■ McIntosh(マッキントッシュ)というメーカーについて
-
McIntoshは、Frank H.McIntosh「フランク・ホームズ・マッキントッシュ」によって、1949年(昭和24年)に米国ワシントンで創立されました。
その後、現在のニューヨーク州に本拠を移し、超有名なGordon J.Gow「ゴードン・ガウ」とSindney Corderman「シドニー・コーダーマン」がエンジニアとして加わったことで、今日まで72年にも及ぶ製品開発の基礎を作り上げました。
McIntoshの製品作りの考え方は、「音楽への愛情」を背景とし、その時々の最先端技術を実用的に精錬して、恒久的な信頼性と安全性を得ることにあります。そして、McIntoshのアンプは、その完全性と永続性を求めたオリジナリティ溢れたデザインが特徴となって、現在に至っています。
■ マッキントッシュ初のステレオ・コントロールアンプ
-
マッキントッシュ初のステレオ・コントロールアンプが、管球式ステレオ・コントロールアンプ「C20」です。発売は1959年。位相切替、ラウドネス調整、低域トリム機能を装備しています。
前期型と後期型があり、音量ボリュームを絞ると電源がOFFになる点は共通していますが、前期型はフロントパネル及びトリムがアクリル仕様であり、後期型は、フロントパネルがガラス、トリムがアルミへと仕様変更されています。
1959年 / C20
■ C22の歴史
-
C22は度々復刻モデルとして復活しているマッキントッシュの人気モデルです。オリジナルは1962年に発売され、その後約10年間生産された真空管プリアンプで、マッキントッシュの地位を確立したモデルでもあります。
使用真空管は12AX7が6本。当時は真空管プリアンプにおいて、マランツモデル7と並んでトップモデルとして位置付けられ人気を二分しました。
1962年 / C22
■ オリジナルを踏襲しつつ、最新技術を投入
-
復刻版 真空管式プリアンプ「C22」こそ、McIntoshを代表するプリアンプであり、その無骨さとスタイリッシュさを兼ね備えたデザインは、非常に魅力的です。
ただ、今回の復刻版は単なる懐古趣味な製品ではなく、伝統的な設計思想は継承しつつも、最新技術や高品位パーツが随所に投入されており、ハイレゾを初めとした最新の高音質音源にも十分対応できます。それらに、McIntoshの魅力を加えて再現する、McIntoshならではの最新鋭機ともいえる製品です。
「C22」「MC75」、共に1960年代にリリースされた同社の歴史的銘機です。2012年には、日本でのみ100台限定モデルとして発売され、人気を博しました。
2012年 / C22
2014年 / C22
-
それが今回、レギュラーモデルとして再び登場したのは、誠に嬉しいことです。この最新バージョンの真空管プリアンプ『 C22V 』は、2019年にマッキントッシュ社70周年を記念して発売された、『 C70 』真空管プリアンプ直系の後継製品です。
2019年 / C70
新しい『 C22V 』は、大切にされてきた『 C22 』の型番と、その特徴であるガラスとアルミニウムのフロントパネルデザインを継承しています。フロントパネルのノブとロッカー・スイッチですべてのコントロール機能を操作し、ノブ周囲の赤く光るLEDドットが入力機器と音量レベルを表示します。
2021年 / C22V
-
『 C22V 』は、バランス入力を2系統、アンバランス入力を3系統、MCとMMフォノ入力を各1系統の合計7系統の入力を備えています。バランス出力とアンバランス出力をそれぞれ2ペアずつ装備しており、2台のパワーアンプに信号を送ることができます。
2021年 / C22V
『 C22V 』の『 V 』は、5代目の『 C22 』を意味し、レギュラーモデルとして製品化されました。『 C22V 』は、クラシカルな雰囲気をまとい真空管プリアンプとしてマッキントッシュのアイデンティティと言える時代を超越したスタイルを受け継いでいます。『 C22V 』は、12AT7真空管1本と12AX7A真空管5本を使用しており、プリアンプ上部のガラスパネルからその様子を見ることができます。
2021年 / C22V
-
バイパス可能なバスとトレブルのトーンコントロールはフロントパネルにあり、ロータリーノブで2dB単位で調整することができます。
また、フォノ入力のインピーダンスとキャパシタンスは、個別のロータリーノブで調整できます。音量設定に加えて、ボリュームノブを使って左右のオーディオチャンネルの相対的な音量バランスを調整することもできます(軽くノブを押すとバランス調整モードに切り替わります)。
1/4インチのヘッドフォンジャックは、High Driveヘッドフォンアンプを搭載しており、Headphone Crossfeed Director (HXDR)技術を採用しています。HXDは、通常はスピーカーからしか聞こえないサウンドステージの指向性成分を復元することで、ヘッドフォン出力にスピーカーリスニングのような前方定位のサウンドステージを実現しています。
(ichinose)
|