カテゴリから選ぶ


音場工房

[ 2022年 4月 26日付 ]



レコードクリーナーの定番中の定番!! レイカ「バランスウオッシャー」



  • こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
    本日取り上げるのは、筆者も長年愛用しているレイカのバランスウオッシャーです。

    レコード再生の大敵と言えば、スクラッチノイズなどのレコード特有のノイズ源ですね。
    せっかく手に入れたレコードも、ノイズだらけでは楽しむことができません。
    今回は、オーディオショップや音楽業界の人間が最も使っていると思われ、私自身も愛用しているレコードクリーナー、レイカ「バランスウオッシャー」を正しい使い方と合わせて、再度ご紹介いたします。


レイカ「バランスウオッシャー」

プロが認めた実力クリーナー

レコードの100年後も考えて設計! 音質向上・保存・無害・除電・低雑音!!
有名カートリッジの設計者であり、レコード研究活動で定評あるレイカの大越氏が、科学者研究グループと共同開発し、「バランスウオッシャー」と「ビスコ」のレコードクリーナー・システムが完成しました。

安全と完璧を求める音のレコードプロショップやレコード愛好家が、絶賛するクリーナーです。

CDやストリーミングが主流となっている現代ですが、レコードが消えたわけではありません。まだまだ、新譜も発売されています。
現存していると言われる数百億枚のレコードを救うために、今こそ本物のクリーナーが必要…と、開発された製品です。
レコードの組織をバランス良く復活させる、分子レベルのクリーニングを実現。音が良くなるクリーナーとして実績があります。


レイカは愛聴盤の価値をアップさせることができます

レコードのカビや汚れ成分だけを落とし、コート剤を含まず、組織に復活力を与えて、音質向上と保存作用効果がある世界初の2液式レコードクリーナーです。

今までの湿式クリーナーと違って、汚れをすり込むことがありません。成分は最新の洗浄工学から生まれた、新旧のレコードに適応する安全無害なハイテククリーナーと、バッファー(安定剤)類から構成されています。

母体となる水は、世界トップレベルのプラントから合成されています。カビや汚れで疲労したレコードはもちろん、新品のレコードにも効果があります。
綺麗にクリーニングされた後の再生では、レコードのリードイン部分に針を降ろした瞬間の音が全く違うことに驚くと思います。


レイカの特徴

レコードのカビや汚れを簡単にクリーニングできて、しかも再汚染防止効果があります。

盤面がラッカー原盤のような鏡面になります。新譜、旧譜を問わず音質がパワーアップします。

レコードを痛めず静電気を穏やかに除電し、ノイズの発生や経年劣化を抑えます。(帯電防止剤などは無添加です)

レーベルやジャケットを傷めず(ドイツ規格水準)手荒れもありません。

ノンガスでしかも無臭のため、屋内での使用でも問題は発生しません。


レコードに優しいビスコ

クリーニングクロス「ビスコ」は高品質の綿を溶解し、水中でミクロンの繊維にまとめ上げた特殊クロスです。
一般的な紙クロスとは全く異なる特殊クロスで、レコードのために設計された専用の製品です。

絹よりも微細で柔らかな繊維レカロンが、どの位置でも音溝へフィットするので、ミクロの汚れまで素早く吸収し、拾い上げます。

ビスコは場所を選ばず、機械式よりも速く手軽にクリーニングできて、ビロードやブラシのクリーニングでは到底不可能な音質向上への気配りがあります。
製品にはLP/EPレコード用と、SPレコード専用を用意し、歴史の長いレコードにも対応しています。


ビスコの特徴

微細な繊維の全てがクロスの両端まで連なっているので、糸くずやチリは全く発生しません。

ビロードやブラシ、メガネクロスのように音溝をかきむしることがありません。

ビスコの構造はレコードの溝を変形させない優れた特徴があります。

荒れた音溝の分子構造を安定させるため、レコードとカートリッジの音質や寿命がアップします。

繊維が静電気と非干渉になるように設計されているため、レコードの分子結合を保持しながら長持ちさせます。

清潔な使い捨て式なので、固定式クリーナーのように、カビや汚れを他のレコードに移しません。


レコードクリーニングのリスク

乾式のクリーナーは摩擦熱と盤面を移動するよごれや埃で擦り傷を生じ、音溝を痛める危険があります。

湿式のクリーニングでも、粘着性のあるスプレーは汚れを音溝にすり込んだり、クリーニングに使ったブラシが汚れてしまうリスクがあります。

「洗剤系」「アルコール系」「純度の高い水類」は、レコードに必要な油性の安定剤が洗い流されてしまうリスクがあります。


レイカは湿式の欠点を見事に解決

全ての汚れを取り除く、音質向上から保存作用まで備えた理想的なクリーナー液の「バランスウォッシャー」と、ミクロの汚れを拾い上げる、音溝にやさしいクロス「ビスコ」が快適なレコードクリーニングを実現します。

