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音場工房

[ 2021年 11月 30日付 ]



上杉研究所より発売された フォノイコライザー「U-BROS-220R」をご紹介!



  • ichinose
  • こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

    今回は、上杉研究所より発売された フォノイコライザー「U-BROS-220R」をご紹介します。

「U-BROS-220R」の最大の注目点はなんと、真空管式フォノアンプとして初めて光電カートリッジに対応している点です!! さらに上杉研究所ならではの高品位で丁寧な設計により素晴らしいフォノイコライザーとして高い完成度を誇ります。

本機のサウンドは、最近のハイエンド・フォノイコライザーに見られるような、デジタル音源ではないかと見紛うようなサウンドとは異なります。実に柔軟で人間的な温もりを感じさせる良い音で、厚みを伴った安定感のあるサウンドは、アナログの魅力を存分に味わうことができる製品となっています。

もちろん、懐古的な製品ではなく”UESUGIアンプ”の魅力を生かしつつも、アナログ新時代に対応した、現代に通じる高性能化を果しています。

一度UESUGIアンプの魅力にはまってしまうと、そこからなかなか抜け出せないと言われるほどの魅力があるブランドで『UESUGIは不滅!』なのです。

「上杉研究所」は愛情を込めた設計で、個性豊かな製品を世に送り出し、グローバル化したハイエンドオーディオ市場にあっても、オーディオマニアをグイグイ惹きつける魅力あるブランドとなっています。

基本的には「U・BROS-220」の特徴を踏襲した設計となっています。

1993年に発売されてロングランを続けていた「U-BROS-20」から、2016年に先代の「U-BROS-220」にモデルチェンジされました。「U-BROS-220」は無帰還CR型イコライザーアンプで、高性能なバランス入力対応のステップアップトランスを搭載して人気となったモデルです。

更に今回5年ぶりのモデルチェンジとなり、なな・・なんと!光電カートリッジ対応となって新発売される運びとなりました。

レコード愛好家である上杉研究所の藤原氏が話題の光電カートリッジを試したところ、予想を超えた実力と可能性を感じ、新設計に繋がったとの事です。

「U/BROS-220」が605,000円(税込)に対して「U/BROS-220R」は715,000円(税込)と、差額:110,000円(税込)でグレイドアップして、更に光電カートリッジにも対応しており、かなりお買い得な設定にしていただけているのではないでしょうか!

上杉研究所さんからの光電カートリッジ対応に関するご挨拶です(新製品資料より抜粋)。

オーディオソースの主流であるデジタル音源はハイレゾ化を果たしネットワークへ展開、利便性の高い高音質再生のソースとして充実してまいりました。一方、これに対抗するかのように近年アナログディスク再生に対する関心が高まっております。

音を出すまでの趣味性豊かな様式と道具立て、デジタル音源にはない音の魅力に加えて音楽がもたらす感動にふさわしい存在感あるパッケージメディアの在り方が多くの愛好家の共感を得た結果、今日アナログディスクはオーディオソースとして磐石な地位を確保しております。

このような背景のもと現代に求められるフォノアンプとして2016年に「U・BROS-220」を商品化し好評をいただいてまいりました。

最近の光デバイスの高性能化、微細加工技術の進歩を背景に株式会社デジタルストリーム社様よりアナログディスク再生用光電カートリッジが発売され好評を博しております。

ハイレゾ音源のような写実性の高い描写力にとどまらず、アナログサウンドの特徴である瑞々しさや生命力を感じさせる音で、当社ではこれはMM、MCと相並ぶ発電形式になるものであると認識を改めました。

「U・BROS-220」のサウンドの源泉であった無帰還増幅段構成を変えることなく合理的に光電カートリッジに対応することができました。

本機の発売により多くのオーディオマニアに多様なカートリッジによるアナログディスクの音楽表現の豊かな個性を楽しんでいただけるものと確信しております。

光電カートリッジについては何度かご紹介していますが再度簡単にご紹介しておきます。

・・・光電カートリッジのメリットその1・・・

MM/MCカートリッジも光電カートリッジもどちらも針を通してレコード溝を読み取ることは同じですが、通常のMM/MCカートリッジは磁界の中でマグネット(またはコイル)が振動することで音楽信号を検出します。

