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音場工房

[ 2022年 9月 6日付 ]



オルトフォンMCバランス入力専用のフォノイコライザー「EQA-2000」をご紹介



こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回ご紹介するオルトフォン「EQA-2000」は、バランス接続専用のフォノイコライザーで、なかなか衝撃的な製品に仕上がっています。

製品は完全に、ツインアームや複数のプレーヤーを使い分けているMCユーザーに特化させた製品です。

よりユーザーが楽しめる工夫もこだわりがあり、2種類の昇圧トランスを内蔵して、好みに合ったMCとの組み合わせが楽しめる、にくい工夫も魅力的です。

もちろん、内蔵のトランスはどちらも最新のイコライザー回路に対応した解像度と周波数特性が確保されており、対応は万全と言えます。


◆トランス昇圧とバランス接続、これがレコード再生の、そしてオルトフォンの理想

アンプ内蔵のPHONO回路には望めない、単品イコライザーならではの高音質を追求した製品です。

「EQA-2000」はオルトフォンの新たなフラッグシップモデルとして、バランス入力専用設計のフォノイコライザーとして、開発された製品です。

オルトフォンがラインナップしている多数のMC/MMカートリッジはもちろん、あらゆるカートリッジとの適合も想定した、ハイクラスなフォノアンプの決定版と言える製品に仕上がっています。


■ 仕 様 ■
・入力設定「MC1a」時
 対応インピーダンス(推奨MCカートリッジ内部インピーダンス):5〜50Ω
 入力感度/インピーダンス:220μV/150Ω

・入力設定「MC1b」時
 対応インピーダンス(推奨MCカートリッジ内部インピーダンス):〜10Ω
 入力感度/インピーダンス:100μV/25Ω

・入力設定「MC2」時
 対応インピーダンス(推奨MCカートリッジ内部インピーダンス):2〜60Ω
 入力感度/インピーダンス:140μV/200Ω

・入力設定「MM」時
 入力感度/インピーダンス:2.8mV/47kΩ

・入力系統(MC):バランスXLR 2系統
・入力系統(MCトランス用):バランスXLR 1系統
・入力系統(MM):アンバランスRCA 1系統
・出力系統:バランスXLR・アンバランスRCA各1系統
・バランスXLR端子:入出力ともに2番HOT/3番COLD/1番GND
・サブソニック・フィルター:-8dB/10Hz
・電源電圧:AC100V、50/60Hz
・消費電力:5W
・外形寸法 W/H/D:425x75.5x360(o)、ツマミ端子含む:425x75.5x390(o)
・自重:9.2kg


◆トランス昇圧とバランス接続、これがレコード再生の、そしてオルトフォンの理想

オルトフォン史上最高のフラッグシップとなるべく開発された「EQA-2000」。その最大の特徴は、MCポジジョンの入力系統からアンバランス入力を排除し、全てをXLR端子によるバランス入力としたことです。

MC入力は2系統まで接続可能となっており、フロントパネルの「MC INPUT」セレクターノブを回すだけで選択可能です。

ハイエンドなアナログ再生環境では再び標準となりつつある、ダブルアームやプレーヤーの2台使用への対応を念頭とした仕様です。


◆NEUTRIK社製XLRレセプタクルコネクターを採用

バランス入出力の最初と最後の接点となるコネクターには、リヒテンシュタインのNEUTRIK社製XLRレセプタクルコネクターを採用。

出力電圧が極めて低いMCカートリッジの音声信号を確実に伝送させるためには、高品質なプロフェッショナル仕様のコネクターでなくてはならないため、オルトフォンは長年にわたって数多くの製品にNEUTRIK製コネクターを使用し続けています。


◆トランスによるMC昇圧へのこだわりと、厳選された2種類のユニット

オルトフォンはこれまでにも様々なMC昇圧トランスを開発してきました。

昇圧トランス特有の力強い音色に魅了されるアナログファンも多く、アナログ再生の王道ともいわれるほどに根強い人気を誇ります。

そして、昇圧トランスは時代とともに進化を続けており、極めて高解像度・ワイドレンジな現代の高性能なカートリッジにも適応しています。

先代のフラッグシップ「EQA-999」で実現した昇圧トランス2種類の搭載という仕様を継承しています。

1: μ-metalと呼ばれる合金素材のケースに納められた、北欧スウェーデンのLundahl社製特注トランスユニットを採用。

2: パーマロイのケースに納められた専用設計の日本製トランスユニットを採用。

万全のノイズ対策を施した上で双方をバランス入力に対応させています。この内蔵トランスは、フロントパネルの「SELECTOR」ノブを回すことでトランスの選択及び、インピーダンス切替(Lundahlのみ)が可能。