ノンガス、無臭、無害、無音。音溝はもちろん、レコードの組織にも全く影響を与えない安心な製品です。

レコード成分に有害である帯電防止剤を全く使わず、レコードの静電気を穏やかに除電させる効果があります。

正しい使用方法でお使いいただければ、間違いなくしかも驚くほどレコードの盤面が漆黒に蘇ります。
初めて使った方は、「レコードってこんなに黒くて綺麗だったの…!!」と驚かれます。

長年クリーニングされずに保存されていたレコードは、音溝の中までこびり付いたチリ、ホコリなどで、見た目以上に大変なことになっています。
レコードは塩化ビニール製で、ホコリや皮脂汚れ、そして湿気などが溜まると最悪の場合カビが生えてしまうこともあります。
特に湿気の多い日本では、保管していたレコードの盤面にカビがポツポツと付いてしまうことがあります。
でも、ご安心ください。レイカの汚れ取り用の「A液」を使うことで、ほとんどの場合再生可能で、綺麗さっぱり落とすことができます。
※中古レコードでは、喫煙されていた場所で使われていた盤は、酷い汚れが付着している場合があります。
※レコードに発生するカビは主に「カワキーアオコウジカビ菌(aspergillus vitricolae)」です。
※全てのカビを排除できるということではありません。程度の問題となりますので、あらかじめご了承ください。


大切なレコードこそ、クリーニングが欠かせません!!

私の場合は、中古で購入したレコードはもちろん、新譜でも、カートリッジを下ろす前に、必ずレイカで処理をする習慣がついています。
レコードを常に綺麗に保つことで、レコードもカートリッジも大幅に長持ちさせる事が出来ます。


レイカのレコードクリーニング

・汚れ落し専用の『 A液 』
・仕上げ専用の『 B液 』
・専用の特殊クリーニングクロス『 Visco 33(ビスコ 33) 』


クリーニング台(ベース)は専用の商品もあります。できればお使いになる、とより確実なクリーニングができると思います。

アルテ レコードクリーニングマット「arteRC-M」
アルテ レコードクリーニングターンテーブル「arteRC-T」

私は使っていないターンテーブルマットを机に置いて、その上で行っています。
※プレーヤーのターンテーブルの上に直接置いて使うのは、プレーヤーのシャフトを痛める可能性があるので、お勧めしておりません。
※ベルトドライブ方式で、堅牢なシャフトを持つハイエンドのプレーヤーであれば問題ありません。


早速クリーニングしてみましょう!!

今回使ったディスク

1枚目:愛聴盤で、ちょうどクリーニング時期の「バルネ・ウィラン」(1年ほど前に、A・B液でクリーニング済み)

2枚目:先月購入した新譜「マルタ・アルゲリッチ」(今回初めて開封した盤です)

3枚目:今月購入した中古「中本まり」(レコードショップで盤程度はAランク、見た目は綺麗です)

この3枚をテストしてみましょう。


まずは現状のまま再生してみます。レポートの最後に処理後の変化をご報告します。

1枚目:何の問題もなく、綺麗に再生できています。B液だけでも良さそうですが、念のためA液からクリーニングします。

2枚目:特に問題はありません。綺麗に再生できています。ピアノのタッチの繊細さが、もう少し改善出来るのでは?

3枚目:バリバリのスクラッチノイズです。一曲しか聴いていませんが、針が痛みそうなので早速クリーニングします。


@事前準備

audio-technica「AT-6012a」「AT-6018a」、NAGAOKA「CL-120」などのハンドクリーナー(クリーニングブラシ)で、表面に着いた埃を軽く除去します。


Aバランスウオッシャー「A液」

盤面に均等に10円玉大の大きさで5〜6滴ほど滴下します。

慣れるまでは少し多めに液を使用した方が良いと思います。(最初は7〜10滴ほどが目安でしょうか)

盤にカビがあったり、ヤニなど付着汚れのひどい場合は、若干滴下量を増やすか、滴下点の数を増やす。

特に汚れがひどい盤の場合は、一回に大量の液を使わず、通常の液量での作業を数回に分けて行う方がベストです。


B専用クロス「ビスコ33」

4つ折りにした「ビスコ」をさらに折り曲げ、音溝へ繊維が入り込む感触を確認しながら、溝に沿ってクリーニングします。

溝に沿って拭くのは難しそうですが、ビスコが溝にしっかりと入り込みため、自然と溝に沿った動作となるので心配はいりません。
力の入れ具合は、顔の汚れをしっかりと拭く程度の圧力で、念入りにクリーニングをします。
「A液」でのクリーニング方向は時計回りでも反時計回りでも、往復運動でもOKです。

中古レコードでは一見綺麗に見える盤でも、「レイカ」で拭くと「ビスコ」が結構茶色くなることに驚く場合があります。

「ビスコ」が汚れたら、折り返して常に綺麗な面を使うようにしましょう。残っている「A液」は完全に拭き取ります。
「ビスコ」は汚れていなければ、乾かして再利用可能です。(盤の状態によって判断しましょう)
汚れが取れると、レコード盤は驚くほど真っ黒になります。


