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音場工房

[ 2022年 8月 2日付 ]



11年ぶりにモデルチェンジされたトライオード「TRV-88XR」真空管プリメインアンプをご紹介!!



  • こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

    今回ご紹介する「TRV-88XR」は、トライオードの人気モデル「TRV-88SER」を、さらに使いやすくした進化形モデルです。「TRV-88SER」は2011年発売でしたから、実に11年ぶりとなるモデルチェンジとなります。

    トライオードレッドの目を引くボディーカラーのデザインや、 「KT88」プッシュプルで出力で35W+35Wの基本回路などは引き継ぎながら、バイアス調整や出力管の差し替えが出来るなど、アンプの使いこなしがより楽しく簡単に出来るようになっています。

    高級感のある新設計のリモコンも付属しており、魅力度が大幅にアップしています。


◆「KT88」プッシュプルで35W+35W(8Ω)の高出力

さまざまなスピーカーをしっかりドライブする高出力35W+35W(8Ω)を実現しています。

真空管の35Wですから、聴感上ではトランジスタアンプの70Wクラスの駆動力を感じさせてくれます。

電源部は大型トロイダル電源トランスと、応答が早く損失が少ないSiCショットキーバリアダイオードの整流回路を組み合わせた、強力な電源部が搭載されているので、安定感も抜群です。


◆「KT88」と「EL34」の差し替えが可能

シャーシ天板のスイッチ切り替えで出力管を「KT88」と「EL34」が差し替えが簡単に可能です。

真空管を交換した時のバイアス調整も天板に搭載されているバイアスメーターを確認しながら、どなたにでも簡単にできます。

メーカーに確認したところ、「EL34」に差し替えても、出力パワーに関しては35+35Wと出力は変わらないとのことです

真空管に優しい設計で、かなりの余裕を持たせているためで、あくまで真空管の音の違いを楽しむための差し替えとなります。


◆「KT88」と「EL34」の違いについて簡単に解説させていただきます。

一般的な音質の違いといわれているのは、「KT88」はパワーがあり、エネルギッシュで力強くアグレッシブな印象。EL34はスマートでフラット、軽快で音色は明るめで輪郭がはっきりしている印象。

もちろん、組み合わせる機器(特にスピーカー)や聴く方の好みで評価は大きく変わると思いますので、ご参考程度に。

「KT88」と「EL34」を差し替えると、アンプ自体を変えたのではないかと思えるほど音が違うので面白いです。どちらも、6L6系と呼ばれる規格の近い真空管で、ソケットは全く同じで、比較的簡単に差し替えて使用することが可能です。

ちなみに、「KT88」は元々イギリスが原産国(GEC)の真空管で、現在では中国・ロシアなどでも製造され、比較的入手も容易な最もポピュラーな真空管の一つです。(今後はどうなるか分からないですが...)

「EL34」系は、Mullardによって1950年代に開発された、比較的新しい真空管です。現在最も多く製造されている真空管と思います。オーディオ用途だけでなく、ギターアンプなどでも多用されています。


◆簡単にバイアス調整が可能

真空管アンプをお使いの方であれば、多くの方が真空管を変えて音の違いを試してみたいと思われると思います。

「TRV-88XR」に標準搭載されている「KT88」は、トライオードが選別した特製真空管で、ほぼ不満の無いサウンドを聴くことが出来ますが、世の中にはあまたの「KT88」が存在しており、ブランドによって音質も異なります。

しかし、真空管を交換して性能をちゃんと引き出すにはバイアスの調整が必要不可欠です。

「TRV-88XR」はシャーシ天面にバイアスメーターとバイアス調整ボリュームを装備、メーターを確認しながら簡単にバイアス調整が可能です。4本個別のボリュームが付いており、全ての真空管のバイアスを揃えることが出来ます。

通常のモデルでは、底板を外してテスターで測定しながら基板上のバイアスボリュームの調整が必要となり、なかなか大変な作業となってしまいます。知識の無い方の場合はメーカーサービスに依頼するしかありませんでした。

今回ご紹介する「TRV-88XR」では、シャーシのメーターを見ながらボリューム調整が簡単にできるのは嬉しいですね。さまざまな真空管に変える際にも、適正バイアスで駆動できる安心感があります。


◆新設計のアルミ削り出し高級リモコン付属

アルミ削り出しの重量感あるリモコンで、音量調整、ミュート、ダイレクト選択の入力切り替えが可能です。


◆PHONO(MM型対応)入力も装備

入力は「LINE入力」を3系統のほかに、フォノイコライザーを搭載した「PHONO(MM型対応)」も備えており、アナログレコードプレーヤーも接続できます。

MCカートリッジには昇圧トランスが必要となりますが、これは音質的には大正解だと思います!! フォノ回路の増幅率を上げるよりも昇圧トランスを使った方が断然有利で、音質的なメリットもあるからです。


◆仕様

・回路型式:KT88AB級プッシュプル
・使用真空管:KT88×4本、12AX7×1本、12AU7×2本
・バイアス方式:固定バイアス(バイアスメーター付きで調整可能)
・定格出力:35W+35W(8Ω)
・周波数特性:10Hz〜90kHz(4dB)
・SN比:90dB
・入力端子:LINE3系統、Phono(MM)x1系統
・入力感度:インピーダンス LINE:340mV/100kΩ、PHONO(MM):2.5mV/47kΩ
・スピーカー出力端子:1系統系統(4〜8Ω)
・定格消費電力:280W(無信号時 120W)
・サイズ:横345×奥行320×高185mm
・質量:17.0kg
・付属品:真空管ボンネット、電源ケーブル、リモコン






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