一方光電カートリッジは、LEDとPD(太陽電池)を使い、影の変化(明るさの変化)を捉えることで音楽信号を検出します。

MM/MCカートリッジは磁界を切ることで発電する為、マグネット(またはコイル)が動く際に必ず磁気抵抗が発生してしまいますが、光電カートリッジは明るさの変化(影の動き)を検出しているだけなので振動系が動く際の磁気抵抗が一切発生しません。

その為振動系にかかる負荷が少なく、針先がストレスなくスムースに動くことが出来るのです。

・・・光電カートリッジのメリットその2・・・

MM/MCカートリッジは音楽信号を検出する為にマグネットまたはコアとコイルといった質量のあるものを動かさなければなりませんが、光電カートリッジの場合はわずか100ミクロンの厚みの薄い遮光板を動かすだけで良いため実行質量が極めて軽いという原理的なメリットを持っています。

現在発売されている光電カートリッジをご紹介

DS-E1:110,000円(2019年2月発売)
DS-003:247,500円(2021年6月発売)
DS-W2:440,000円(2018年1月発売)
DS-MASTER1:770,000円(2016年5月発売)

その他のフォノイコライザーアンプとしては先代の「U・BROS-220」の特徴を踏襲しています。

アナログディスクの音質的魅力を最大限に引き出すための回路構成

MM,MCカートリッジ用として動特性に優れた無帰還CR型イコライザーアンプを採用。

光電カートリッジ用回路はこの無帰還増幅段を共用することができたため回路規模の増大回避を実現しています。

高性能バランス入力対応MCステップアップトランスを内蔵

大型コア採用による低損失、高効率の高性能MCステップアップトランスを内蔵。

現在主流の低〜中インピーダンスMCカートリッジのダイレクト再生に対応しています。

バランス入力端子を1系統装備

一層の低雑音伝送を可能とするバランス伝送に対応したバランス入力端子を1系統装備。

フォノ入力端子は光電カートリッジ、MC、MM両対応の合計4系統の入力を装備しています。

ステレオ⇔モノ切替スイッチを前面パネルに装備。

技術的特徴

増幅段には交流動作点設定とは別に定電流回路により直流動作点を設定し、MM、MC、光電カートリッジに求められる各々の電圧利得を確保。

信号源のインピーダンス変動に対する高い安定度と、優れた動特性の得られる無帰還CR型イコライザーフォノアンプによりMM、MC、光電カートリッジに対応。

真空管式光電カートリッジ用フォノアンプに最適なイコライザー回路を搭載。

電源トランスに低磁束密度動作、低漏洩磁束のRコアトランスを新たに採用

さらに防振ゴムを介してシャーシーに固定し振動の影響の受けやすいMCステップアップトランスへの振動の伝搬を軽減。

その他の回路構成の特徴

初段増幅ユニットは高電圧動作のSRPP(シャント・レギュレーテッド・プッシュプル)回路を用いて最大出力を増加、合わせてRIAAイコライザーネットワーク回路のインピーダンスを高めることでドライブ負荷を軽減。

無帰還CR型フォノアンプとして最高クラスのダイナミックレンジ(最大許容入力)を獲得。

L,Rチャンネル独立シャーシー構造に改め合わせて独立電源にて電源を供給。

真空管全盛時代に当時の松下電器に特注した低雑音真空管「12AX7A」を初段アンプに、フィリップスの軍規格「12AT7」を次段アンプならびに出力バッファーに使用し、高信頼性と共に真空管式フォノアンプの限界ともいえる入力換算雑音値-120dBV以上(MM)を達成!

カートリッジの減磁効果

カートリッジセレクタースイッチのMUTE位置では入力がショート状態となり、この状態でレコード再生することで、カートリッジを減磁できます。

実績、信頼のある設計、生産手法の継承による普遍的価値の追求

高品質アルミ削りだしノブ、ウォールナットオイルフィニッシュ(※)の高級木製キャビネット等を採用し高い感性的価値を確保。
※チーク仕上げの従来のキャビネットも用意されています、詳しくは問い合わせください。

1.6mm厚亜鉛メッキ鋼板による高剛性シャーシーにより、他からの妨害を受けない、無共振・無振動・無干渉構造を継承。

裏面に50周年記念の金属プレートが飾られています。





今回ご紹介した機種