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音場工房

[ 2022年 10月 25日付 ]



アキュフェーズの中核プリメインアンプ「E-4000」新発売のご紹介



こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は、11月中旬に発売予定の、アキュフェーズ プリメインアンプ「E-4000」をご紹介いたします。


◆ セパレート・アンプの優れた技術を駆使して「E-480」をフル・モデルチェンジ

内部の回路構成は、プリアンプ部とパワーアンプ部が分離されており、それぞれの性能・音質を極限まで高めることにより、セパレート・アンプの機能とグレードを実現。
スイッチ一つで、プリ部とパワー部を独立して活用できる「MAIN IN機能」を装備。

プリ部の「AAVA方式ボリューム・コントロール」は、回路構成から全面的に見直して再設計。電圧-電流変換回路を低インピーダンス化。
電流-電圧変換回路には「ANCC」を採用し、低ひずみ・低雑音化により、通常使用時での雑音が実力値で「E-480」に比べて約20%低減。

パワーアンプ部には、上位機種の回路構成を踏襲、最新のインスツルメンテーション・アンプ(Instrumentation Amplifier)方式を採用。
信号経路をバランス伝送化、諸特性を向上させる「MCS+」回路、カレント・フィードバック増幅回路を搭載。

出力回路を低インピーダンス化して、ダンピングファクター:800を保証するなど、電気的性能や信頼性を向上。
出力素子には、バイポーラトランジスタをチャンネルあたり4素子並列駆動で構成、低負荷インピーダンスの駆動能力を大幅に向上。

これらの動作を支えるのが、大電力容量トロイダル・トランスと、大容量フィルター・コンデンサーによる強力電源部。
260W/4Ω×2、180W/8Ω×2の大出力で、力強いサウンド・ステージを実現します。


◆ AAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)方式プリアンプ

回路構成の再検討、初段アンプ位置の変更、入力端子至近に初段アンプを配置、AAVA基板への配線経路でのノイズ混入を防止。
部品配置、基板パターン及びアースレイアウトの最適化「AAVA」基板を新規設計。部品配置変更により、配線最適化。


AAVAの原理

1 : 入力バッファー・アンプ : 入力された電圧信号を、よりドライブ力の高い電圧信号に変換します。
2 : V-I変換回路 : 電圧信号を16種類の電流信号に変換します。
3 : 16個の電流スイッチ : 16種類の電流信号の中から、ボリューム・ノブの位置に応じて、最適な組み合わせを選択します。
4 : 電流信号合成 : 選択した電流信号を1本の電流信号に合成します。
5 : I-V変換アンプ : 電流信号を電圧信号に変換します。

アースの強化・最適化、電圧-電流変換回路を低インピーダンス化、電流-電圧変換回路には「ANCC(Accuphase Noise and distortion Cancelling Circuit)」を採用。
「E-480」と比較して、V-I変換回路の総出力電流量を2倍に増やし、回路のインピーダンスを1/2にすることでノイズを軽減。
また、低雑音で高精度な薄膜抵抗を数多く採用。

これらの低ひずみ・低雑音化により、通常使用時での雑音が実力値で「E-480」に比べて、約20%の低減に成功しています。


◆ 大出力パワーアンプ

上位モデル「E-5000」を踏襲した回路構成、バイポーラトランジスタ4素子並列駆動(4パラレルプッシュプルAB級)。
出力トランジスタは「E-5000」と同品種(2SC5200N,2SA1943N)が採用されています。
定格出力 180W/8Ω、260W/4Ω(E-480:MOSFET 3素子並列、定格出力はE-480と同じに抑えており、より安定した余裕のある設計になっています)

4パラレル接続することでチップの総面積が大きくなり、素子から発生する熱を分散させ、安定した動作を行います。
これらの手法を応用し、出力段の半導体素子を4回路並列接続することで、電流Iを1/4ずつに分散し、大きな電流供給能力を獲得しています。


◆ プッシュプルAB級動作

プッシュプルとは、対称的な動作を行うNPNトランジスターとPNPトランジスターの2つの素子がペアとなり、信号を出力する増幅回路です。

AB級アンプの場合、小さな振幅ではNPNトランジスターとPNPトランジスターが同時に動作するA級動作をしますが、大きな振幅のプラス側ではNPNトランジスターが動作し、マイナス側ではPNPトランジスターが動作します。
そのため、A級アンプと同等の低ひずみを維持しながら、低い消費電力とハイパワーを実現することができます。


