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音場工房

[ 2021年 11月 23日付 ]



ムジカノートより発売された スーパーツイーター「S-STW01」に注目!



  • ichinose
  • こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

    今回は、コストパフォーマンスに優れた、ムジカノートのスーパーツイーター「S-STW01」をご紹介します。

アナログ時代には盛んに発売されていた スーパーツイーターですが、近年は新製品も少なく、下火になっていました。しかし、最近はデジタルもハイレゾが主流になってきた事、アナログが再ブームになってきた事もあり、スーパーツイーターの需要が高まってきております。

そんな折に発売された、ムジカノートの「S-STW01」は価格も抑えられていながら、本格的な効果が期待できると注目されています!!

※現在は人気がありすぎて約2か月待ち状態となっています。(2021年11月現在)

わたくしも、以前は村田製作所のスーパーツイーターを愛用していました。20kHz以上の帯域を強化するスーパーツイーターはどのような効果があるでしょうか!

その効果は、高域の改善はもちろんですが、意外にも、むしろ低域の改善が目覚ましく聴き取れることにあります。高域の過渡応答特性が改善され、フォーカスが「ビシッ!」と決まる事により、全帯域の音像のエッジがシャープになり、なかなか改善することが難しい低域への効果が新鮮なんです。

残念ながら、村田製作所、パイオニアなどの人気のあったスーパーツイーターは生産完了となり、現在では海外のハイエンドブランドぐらいしかなかったため、このムジカノートは救世主といえます。

ハイレゾ対応スピーカーとうたっている20kHz以上を再生できるスピーカーも数多く発売されておりますが、中高域からの再生も担っているため、高い周波数になるほど正確に再生することは難しくなっています。

そこで、超高域再生専用のスーパーツイーターを追加することで高域を補強してくれます。

スーパーツイーターのネットワークは非常にシンプルでコンデンサー1個となります。周波数特性は-6dBとなだらかでムジカノートの「S-STW01」では1uFのコンデンサーが内蔵されており、20kHzから-6dBで低域側を減衰させています。

スーパーツイーターの場合は20kHz以上の再生のため、接続するスピーカーの音圧レベルは基本的に気にする必要ありません。アッテネーターなどによる音量調整も必要ありません。

コンデンサーの交換で効果の度合いを調整することは可能です。容量の小さいコンデンサーにすることで、より高域にシフトし、容量が大きくなると低域にシフトされます。

メインスピーカーのインピーダンスや能率により調整が必要な場合がありますが、あまり神経質になる必要はありません。

まずは標準の仕様のまま接続して様子を見ることをお勧めします。

接続はお使いのスピーカー端子に並列に接続するだけです。特にスーパーツイーター用として販売しているケーブルでなくても、手持ちのスピーカーケーブルでも問題ありません。

スピーカーの上に置くのが一般的な設置方法ですが、注意点は置く場所の調整です(位相を合わせる)。

まずは接続するスピーカーの振動版のポイスコイルの位置に合わせるのがおすすめです。ツイーターが搭載されている場合はバッフル板面に合わせる、フルレンジなどの場合は少し後ろにオフセットしてボイスコイルの位置を合わせます。

後は、微調整です。前後に少しずつ動かして最も違和感がない位置に合わせますが、焦らずに時間をかけて調整することがコツとなります。

ハイレゾ&アナログ・・・今こそ SuperTweeter を!

CDが音楽ソフトの主役だった時代は、オーディオ機器の高域の再生周波数は20kHzが上限でしたが、現在のハイレゾやアナログの音源はそれ以上の高域成分を含んでおり、スーパーツイーターが再注目されています。

しかし、既にツイーターが付いているスピーカーに、このような製品を追加する意味があるのでしょうか?

もちろんスピーカーについているツイーターでも十分ですが、スーパーツイーターを付加する事で、高音域の指向性を補い、その結果、音場感が改善され、また音楽のジャンルによっては高域成分を増強することで全帯域での音が締まり、全体として音の情報量の向上が期待できるのです。

シンプルで美しいフォルムの低価格スーパーツイーター

高性能ツイーターをコンパクトでシンプルな美しいフォルムのボディに収めた「S-STW01」。木目を生かした仕上げにより、メインスピーカーの上でしっくり馴染むデザインを目指しました。

メインスピーカーに接続して使用する事により可聴帯域外〜40kHzを増強し、スピーカーシステムの過渡応答特性を改善、結果として全周波数帯域で音の切れ・解像度が向上します。

その他の特徴

・40kHzまで再生可能な高性能ハードドームツイーターを採用。

・薄板を曲げた美しいフォルム、木目が活きる仕上げ。

・ハイパスフィルタ用コンデンサの交換が容易。

・標準実装のコンデンサ:1uF(交換用コンデンサは別売)。

試聴してみました

接続したスピーカーは、クリプトン「KX-3P-2」。インピーダンス:6Ω、音圧レベル:86dB、周波数特性:40Hz〜35kHz、ハイレゾ対応の密閉型ブックシェルフスピーカーです。

「S-STW-01」が40kHzまでなので、スペック的には必要かな? と思われるかもしれませんが、その効果は抜群です。ほぼ全帯域に渡り、フォーカスが絞り込まれて、解像度が上がったサウンドを聴かせてくれます。

特に音量を絞って聴いている時の低域にリアリティーが加わり、密閉型の弱点を補ってくれているように感じました。

ネットワーク(コンデンサー容量)に関しては特に変更が必要だとは思いませんでしたが、リスニング環境やボリュームなどによって、かなり感じ方が変わるようなので、ご自身で色々とお試しください。

スピーカーを買い替えるのは、お財布的にも、物量的にも大変ですが、このスーパーツイーターの追加は、とても簡単にできますし、また楽しくもあり、アクセサリーとしても投資効率が抜群に高いと思います。

最終的なセッティングでは、スーパーツイーターを加えたことによって大きく変えるよりも、メインスピーカーの特性を生かして、補助的に使われるほうが、長く付き合えると思います。





今回ご紹介した機種