カテゴリから選ぶ

[ 2021年 6月 15日付 ]

 フォステクス 16cmフルレンジユニット『 FE168SS-HP 』をご紹介!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回ご紹介する、フォステクス『 FE168SS-HP 』は、音響の基礎に徹した開発理念と独自の技術を駆使して新たに開発された、限定発売のフルレンジ・スピーカー・ユニットです。


大型フェライト二枚重ねの強力低歪み外磁型磁気回路と、新開発のセルロース・ナノファイバ・コーティングHP形状振動板を採用することで、充実した低域とカラーレーションの少ない素直な中高域の音質により、力強くも繊細で表現力豊かな音楽の再生を実現します。


■ 大型フェライト二枚重ねの強力低歪み外磁型磁気回路

磁気回路には大型フェライトマグネットを二枚使用し、十分な磁束密度を確保。ポール部に銅キャップを追加することで、電流歪みを低減し、力強い音楽再生と中高音域の音質向上を実現しました。何と総重量5.3kg(1個)の超重量級モデルです。





■ 新開発セルロース・ナノファイバ・ コーティング HP形状振動板

最新技術であるセルロース・ナノファイバ・コーティングは、基層の表面にセルロース・ナノファイバとマイカから成るコーティング層を形成しており、ヤング率、比曲げ剛性、音速を向上しながら内部損失の低下を抑制する特徴を有しています。

この処理を施したHP(Hyperbolic Paraboloid)形状の振動板は、軽量にして剛性の確保と共振の分散を高度に実現しています。

フルレンジらしい、反応が早く切れの良い低域、充実した中低域、明るく張りが有る素直な中域、自然な 響きの中高域、十分に伸びた高域によって音楽を楽しむことができます。





■ 高剛性アルミダイキャストフレーム

大型フェライト磁気回路を支え、不要共振を排除するために高剛性アルミダイキャストフレームを採用しました。





■ 優れた振幅応答性を持つ、UDRT ダンパー/エッジ

ダンパーとエッジには、UDRT(Up-Down Roll Tangential)形状を採用。この形状は多様な面で構成されているため 全体の形状剛性が高く、共振を高い周波数へ移動、且つ特定の大きなピークが抑制され、スムーズな特性が得られます。


■ ハトメレス構造

振動板の上にハトメを打たず、ボイスコイルからティンセルワイヤーを引き出す、ダイレクトリードを採用し、振動系質量の軽減と振動の平準化を実現。

また、ダイレクトリードの引き出し位置は質量分布の対称性を考慮して180度位置からの回転方向引き出しとしています。


■ ファストン205金メッキ端子

入力端子にはファストン205タイプの低損失金メッキ端子を採用。スピーカーケーブルの確実な接合と音質劣化を防ぎます。





■ フォステクス 限定16cmユニットの歴史

1990年「FE-166Super」・・重量:3.00kg、M0:6.3g、能率:95dB/W
1997年「6N-FE-168SS」・・重量:4.37kg、M0:8.0g、能率:94.5dB/W
2001年「FE-168ES」・・・・・重量:4.90kg、M0:6.9g、能率:95dB/W



2004年「FE-168ES-R」・・・重量:2.80kg、M0:7.44g、能率:95.5dB/W
2011年「FE-163En-S」・・ 重量:3.15kg、M0:7.0g、能率:93dB/W
2021年「FE-168SS-HP」・・重量:5.30kg、M0:9.54g、能率:91dB/W

このように比較してみると、重量は5.3kgで最も重く、M0:9.54と振動板も最も重く、能率は91dBと最も低く設計されています。剛性を高く、重い振動系をオーバーダンプするために巨大なマグネットが装備されていると思われます。

バックロードホーンのホーンを十二分にドライブできる強力な磁気回路と言えます。今までの軽量振動板、高能率のいわゆるオーバーダンピングユニットとはだいぶ異なる設計となっています。

他の限定モデルと較べると能率は約4dBほど低くなっており、同じ入力(W)だと音圧は半分程度となりますね。

FEシリーズは年々低能率化しています。(2001年:95dB/W→2011年:93dB/W→2021年:91dB/W)

能率が低くても強力なマグネットにより低域を制御する事ができ、周波数特性の低域は見事にコントロールされています。



この中では、なんと言っても2001年に発売された「FE-168ES」は熱狂的な人気を博していましたね! 長岡先生設計のバックロードホーンに装着している方がほとんどだと思います。さすがに20年経過していますが、代わりとなるユニットが発売されなかったため、現在も愛用している方も結構多いのではないでしょうか!

今回限定発売された「FE-168SS-HP」は正統な後継モデル(?)としてお勧めいたします。「FE168ES」以上に、圧倒的な物量が投入されており、ロクハンの名機になりえる、過去最強のユニットになっています。

音の傾向ですが、「FE-168ES」はかなり這い上がり傾向のある、じゃじゃ馬的な音質のユニットでしたが、「FE-168SS-HP」は現代的に熟成された魅力を放つ、繊細さと、素晴らしい表現力を持った大人のサウンドに! 圧倒的な物量が投入されており、低域の押し出し感や、ソリッド感が更に強化されているとの事です。

細部に至るまで、丁寧なチューニングや改良が加えられて完成度の高いユニットに仕上がっています。

また、奥行きが図のように100mmと長くなっているため、取り付けの際は事前の確認をお勧めいたします。







■ 最後に、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" より、お知らせ。

「FE-168SS-HP」は限定モデルで6月入荷分は既に完売しております。
次回は、10月末頃の入荷予定で台数を確保しております。入荷数が確定いたしましたら、販売を再開しますので、今しばらくお待ち下さい。
(ichinose)


フォステクス『 FE168SS-HP 』『 T90A-SE 』はこちら!