◆ 大型高効率トロイダル・トランスと大容量フィルター・コンデンサーによる強力電源部

大電力容量の高効率トロイダル・トランスを採用。

ドーナツ状のコアに太い銅線を捲くトロイダル・トランスは、インピーダンスが非常に低く、変換効率が極めて高いため、オーディオ用として優れた特性を備えています。
また、平滑用アルミ電解コンデンサーには、80V/40,000μFの大容量・高音質タイプを2個搭載し、余裕ある電源部を構成しています。
さらに、小信号を扱うプリアンプ部には専用電源回路を搭載し、パワーアンプ部との干渉を防止。
加えて、プリアンプ部とパワーアンプ部の搭載位置を分離することで、相互干渉のない理想的な動作環境を実現。


◆ ひずみ率やSN比などの特性を大幅に向上させる「MCS+(Multiple Circuit Summing-up)回路」

電力増幅部の電圧増幅段に、アキュフェーズ独自技術の「MCS+回路」を採用。
「MCS+回路」は、電圧増幅段を電圧増幅段A/Bの2並列接続にすることで、理論上ひずみ成分やノイズ成分を約30%低減します。
「MCS+」は「MCS」をさらに進化させたもので、初段バッファー・アンプのバイアス回路を改善して回路安定度を高め、並列動作させる部分を「電流-電圧変換部」のA級ドライブ段にまで拡張して、さらなる低雑音化を実現します。


◆ 安定したスピーカー駆動を可能にする「3段ダーリントン接続」

スピーカーからの逆起電力による影響を最小限に抑えるためには、出力段の強化だけでは不十分です。
3段ダーリントン接続は、電力増幅段の3段目に位置する4パラレル・プッシュプル出力段を、2段構成の強力なドライブ回路で駆動する方式です。
これにより、スピーカーからの強力な逆起電力による影響を受けることなく、安定したスピーカー駆動を可能にしています。


◆ ダンピングファクター保証値 800を達成。

「バランスド・リモートセンシング」や「半導体スイッチ」による出力インピーダンスの低減。
低ON 抵抗MOS スイッチの採用、帰還回路及びパターンの改善。
スピーカーの制動に大きな影響を与えるダンピングファクターは800を達成、あらゆるスピーカーのポテンシャルを引き出し、音楽性豊かなサウンドを奏でます。

※E-480はダンピングファクター 600(33%向上)


◆ アキュフェーズならではの保護回路搭載

異常電流検出 : スピーカー端子のショートなど、異常な大電流を検出すると出力を遮断。
異常温度検出 : 異常な筐体内温度を検出し、出力を遮断。

プロテクション回路には接点のない「MOSFETスイッチ」を採用。
定格電流が非常に大きく(160A)、ON抵抗が非常に低い(0.0019Ω)MOSFETスイッチを採用することで、長期にわたる信頼性と、接点の経年劣化による音質への影響を解決しています。


◆ 上位機種のイメージを踏襲した意匠

メーター及びガラス大型化、ガラス周りの座繰りによる新しいイメージのデザイン。
セレクタ、ボリューム周りのリング(台座)を金メッキ化(E-480はニッケルメッキ)、高級感がグレイドアップしています。


◆ 低消費電力化

無信号時消費電力:54W(参考 E-480:93W E-5000:98W)を実現。


◆ リアパネルのオプション・ボード増設スロットに増設が可能。

ディジタル入力ボード「DAC-60」やアナログ・ディスク入力ボード「AD-50」を増設すれば、ディジタル音楽信号やアナログ・ディスクの高品位再生もお楽しみいただけます。


◆ 担当者より

「E-480」から約4年ぶりとなるアキュフェーズの中核プリメインアンプ「E-4000」が発売されました。
昨年発売された50周年モデルの「E-5000」のノウハウを継承したモデルで、今後はプリメインアンプは全て4桁型番となるそうです。
ダンピングファクターは保証値では800となっていますが、実際はその数倍の能力を誇る実力の持ち主です。
音楽再生時の実質の聴感上ノイズも「E-480」と較べて約20%改善されています。
もちろん、アキュフェーズが積み上げてきた数々のノウハウを搭載! 更に最新のチューニングが施され、磨き上げられた音質が楽しめます。
また、外観も「E-480」より高級感があります。メーターとつまみ類のバランス、仕上げの見直しが見事に成功していると思います。






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