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音場工房

[ 2022年 4月 19日付 ]



ラックスマンが放つアナログプレーヤー『 PD-151-MK2 』をご紹介!!



  • こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

    今回は、ラックスマンから5月に発売されるアナログプレーヤー『 PD-151-MK2 』をご紹介! 本格的なアナログプレーヤーは様々な要因により生産完了や大幅な値上げを余儀なくされている状況ですが、ラックスマンから『 PD-151』のコストパフォーマンスを継承して新型モデルが発売された事は画期的と言えます。

    性能と機能美が高度に融合した、アナログならではの素晴らしさを十分堪能できるプレーヤーとしてお勧めいたします。

ラックスマン アナログプレーヤーの歩み

ラックスマンのレコードプレーヤーと言えば、古くは1975年に発売された「PD-121」が有名です。


そして、1977年に発売されたダイレクトドライブの「PD-441」とツインアーム仕様の「PD-444」


1980年にベルトドライブ方式+バキュームシステムで話題となった「PD-555」


1981年にはバキューム方式で10万円を切った普及モデルとして大人気を誇った「PD-310」


1983年にその上位モデルの「PD-350」など、いずれも逸品と言える製品群を誇っていました。


しかし、その後はアナログプレーヤーの生産は途絶えてしまい、CDプレーヤー開発に完全にシフトされてしまいました。

そして28年経過した2011年、実に久しぶりにラックスマンから「PD171(アーム付き)」が発売され話題となりました。


2013年には、「PD-171」をベースに、モーター、駆動回路、軸受部など、数多くの箇所の改良を図ったアームレスタイプの名器「PD-171AL」を発売。


そして翌年2014年には、トーンアームの交換が可能なアームベース構造を採用した「PD-171」のブラッシュアップモデル「PD-171A(アーム付)」が発売されました。


それらのモデルは2010年以降のアナログブームにも乗って、比較的高単価にもかかわらず、いずれも異例のヒットとなり、ラックスマンがアナログに強いメーカーであることを強烈に印象付けました。しかし、「PD-171A」は50万円近い価格となって、簡単には手が出せない価格となってしまい、よりコストパフォーマンスの高い製品の登場が熱望されていました。

そこに登場したのが、完成度の高い「PD-171A」の性能を犠牲にすることなく、如何にコストダウンを図るかと言う命題で、5年の歳月をかけて開発された「PD-151」が登場、絶大な人気を誇りました。

しかし、近年ではアームを生産できるブランドが次々と撤退して行き、ラックスマンも採用していたJELCO(市川宝石)もアームの生産からの撤退。それに伴いラックスマンのアーム付きプレーヤー「PD-171A」「PD-151」も生産完了となってしまいました。


新製品『 PD-151-MK2 』に迫る

基本的にはトーンアーム以外の部分は「PD-151」の構造を継承したモデルです。トーンアームの変更にともない、各部をチューニングして総合的な性能向上を達成しています。


【 トーンアーム 】

ある意味アナログプレーヤーの要とも言えるトーンアームですが、「PD-151-MK2」はなんとオリジナル仕様のアームを搭載!! SAEC社の技術を採用、初動感度に優れたナイフエッジ軸受けを搭載したスタティックバランス型。初動感度はPD-151搭載のJELCO製と比べて、垂直150mg→25mgに、水平200mg→100mgと高感度設計となっています。


S字アームの先端をユニバーサルタイプとする事で、様々なカートリッジ(シェル)の装着・交換ができます。LUXMANロゴ入りマグネシウム合金ヘッドシェルが付属しており、ほとんどのカートリッジ(別売)がお使いいただけます。さらに別売のヘビーウエイト「OPPD-HW1(部品扱い)」をご購入すればオルトフォンのSPUタイプも使えます。


【 ターンテーブル 】

一般的なアルミダイカスト(鋳物)製ではなく、「PD-171A」同様のアルミ削り出しを採用。極厚のアルミ材を切削して製造された、4.0kgの重量級プラッター、外周に肉厚をとることで慣性モーメント0.219t-cm2も確保しています。

