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音場工房

[ 2021年 10月 12日付 ]



待望のB&W「800D4」シリーズが入荷しましたので試聴レポートいたします!



  • ichinose
  • こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

    今回入荷したのは「805D4/MR」と「804D4/MR」の2機種です。

    スペックや各部位は前回紹介しているので割愛させていただき、細部の写真を中心にご案内させていただきます。

まずはコンパクトなブックシェルフ型の「805D4/MR」をご紹介。

日本橋店での展示状況です。ELAC、JBL、DALI、TANNOYなどと聴き比べできます。

「805D4/MR」単体のクローズアップです。かなり高級感がアップしており、只者ではないオーラを感じます。

こちらは旧モデルの「805D3/MR」です。細部の質感が大幅に高くなっており、より高級なものとしての所有感が満たされると思います。

ロングタイプのソリッドボディ・トゥイーター・オン・トップ・ハウジングです。ボディーの奥行とほぼ同じ長さ370mmの無垢のアルミニウムの円柱から削り出されたデカップリング・ハウジング。なめらかな曲線でいかにも良い音を奏でてくれそうです。

アルミニウムの塊から削り出されており、キャビネットの色に応じてブラックまたはシルバーのアルマイト仕上げが施されています。

このトッププレートはすべてアルミニウム鋳造製で制作されており、従来の木製と比べ、キャビネット全体の剛性を大きく向上させています。

トッププレート(天板)には高級レザーが貼り付けられていて、より高級感があります。この本革は最高級といわれる、コノリー社製のレザー素材を贅沢に使って装飾されています。

ダークなキャビネット(ブラック、ローズナット)にはブラック、明るい仕上げ(サテン・ホワイト、ウォルナット)にはライトグレーが使用されています。

「Bowers & Wilkins」のロゴはトップハウジングに刻印されており、本体にプレートなどはありません…。実は、底面に金属プレートが取り付けられています!

ななめ上から撮影、2ウェイの全体像です。このキャビネットは上級モデルと同じ、一枚の積層合板をカーブさせて成型したマトリックス構造です。一般的なパーチクルボードのキャビネットと比べると格段の剛性の高さと、桁違いの共振防止性能が備わっています。

この新形状により、キャビネットのフロントバッフルの薄型化と全体の剛性アップを実現しています。

また、クロスオーバーはスピーカー背面の専用スペースに設置し、剛性の高いアルミ製バックプレートの後ろにマウントされています。

ウーファーには165mmコンティニウム・コーン・ミッド/バスを採用。いかにも剛性の高そうなアルミニウム製フレームに取り付けられていますね。

バスレフポートはB&Wでは、おなじみのディンプル加工が施されていて、前面に取り付けられています。エッジにはシルバーのリングが取り付けれれています。

付属のネットを取り付けた状態です。

アルミニウム製にヘアライン仕上げされたフレームの表面にはサランネットが貼り付けられています。

ネットを裏返すとパンチングメタルでこのネットも手を抜くことなく丁寧に作られています。埋め込まれている8点のマグネットによりワンタッチでしっかりと脱着ができます。

裏面はD3では「803」以上にしか採用されていなかったヒートシンク型の、高剛性なアルミニウム製バックプレートが採用されています。

端子類も上級モデルと全く同じロジウムメッキ製の大型端子が採用されています。この端子は穴が開いていないタイプなので、裸線の接続は基本的に想定されていません。接続するスピーカーケーブルはYラグかバナナ端子の端末処理が必要です。

付属のジャンパー線はYラグ仕様となっています。

底面を撮影しました。今までの2点止めではなく4点止めとなっています。今までの「805」用のスタンドではネジ止めはできませんのでご注意ください。

底面の後ろ側に「805D4」の金属プレートが埋め込まれています。

担当者の「805D4」の感想と試聴レポート

総合的に前モデルの「805D3」とは全く違う製品となっていると思いました。前モデルの上級モデル「803D3」以上に採用されていたノウハウを惜しげもなく導入されているのはもちろん、今回の「800D4」シリーズに新たに採用された高度な技術もクラスの垣根を越えてほぼすべて導入されています。

売り場では「805D3」と並べて展示されていたので一目で全然違うのは分かりましたし、細部を見ると「高級感あるな〜!」と唸ってしまいます。サウンドは、箱から開けた直後で全くエージングもされていなかったのですが、非常に滑らかで、しなやかなサウンドを聴かせてくれました。

もちろん基本的なB&Wサウンドが継承されていますが、聴感上のSNの高さが見事で、静寂の中からの音の出だしの瞬間にストレスがありません。本当に精密な機器を使っていると実感できる希少なスピーカーと言えるのではないでしょうか。

