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[ 2021年 1月 12日付 ]

 クリプトン ブックシェルフ型スピーカー『 KX-1.5 』のこだわりとは?

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は、KRIPTON(クリプトン)から新発売された会心作スピーカー「KX-1.5」をご紹介します。前作の「KX-1」から約7年ぶりのモデルチェンジとなります。この7年間に培われた技術を取り入れて開発されています。

特に昨年発売された「KX-0.5」(2019年7月発売)で素晴らしい成果を上げた新技術を使った渾身のシステムとなっています。


KRIPTONのコンセプトでもある【 手の届く価格でありながら、Made in Japanの高品質/高音質を提供 】を見事に具現化した製品に仕上がっていてお勧めいたします。

細部にまで行き届いた入念な調整、チューニングにより完成度の高いスピーカーとなっていますので、その細部のこだわりを、順を追って解説いたします。


■ こだわり[1](ウーファー)


ご存知のようにKRIPTONのスピーカーは長年継承されてきた密閉型が採用されています。密閉型で最も重要なアイテムであるウーファーの開発には特に入念に行われたと思われます。

新設計の振動板は「KX-0.5」で採用されたカーボンポリプロピレン(CPP)を一回り大きく17cmとしています。ポリプロピレンはケミカル系の素材の中では最も紙に近い特性を持つもので、それにカーボンを加えて剛性をアップ。

紙の優れた内部損失の性質と、カーボンの高剛性特性の良いところを合わせ持った絶妙のバランスを実現した振動板との事です。

また、マグネットにもこだわりがあり、「KX-1.5」の磁気回路にはフェライトマグネットが使われていますが、上位モデルに採用しているアルニコマグネットに近い(B-H曲線)特性を実現した磁気回路が使われています。


■ こだわり[2](ツィーター)


ツィーターは「KX-1」から採用されている定評のある砲弾型イコライザー付ピュアシルク 35mmリングダイアフラム・ツィーターを改良して採用。

透明感を高め、更に高域周波数レンジ拡大を図り、50kHzまでの高域をカバー、ハイレゾ音源にも余裕で対応。


■ こだわり[3](エンクロージャー)


エンクロージャーの表面には音色の良さと自然材の美しさを兼ね備えたスモークユーカリ(自然材)の突板を貼り、仕上げに美しいポリウレタン塗装が施されています。少し濃い木目の美しい高級感溢れる仕上げで、格調と品位を高めています。

キャビネット主材には針葉樹系で高密度な18mm厚パーチクルボードを採用、裏板の高密度MDFを組み合わされた高剛性の密閉型とし、不要な振動を抑えながら、振動減衰特性に優れた、ぬけが良く、響きの美しい、まさに高級楽器のようなエンクロージャーとなっています。


■ こだわり[4](吸音材)


驚異の吸音材として話題になったあの「ミスティックホワイト」を混入した特殊な吸音材を採用。密閉型スピーカーにはキャビネット内部の空気の抜け道が無いためウーファーの動き(低域制動:Qo)を助けるために吸音材がギッシリと詰め込まれています。

「ミスティックホワイト」は通常の吸音材を遥かに上回る吸音特性を誇る素材のため、今回は「純毛低密度フェルト」と組み合わす事により、ウーハーの優れた低域特性との相乗効果が生まれ、密閉型の優れた低域特性、トランジェントの良い、奥深い低音を実現しています。


■ こだわり[5](内部配線材)


内部配線には、高域用と低域用に異なる専用「PC-Triple C」導体ケーブルを使用。ツィーター用にはケーブルの振動を吸収する効果があるというマグネシウム芯線の外周に「PC-Triple C」導体を6本よりした構造。ウーファー用には極太の「PC-Triple C」導体に、ケーブル絹の介在を使用しています。

付属するジャンパーケーブルも「PC-Triple C」導体となっており、内部配線から接続ケーブルまで全て統一した線材が採用されています。


■ こだわり[6](ネットワーク回路)


2ウェイのデバイディングネットワークは歪を極小まで抑えるため、抵抗値の低い空芯コイル(直径1.2mm)、ケース入りのピッチ材で振動を抑えた低損失メタライズドフィルムコンデンサーなどのネットワーク素子を採用。

これらにより優れたスピーカーユニットの音を極限まで引き出し、音楽のピアニシモからフォルテシモまで、さらにハイレゾの音場感までピュアな再現を実現しています。


■ 試聴してみました

サウンドはクリプトンらしい情報量が豊かで充実したサウンドです! JAZZのドラム再生では、密閉型らしい引き締まって、深く沈みこんだ低域表現に優れ、明瞭なアタック感により、リアリティーに溢れたサウンドを聴かせてくれる。

難しい低域の再生も見事、絶対的な量感ではなく、優れた階調表現力で演奏の本質を再現してくれます。また、感心するのは密閉型ながら小音量時にも全体のバランスが崩れる事が無かった事もご報告しておきます。

女性ボーカルの艶やかな表情も見事に歌い上げてくれる。ナチュラルで癖のないサウンドは楽曲を選ぶ事も無いでしょう。非常に美しく仕上げられた外観同様にサウンドも美しく優れたもので、所有感を満たしてくれるスピーカーになっていると思います。

コストパフォーマンスも最高で、アンプなどの周りの機器のグレイドアップなどしながら長く付き合えるのではないでしょうか!!

この15年間で17モデルものスピーカーをを商品化してきた《 メイド・イン・ジャパン 》の匠・渡邉氏の会心作は、さすがに改良に改良を重ねたモデルだけあって完成度の高い見事なサウンドを達成しています。

本体サイズは幅224×奥行き319×高さ380mm、重量は9s。
インピーダンスは6Ω。出力音圧レベルは88dB/W・m、再生周波数帯域は40Hz〜50kHz。
(ichinose)




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