動をより効率的に減衰させています。トレーは最小限のくり抜きで高剛性化。特殊な振動吸収エラストマー樹脂製ストッパーでトレー収納時の共振も防止しています。


「Grandioso P1X/K1X」のATLASとの違いは、ローディングレールエンド(K-01XDでは金色の部分)の材質が変更されている点です。

また、『 K-03XD 』に搭載されている「ATLAS 03」は、「ATLAS 01」の20mmブリッジに対して、加工箇所を減らした18mmのブリッジとなっています。その他は全く同じで高剛性+重量級には変わりはありません。

■ DACチップではない「Master Sound Discrete DAC」
前作まで、DACには旭化成の最上位のチップが使われていました。しかし上位機「Grandioso D1X/K1X」にはエソテリックの完全自社設計のディスクリートD/Aコンバーター「Master Sound Discrete DAC」が搭載され注目を集めました。

従来の集積チップでは実現することのできない、吟味を重ねたディスクリート部品で回路を組み上げることで、音楽の「躍動感」や「エネルギー感」の完全なる再現を目指したとのことです。


『 K-01XD 』には、「K1X」版のエッセンスを凝縮しつつ、シンプルな回路構成としてコストダウンを図ったとのことです。DACは、1チャンネル当たり32のエレメントから構成され、主要部品は32エレメント分を全て独立させた贅沢な物量投入型です。プレミアム・グレードの高音質パーツを贅沢に採用しています。

また、『 K-03XD 』では設計自体は『 K-01XD 』のDACと同じで、見た目も全く同じですが、コンデンサー等に通常の高音質パーツを使用しているとのことです。しかし、これによる音質差はほぼ無いとのことです。

部品の公差が演算精度に直結するため、基板製造は病院のオペ室と同レベルのクリーンルームで、無酸素炉でハンダ付けを行うエソテリックの自社ファクトリーで行っており、これこそ同社の世界有数の基板マウント技術の成せる技だと言えます。

■ 音質の要となる強力な電源回路
『 K-01XD 』は合計4つの大容量トロイダルトランスを搭載。D/Aコンバーター部のL/R、メカニズム、デジタル回路をそれぞれ専用の電源トランスから給電する贅沢な仕様となっています。

一定電圧を供給するための電源レギュレーターは、集積回路を使わないディスクリート構成で、フィードバック量を最小限としています。コンデンサーには合計71本(合計容量1,850,000μF)のスーパーキャパシターを搭載。電源の大容量化は間違いなく低域の解像度を大きく改善します。

一方『 K-03XD 』は、合計2つの大容量トロイダルトランスを搭載し、デジタルとアナログの電源部を独立させています。また、合計26本(合計容量650,000μF)のスーパーキャパシターを搭載しており、ここが最もコストを抑えられた要因でもあります。やはり若干の余裕度に違いが出そうですが、それはあくまでニュアンスレベルだとエソテリックはしています。

■ その他「前作」との違い
1)クロック
「Grandioso P1X/D1X」用に開発された高音質クロックデバイス「Grandioso Custom VCXO II」を搭載。位相雑音が極めて少なく、優れた中心精度(±0.5ppm)を誇ります。

2)セミフローティングトップパネル
Grandiosoと同様、トップパネルをネジで締め付けない構造にすることで、伸びやかで開放感のあるサウンドを目指しています。

3)MQAにフル対応
MQA-CDのデコード再生やUSB入力をはじめとする各デジタル入力再生時のMQAコーデックにも対応。

4)シャッタートレイメカを廃止
メカ音を少しも漏らさないため、前作「K-01XS」に採用されていたシャッタートレイを『 K-01XD 』では廃止しています。これは、ATLASの静粛性と不要なメカの削減により音質が向上したためとしています。

■ まとめ
「Grandioso(グランディオーソ)」のエッセンスを注入した、最新鋭デジタルディスクプレーヤー『 K-01XD 』『 K-03XD 』。正直筆者を含め、それでもまだまだ”高嶺(高値)の花”ではありますが、”今こそ!”ハイエンドオーディオの王道である光ディスク(CD/SACD)から最高のパフォーマンスを引き出すことが可能であり、しかも、話題の「MQA-CD」にも対応している、ハイレゾディスク&ハイレゾファイル・フル対応機として大注目のデジタルディスクプレーヤーです。

(あさやん)


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