Cバランスウオッシャー「B液」

「A液」が乾いたことを確認してから、「B液」も「A液」と同様に5〜6滴ほど滴下します。


D綺麗な「ビスコ」で「B液」を拭き取る

「B液」は、【必ず反時計回り】に溝に沿って、まんべんなく広げます。
最終的に盤面の「B液」を拭き取ると、素晴らしい光沢が出てきます。
水分は完全に残さないことが重要です。水分が蒸発したと思ってから、更に数分程度は自然乾燥させることをお勧めします。

・オススメの応用方法
「B液」の処理を2度行うと、保存状態が長く維持されるのでオススメです。さらに、レコードの外周エッジもきれいに拭いてあげると、全体が美しくなりますのでこちらもオススメです。

これで漆黒の美しい反射をするレコードとなります。音を出す前から間違いなく良い音が出るのが分かります。


E同じ盤の2〜3回目のクリーニングは「B液」だけでも大丈夫です。

その後、レコードを長時間使用したり、盤面の汚れが目立つ時や、ノイズが出てきたなど音質に疑問を生じた場合は、再度「A液」からのクリーニングをしてください。


Fレコードの両面をクリーニングすると静電気の発生も大幅に抑えることができます。

埃や汚れも付きにくくなるので、クリーニング後、しばらくはハンドクリーナーで埃を軽く拭くだけでも十分となります。


レイカ使用時の注意点

※盤面に水分を残してはいけません。カートリッジの針先には、実質約1トンの圧力がかかっているため、挟まれた水が抵抗体となって砥石の原理でレコードや針を削ってしまいます。
※液を薄めて使わないでください。
※商品の害毒は安全で食品・化粧品添加物以下ですが、幼児やペットから隔離し、使用後はしっかりと手を洗ってください。
※BW33はLPの塩化ビニール専用です。SP盤はシェラック材で出来ているので、専用のBW78をお使いください。同様に「ビスコ」も、VISCO33はLP専用、SP盤は構造の異なる専用のVISCO78をお使いください。

レイカの種類

レコードを30枚以上持っている、これかも購入予定がある方はこちら。

BW-33-MS
バランスウォッシャー33マスターセットA+B【200+200ml】
汚れ落し専用「A液」(200ml)
仕上げ専用「B液」(200ml)
専用クロス「Visco33」(10枚入・お試し)
※「Visco33」はお試しの10枚しか入っておりませんので、別途単売りされている「Visco33」(30枚入)が、2〜4個必要となります。
※このセットで約100枚のレコードのクリーニングができます(レコードの汚れ具合により大きく異なります)

BW-33-A
バランスウォッシャー・汚れ落とし液【補充液:A液(200ml】

BW-33-B
バランスウォッシャー・仕上げ液【補充液:B液(200ml】

VISCO33
レコード/CD用クリーニングクロス【30枚入】


レコードは30枚以下、とりあえず試してみたい方はこちら。

BW-33-EX(お試しサイズ)
バランスウォッシャー33エクササイズセット【62+62ml】
初めてのレイカに最適なお試しサイズ。
汚れ落し専用「A液」(62ml)
仕上げ専用「B液」(62ml)
専用クロス「Visco33」(5枚入・お試し)
別途単売りされている「Visco33」(30枚入)が追加で1個は必要となります。
※このセットで約30枚ほどのクリーニングが出来ます。

BW-33-B62ML
バランスウォッシャー33エクササイズセットの仕上げ用【補充液:B液(62ml】

BW-33-A62ML
バランスウォッシャー33エクササイズセットのカビ、汚れ用【補充液:A液(62ml】


SPレコードをお使いの方はこちら。

BW-78-MS(SPレコード専用)
バランスウオッシャー78 マスターセットA+B【200+200ml】
シェラック製SPレコード専用のセット。
汚れ落し専用「A液」(200ml)
仕上げ専用「B液」(200ml)
専用クロス「Visco78」(10枚入・お試し)

VISCO78 II
SP盤専用クリーニングクロス【30枚入】

レイカで処理をした盤の音の変化

レイカのクリーニング処理後の結果

1枚目「バルネ・ウィラン」 … 音質的には、ほぼ変わりませんでしたが、全体的にノイズレベルが多少改善されたと思います。

2枚目「アルゲリッチ」 … 音のない部分からのピアニシモの立ち上がりがはっきりと再現出来るように。コントラストが改善、音が力強くなりました。

3枚目「中本まり」 … 見た目は綺麗でしたが、ビスコ1枚が茶色になりました。大幅にノイズが減って最後まで聴けるようになりました。

私の場合はレコードを買ったら必ず「レイカ」でクリーニングをする事は習慣となっており、欠かせないルーティンとなっています。
レイカの「A液」「B液」でクリーニングをして、NAGAOKAのレコード帯電防止内袋「RS-LP2」に入れて、外袋もNAGAOKAの「JC30LP」に交換して保存しています。

クリーニング後の普段の再生には、audio-technica(湿式/乾式)「AT-6018a」で埃を軽く除去して聴いています。


最後に

レコードのクリーニングだけではまだ万全とはいえません。
レコード盤と同様に、カートリッジのスタイラスのクリーニングも非常に大切です。
「ドクタースタイラス」の試用レポートもご確認下さい。






今回ご紹介した商品はこちら