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[ 2021年 3月 17日付 ]

 中電のハイコストパフォーマンス・カートリッジのすすめ

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

ここ最近、アナログ人気が再加熱しております。

最近のカートリッジの新製品を見てみると、何十万もする超高級MCか、割り切った安価MMしか発売されておらず、両極端となっており、手を出せない方も多いのではないでしょうか。

そんな中、一昨年発売されて話題となった中電のカートリッジ「MG-2805G」が、相変わらずの人気を誇っています。

材料・部品・組立・調整・検査・出荷まで、完全日本産の安心のMade in Japanレコードカートリッジです。

今回はその上位モデルで、注目の「MG-3605」「MG-3675」の2機種が発売されたので、ご紹介いたします。



■ 中電(CHUDEN)について

もちろん、某電力会社さんとは全く関係ありません。純粋に、群馬県のアナログレコードのカートリッジを専門に製造するメーカーです。

(株)中電の前身は、群馬県にあった「中央電子工業(株)」です。CDが台頭した1980年、レコード業界が一気に冷え切った頃に、アナログレコード用カートリッジ業務を買い取りして独立したのが(株)中電です。

当時主力製品だった「セラミックカートリッジ」「MMカートリッジ」が現在の(株)中電でも主力になっています。

これらは今でも、国内外の多くのレコードプレーヤーメーカーへOEM提供をしています。

中央電子工業から独立後にMMカートリッジを作り続けて約20年、レコードカートリッジの業界を見渡せば、高級・高額なMCカートリッジは新製品も出てきておりますが、手の届く価格のカートリッジを作り続けているメーカーは数えるほどとなってしまいました。

国産MMカートリッジを作り続けている会社が群馬県にあることを知っていただきたい!

そんな思いから、2018年に自社ブランド「CHUDEN」としてカートリッジ及びアナログ関連製品の生産を開始! OEM向けとデザインは同じでも、調整を追込んでワンランク上を目指して選別したものを自社ブランド商品として製品化されています。


■ 手の届く価格ながらも我慢する事無く音楽が楽しめる魔法のカートリッジなんです。

今回発売された「MG-3605」と「MG-3675」はスペックを見る限り普通の安価なカートリッジでしかありませんが、その実態は・・・。

両モデルのスペックをご紹介!

■ MG-3605

針形状:結合ダイヤ丸針(0.6ミル)
出力電圧:9.5mV/1KHz(5cm/s)
周波数特性:20〜18KHz
チャンネルバランス:1.5dB以下
セパレーション:23dB以上
負荷抵抗:47KΩ
静電容量:200pF
推奨針圧:3.5g
重量:5.8g


△ カートリッジ本体「MG-3605」



△ 便利なシェル付「MG-3605+HC-001」



△ 交換針「CN-3605」



■ MG-3675

針形状:結合ダイヤ楕円針(0.3x0.7ミル)
出力電圧:7.5mV/1KHz(5cm/s)
周波数特性:20〜20KHz
チャンネルバランス:1.5dB以下
セパレーション:25dB以上
負荷抵抗:47KΩ
静電容量:200pF
推奨針圧:2.5g
重量:5.8g


△ カートリッジ本体「MG-3675」



△ 便利なシェル付「MG-3675+HC-001」



△ 交換針「CN-3675」



どちらのモデルも針先形状は結合ダイヤが採用されています。一般的に結合ダイヤのモデルと言えば、高音質をイメージする方は少ないのではないでしょうか!

私も最初にご紹介いただいた時は、プレーヤー付属カートリッジの交換用のレベルかと思っていました。

が、実際はちょっと他では体験できない、目の覚めるパワフルなサウンドで、唯一無二の実力を誇っています!

また、この2モデルはそれぞれに個性が有り、別々の楽しみ方が出来るカートリッジだったのです!!


■ 音質をご紹介

MG-3605

針先は丸針で、出力は何と9.5mVと言う超高出力を誇り、圧倒的なパワフルサウンドが特徴です。

音質の傾向はMMらしく、明るく張りのあるサウンドで、音像は標準よりも確実に1歩前に出てくる感じです。

これだけ聴くと、シュアーの「M-44G」みたいな感じかと思われるかもしれませんが、遥かに高い音楽性を感じます。

このカートリッジの凄いところは楽器やボーカルの音像が高級カートリッジ並みにしっかりと表現できているところで、健康的な明るさとあいまって、聴いていて気持ちよさすら感じさせてくれます。

しっかりとチューニングされた安心感があり、安物を聴いている感じは全くありません。


MG-3675

針先は楕円針で、こちらの出力は7.5mV、針圧も2.5g「MG-3605は3.5g」と少し控えめとなっています。

基本的には明るくパワフルな傾向ですが、音質傾向は少し控えめで、帯域バランスが整ったチューニングが施されている感じです。

「3605」より音場は澄んでおり、落ち着いた質感で、より広い音楽に対応できる上級機種と言えます。

クラシックもそれなりに楽しめるし、JAZZやPOPSのバラード系にはこちらがお勧めです。


両モデルともボディーは共通との事なので、両方の交換針を揃えることで、2個の超コストパフォーマンスのカートリッジを所有しているのと同様の楽しみ方が出来ます。(重さは同じなので、針圧の差1.0g分のウエイト調整が必要です)

もちろん、高級MCカートリッジのような、超高S/N、しっとりと滑らかなシルキーサウンドではなく、音楽を楽しめる、明るく健康的なハイファイサウンドとなりますので、予めご了承願います。

通常のカートリッジと較べると約倍の出力となるのでアンプのボリュームには注意してくださいね!!

(ichinose)


中電『 MG-3605 』

中電『 MG-3675 』


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