◆MC昇圧トランス接続用とした、MMポジションのバランス入力

さらに、MMポジション(1系統)にもバランス入力端子が備えられています。

これはオルトフォン「ST-90」のような、XLR端子によるバランス伝送が可能な昇圧トランスからの入力を想定した端子です。

ここにバランス対応の昇圧トランスを接続すれば、バランスMC入力3系統の接続が可能となります。


◆高品質な素子を採用したイコライジング回路

MC・MMそれぞれの入力信号は、最終的にRIAAカーブのかけられた音声信号を元に戻すためのイコライザー回路を通ってから出力端子へと向かいます。

NF型を採用したこのイコライザー回路は、MC入力回路とはアースラインともども独立した別基盤となっており、クリアなサウンドを支える生命線となっています。

また、超低音域をカットするためのサブソニック・フィルターも搭載。


◆Rコアトランス採用、ノイズ対策を万全とした電源部

電源トランスには、小型で漏洩磁束の少なさに定評があり、高級オーディオ製品での使用実績を多数もつRコアトランスを新規設計して搭載。

さらに、振動やノイズ対策として、電源トランスは専用のケースによって配線部を除き完全に覆われています。

電源トランスとMC昇圧トランスを同一シャーシに内蔵したフォノアンプである以上、その対策は万全でなくてはなりません。その源となりうる電源部には、通常のアンプ以上に徹底したノイズ対策が施されています。

※「Rコアトランス」は北村機電株式会社の商標です。


◆高剛性な肉厚シャーシによる共振の排除

シャーシは、薄型でありながらその自重は合計9.2kgに達します。この重量は肉厚のある鋼板のメインシャーシとその内部のシールド用インナーシャーシに占められるところが大きく、不要共振が排除されることで結果的にS/N感の向上にも寄与しています。

不要な振動は、プレーヤーだけでなくフォノアンプにとっても好ましくありません。「EQA-2000」の誇るバランス伝送時の透き通ったサウンドと定位感は、この高剛性で重いシャーシにも支えられています。


◆シルバー・エディションの付属電源ケーブル

付属の電源ケーブルには「PSC-4000 XG Silver」をベースとした専用のシルバー・エディションを製作。

オルトフォンのフォノアンプは、カートリッジの音色をそのまま出すことを最優先として設計されているため、非常にナチュラルな音色であることが特徴です。

しかし、導体をシルバーコーティングしたことで煌びやかな音色となっている付属電源ケーブルを用いることで、お好みに合わせて再生音に隠し味を入れることが可能となっています。


◆出力系統:バランスXLR・アンバランスRCA各1系統


◆フォノイコライザーアンプとはかくあるべき!というオルトフォンの理想をそのまま具現化させた、これまでの集大成ともいえる製品です。

愛聴盤のグルーヴに刻まれた音楽をただ忠実に昇圧し、イコライジングを行って元に戻す、役割はただそれだけです。

これまでに繰り返し聴いて、音色の熟知を自負している盤に針を下ろしてボリュームを上げた時、まるでスピーカーからヴェールを取り去ったかのような別次元のアナログレコードの世界を楽しめます。




◆ハイエンド担当者より

MCカートリッジのバランス伝送について


本来、MC型のカートリッジは発電コイルのプラス側もマイナス側もアースから完全にフローティングされて振幅するバランス型の構造となっています。

極端な言い方をすれば、MC型でバランス接続しないのは完全バランス回路を搭載したアンプでアンバランス接続しているようなものです。

今までは対応する機器類が少なく導入を見送られていた方も多いと思います。


バランス接続をすることで、今お使いのMC型カートリッジの能力をさらに導き出すことが出来るかもしれません。

発電コイルがアースラインから完全にフローティングされた環境下で昇圧されるため、圧倒的なSN比感と、ダイナミックレンジの更なる確保が期待出来ます。

空間再現性も良好となり、カートリッジのグレイドが上がったように感じられると思います。


今回ご紹介したオルトフォン製品のような、バランス専用接続に特化した製品が発売されたのを機会に、導入をご検討されてはいかがでしょうか。

お使いのプレーヤーのアーム出力が5PIN-DIN出力端子なら、バランス接続用の「5PIN-DIN→XLR端子フォノケーブル」があれば接続出来ます。

※「5PIN-DIN→XLR端子フォノケーブル」はケーブルブランド各社より多数発売されています。

※バランス接続でセッティングするとそのアームではMM型は使うことが出来ませんので事前にご確認下さい。






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