複数の軸受け構造を組み合わせた16mm径の高硬度ステンレス製スピンドルシャフトで、高い慣性力による安定した回転を生み出しています。


【 モーター 】

PD-151の開発時に2年の歳月をかけて完成させた、オリジナル仕様の低速度・高トルクのブラシレスDCモーターを引き継いで搭載。軸受けのボールベアリング(低振動・低ノイズ)も音響用を採用した本機専用部品です。

モーター制御はホール素子(磁気センサー)で常時監視して基準クロックと比較して加減速を行います。軸受け(形状を除く)とスピンドルの素材・構造は「PD-171A」から継承されたものです。高精度のPID制御により、3段階(331/3・45・78回転)の回転数切り替えを可能としながら、回転変動を起こす要因にも素早く確実に対応。


【 筐体構造 】

10mm(「PD-171A」は15mm)のアルミ一枚板のトップパネル(天板)に、すべての内蔵部品を吊り下げる形をとっており、これは従来の上級機でのアンダースラング構造を踏襲したものです。内部の振動にも、外部からの振動にも強いことから採用。

さらに振動源のモーターやトランスのフローティングに、新たに「ハイダンピングラバー」という振動吸収材を採用することで、内部で発生する振動の悪影響を回避でき、ノイズフロアが下がり音場のクリアな再現性を実現。


【 キャビネット 】

「PD-171A」のウッドキャビネット(内部に板金を入れて強化する必要があった)ではなく、構造が簡単で、剛性が高い板厚1.6mmの板金シャーシを採用。これによりハウリングマージンの十分な確保と、ハイコストパフォーマンスを両立。


【 インシュレーター 】

新規に金型を起こしたインシュレーターは、「PD-171A」のように天板直結ではなく、強固な2mm底板に取り付ける構造。インシュレーター内部には、振動を熱エネルギーに変換する、制振効果の優れたゴムを新たに採用し、再生時のS/Nも十分確保。


【 付属品と構造 】

電源ケーブルは単品販売もしている高級電源ケーブル「JPA-10000i」が付属(交換可能)。 フォノケーブル「DIN→RCA」付属、より高級なフォノケーブルへの交換も可能なので、カートリッジに合わせてグレードアップが出来ます。

・「LUXMAN」のロゴ入りオリジナル・ヘッドシェル付属。
・アルミ削り出し「EPアダプター」付属。


※【 別売品(部品扱い) 】〜部品にて取り寄せ〜

専用ダストカバー「OPPD-DSC151」 ¥50,000(税別)4mm厚アクリル製、カムサポート式ヒンジ装備

・専用ヘビーウエイト:価格未定(部品扱い)
・オリジナルヘッドシェル:価格未定(部品扱い)
・交換用ゴムベルト:\4,500(税別)(部品扱い)


最後に担当者より

アナログプレーヤーは人気が復活しており、多くのお問い合わせも頂いております。カートリッジ(針交換も含めて)のご注文も多く、アナログの復活を実感しております。しかし、諸事情もあり各種部材やトーンームの生産は難しく、主要メーカーの撤退や値上がりもあり、お客様の需要にお応えできない状態となっておりました。

ラックスマンも一昨年まで3機種あった人気のアナログプレーヤーが相次いで生産完了となってしまい、アナログプレーヤーの選択枠は少なくなり、普及価格帯か、超弩級モデルのみとなってしまいました。今回発表されたラックスマン『 PD-151-MK2 』はそんな状況を打開してくれる、待ちに待ったプレーヤーと言えます。

基本的には「PD-151」のアームをオリジナルに変更した製品といえますが、価格はプラス60,000円に抑えられています。現在単品で販売してるアームの価格が20万円以上となっている現状を考えると、かなりコストパフォーマンスは高いと思います。

本格的なベルトドライブのアナログプレーヤーで、カートリッジを交換しながらアナログの世界を堪能できるプレーヤーとしてお勧めいたします。





今回ご紹介した「LUXMAN PD-151-MK2」