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[ 2020年 12月 29日付 ]

 ラックスマン製・真空管グラフィックイコライザー・キット「LXV-OT9」を作ってみた

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は「ONTOMO MOOK」で有名な音楽之友社から発売されている、ラックスマン製・真空管グラフィックイコライザー・キット「LXV-OT9」をご紹介します。


直感的に使いやすい「5バンド グラフィックイコライザーキット」ながら、基本的にはネジを締める作業のみなので、順を追って慎重に作れば、誰でも簡単に作れます。



■ 冊子は16P(カラー)となっています



※P02〜P04:真空管グラフィック・イコライザーを組み立てる(図解入りで組立てを解説)

では早速組み立ててみましたので、その模様をご紹介します。

まずは、キット内容を確認。冊子に記載されているの内容物が全て揃っているか確認しましょう。「組み立てる前に必ずお読み下さい」を読んで、注意事項を熟読しておきましょう!

箱を開けると昔ながらのLUXKITのグレーの吹き付け塗装が・・やはり「懐かしい〜です」。


■ 組立てに必要なものを用意



組立てに必要なものを揃えておきましょう。「プラスドライバー」「精密ドライバー」プラスドライバーはしっかりしたものが必要です。(サイズはNo#2)

※このキットのシャーシネジはタッピングネジが採用されています、ネジで溝(タップ)を切っていくタイプなので、しっかりと押さえつつ、90°程度回して少し戻すを2〜3回繰り返す必要があります。

精度の悪いドライバーや、ネジ溝とかみ合わない寸法のドライバーを使うと刃先やネジ山をつぶしてしまう可能性があります。100均のドライバーは止めておきましょう。

精密ドライバーは前面のイコライザーパネルを固定するのに使います(小ネジ:6箇所)。



■ キットの組み立て






基板をシャーシに取り付けます。
基板は既に完成しており半田付けなどは一切不要です。





天板以外のシャーシを組み立てます。
シャーシ用のネジは全部で12箇所あります。全てタッピングネジですのでご注意下さい。穴の加工精度は高く、継ぎ目がズレることなく組立てできます。

ネジは一気に締めるのではなく、まずは軽く仮止めして最後にシャーシ全体の歪みを確認しながらしっかりと締めましょう。

+RCA入出力端子固定に2箇所のナットを締めます。



真空管をソケットに差し込みます。真空管には向きがありますのでご注意ください。

真空管を初めて扱う方は想像以上に固いかもしれませんが、左右に少しずつ振りながら慎重に最後まで隙間無く差し込みましょう。



最後に天板をネジ止めして完成です。今回は写真撮影しながら組み立てましたので1時間ほどかかりましたが、通常でしたら慎重に作業しても30分程度でできると思われます。



■ いよいよ、電源を入れてみましょう



電源を入れて真空管が点灯するか確認。やはり少し緊張しましたが、あっさりとクリア。半田もしていないので当然ですね。
※ケーブル類は付属していませんので予め別途用意しておいてください。



今回は先に製作したFMチューナー「LXV-OT8」の出力を「LVX-OT9」のINPUTS端子に、OUTPUTS端子からアンプのライン入力に接続しました。

接続方法は冊子のP05に写真入解説で詳しく記載されています。



■ 総評

ラックスマンKITの「LXV-OT9」は慎重に扱えば誰にでも必ず完成させられる製品です。基板などの電気系統は全く加工する必要なく、シャーシのネジ止めもしっかりとしたドライバーを用意すれば問題ないでしょう。

作りは結構精度が高くシャーシの継ぎ目のズレもなく、全体のガタツキもありませんでした。

グライコなどは接点や回路が追加されるので音質が悪くなると思われている方も多いと思います。実際にこのグライコを追加すると極僅かですが音の鮮度が悪くなったように感じますが、グライコを接続したことによって様々な発見がある場合も多いのです。

グライコはアンプのトーンコントロールとは異なり各帯域別に個別の調整が出来ます、そのため様々な楽器やボーカルの音を変化させる事ができるので、自分の好みが発見できます。

また、リスニングに使っている部屋の特性の補正が行えます。どこの周波数を上げ下げすると自然な感じになる・・など実験してみると面白い発見ができます。上手く使えば、音質を向上させる事ができる可能性がありますし、今後の機器選択の参考にもなります。

何より遊び感覚で自分のオーディオをいじれるのは本当に楽しい体験です。

※スマホのマイクで周波数測定が可能なスペクトラムアナライザー無料アプリの「FFT Wave」「Sound Analyzer」などを使ってチェックしても面白いですよ!!

※真空管ハーモナイザーとしても機能します!! 真空管を通すことで、柔らかく自然な音色で長時間、聴いていられる音になります。

「LVX-OT9」はグライコ回路の前段に真空管が入っていますので「グライコOFF」でもハーモナイザー効果により倍音を付加し、真空管を通った音になります! 付属している真空管は高級オーディオでも採用されているスロバキア製のJJ製ECC82の高性能モデルで、抵抗にも精密級1%抵抗が採用されており、価格を遥かに超えた実力があります。

MONITOR端子付のプリ(プリメイン)アンプの場合はRECOUTのON/OFFで切り替えができます。

5バンドイコライザーのそれぞれの音の変化の特徴(最大変化量+−8dB)
55Hz:音にふくらみを与える(レベルを上げると、ベース、パイプオルガンなどの低音域の楽器が安定感ある音に聴こえる
220Hz:低音に豊かさを与える
880Hz:臨場感や奥行きに関係する帯域
3.5Hz:明るさや硬さに関係する帯域
14KHz:冷たさや繊細感を与える帯域(レベルを上げ過ぎると刺激的で金属的な音になる)



(ichinose)




ラックスマン製・真空管グラフィックイコライザー・キット『 LXV-OT9 』はこちら