ダイアモンド・ドーム・トゥイーターの凄さはもちろんですが、キャビネットやネットワーク、端子類から内部配線に至るまで、すべてが丁寧に作られているために総合的な完成度の高さは至高の領域に達していると言えます。


次に、上位モデルのフロア型の「804D4/MR」をご紹介いたします。

日本橋店での展示状況です。DYNAUDIO、DALI、FOCAL、TANNOYなどと聴き比べできます。これまでヘッド付きの上位モデルだけに採用されていた「リバースラップ・キャビ」が搭載されて今までの「804」から大きく進化しています。

下向きのバスレフポートと本格的な台座なども採用されており「803」に近いクオリティーを聴かせてくれるモデルに成長しています。

「804D4」のトップ写真です。ツイーター周りは基本的に「805D4」と同じ仕様です。アルミニウム鋳造製のトッププレート(天板)にソリッドボディ・トゥイーター・オン・トップ・ハウジングが取り付けられています。

裏板も「805D4」と同様のヒートシンク型の、高剛性なアルミニウム製バックプレートが採用されています。綺麗に揃えられた造形美には、並々ならぬBowers&Wilkinsの拘りを感じます。

アルミニウム無垢からの削り出しツイーターハウジング、アルミニウム鋳造製のトッププレート、コンティニュアム・コーン・ミッドユニット等々の高度な技術が詰め込まれていますが、そのすべてが高い完成度を誇り、自然なサウンドを生み出しています。

革命的なミッドレンジ・ドライバーには、コンティニュアム・コーン、FST、バイオミメティック・サスペンション、ミッドレンジデカップリングという4つの、Bowers&Wilkins主要技術を駆使した専用のミッドレンジ・ドライバーが搭載されています。

このユニットに採用されているサスペンションは、新開発の画期的なコンポジット・バイオミメティック・サスペンションが採用されています。更に、ミッドレンジデカップリング技術によりウーファーの動作による干渉は最小限に抑えこまれています。

スクエアに配置された25mmツイーター・130mmミッドバス・165mmバスのユニット。各ユニット間は完璧なつながりを誇り、自然でリアルなサウンドを実現しています。

ウーファーユニットはカーボンファイバー製スキンと、軽量で厚みが連続的に変化するフォームコアによる低質量かつ高剛性を実現。

さらなる低歪化のために発泡体を用いたAnti-Resonance-Plugを追加したエアロフォイル・コーンを採用。

バイワイヤリング対応のターミナルは「805」と同じもの。高剛性のアルミニウム製バックプレートに強固に固定されています。

不要な共振を制御するために設計された拘束層ダンピングシートを備えた、堅牢なアルミニウム製の台座が採用されています。上位モデルと同じ、下向きのバスレフ・フロー・ポートが採用されています。「805」同様「804D4」の金属プレートが取り付けれています。

付属品の収納BOXです。スパイクとR型のフットが付属されています。増締め用のスパナも付属しています。

ねじ径は12mmとかなり太いスパイクが付属されていて、取り付けねじの精度も高く、一切の手抜きは見当たりません(従来モデルは6mm)。精度が高いため、手では締めにくく、付属のバーとナットを使って調整をします。

取り扱い説明書はもちろん日本語で、スピーカーとしては異例なほど丁寧で、詳細が記載されています。

担当者の「804D4」の感想と試聴レポート

いや〜、これはもう完全に上位モデルを意識した品質で仕上がっていますね。

設置する部屋には制限があるが、音質では妥協したくない方に最適なスピーカーにグレイドアップされています。スコーカーの大型ヘッドが無いだけで、その他の構成や品質は「803D4」と相違ないのではないでしょうか!

扱いやすさや、日本の家庭事情を考えると「804D4」は、かなりお勧めできる方が多いスピーカーと思います。

日本橋店では「805D4」とは別の試聴室に展示されており、同じ条件ではありませんでしたが、低域にゆとりがあるのは当然ですが、アキュフェーズやラックスマンの最上級セパレートアンプとの組み合わせでもまだ余裕を感じさせるサウンドでした。

こちらも展示したばかりで全くエージングはできていませんが、エージングが進んで低域の能力がフルに引き出せるようになるのが楽しみです。まだまだ性能は引き出せていない段階でも、かなりの可能性を感じることが出来るスピーカーだと感じました。

価格的に「804D3」から2割ほどアップしていますが、現物を確認すると、もう完全に納得できる内容でしたのでご報告しておきます。





今回ご紹介した機種