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音場工房

[ 2023年 2月 28日付 ]



フォステクスより、20cmの超弩級ユニット「FE208SS-HP」が限定発売!!



◆遂に「FE208SS-HP」が限定発売!!

20cmのフルレンジユニット最高峰を目指して、限定発売されることになりました。
型番からもお分かりと思いますが、20cmの高剛性フルレンジに、Wマグネットの強力な磁気回路が搭載された製品です。
Wマグネットのモデルは2017年に発売された「FE208-Sol」以来で、振動板に最新のHP振動板が搭載されています。

特徴としては、先に発売されていた「FE108SS-HP」「FE168SS-HP」と同様に進化が施されています。
・大型フェライトマグネットを2枚重ねにした強力低歪み外磁型磁気回路を採用し。十分な磁束密度を確保。
・新開発のセルロース・ナノファイバ・コーティングHP(Hyperbolic Paraboloid)形状振動板を採用。


◆ 主な特徴 ◆

・セルロース・ナノファイバ・コーティング HP形状振動板

最新技術であるセルロース・ナノファイバ・コーティングは、基層の表面にセルロース・ナノファイバとマイカから成るコーティング層を形成しており、ヤング率、比曲げ剛性、音速を向上しながら、内部損失の低下を抑制する特徴を有しています。
この処理を施したHP(Hyperbolic Paraboloid)形状の振動板は、軽量にして剛性の確保と共振の分散を高度に実現しています。

フルレンジらしい、反応が早く切れの良い低域、充実した中低域、明るく張りがある素直な中域、自然な響きの中高域、十分に伸びた高域によって音楽を楽しむことができます。
今回の「FE208SS-HP」に採用されたHP(Hyperbolic Paraboloid)振動板は専用設計で、彫りを深く進化させた新HP形状を搭載しています。


・大型フェライト磁気回路

磁気回路には大型フェライトマグネットを二枚使用し、十分な磁束密度を確保。
ポール部に銅キャップを追加することで、電流歪みを低減し、力強い音楽再生と中高音域の音質向上を実現しました。


・高剛性アルミダイキャストフレーム

大型フェライト磁気回路を支え、不要共振を排除するために、高剛性アルミダイキャストフレームを採用しました。


・優れた振幅応答性を持つUDRT ダンパー/エッジ

ダンパーとエッジには、UDRT(Up-Down Roll Tangential)形状を採用。
この形状は多様な面で構成されているため、全体の形状剛性が高く、共振を高い周波数へ移動、且つ、特定の大きなピークが抑制され、スムーズな特性が得られます。


・ハトメレス構造

振動板の上にハトメを打たず、ボイスコイルからティンセルワイヤーを引き出すダイレクトリードを採用し、振動系質量の軽減と振動の平準化を実現。
また、ダイレクトリードの引き出し位置は質量分布の対称性を考慮して、180度位置からの回転方向引き出しとしています。


・ファストン205金メッキ端子

入力端子にはファストン205タイプの低損失金メッキ端子を採用。
スピーカーケーブルの確実な接合と音質劣化を防ぎます。


◆FOSTEX20cmフルレンジ限定ユニットの歴史


「FE206Super」(1989年)

「6N-FE208SS」(1996年)

「FE208ES-R」(2007年)

「FE208-Sol」(2017年)

◆各ユニットの比較一覧

このように比較してみると、最新の「FE208SS-HP」のユニット総重量は8.26kgと重く、アルミダイキャストフレームの採用で最高峰の剛性を誇ります。
M0:15.1gと振動板は最も重くなっていて、音圧レベル能率は94.5dBと最も低く設計されています。
剛性を高く、重い堅い振動系をオーバーダンプするために巨大なマグネットが装備されている設計です。

バックロードホーンのホーンを十二分にドライブできる強力な磁気回路といえます。
今までの軽量振動板、高能率のいわゆるオーバーダンピングユニットとは、少し異なる設計となっています。

「FE208-Sol」以前のモデルと比べると、能率は約4dBほど低くなっており、同じ入力(W)だと音圧は半分程度となりますね。
FEシリーズは年々低能率化しています。(2000年:99dB/W → 2017年:96dB/W → 2023年:94.5dB/W)
能率が低くても強力なマグネットにより低域を制御することができ、周波数特性の低域は見事にコントロールされています。

また、振動板は圧倒的な高剛性を誇る「深彫HP振動板」が採用されており、正確なストロークを実現しています。
正面から見ると、一見 振動板やエッジの形状も「FE208-ESR」とよく似ていますね。

長岡先生のバックロードホーンをお使いの方でユニットの換装をお考えの方におすすめするのはもちろん、バックロード以外のキャビネットにも装着可能な程の汎用性も備えているユニットです。
細部に至るまで、丁寧なチューニングや改良が加えられて完成度の高いユニットに仕上がっています。

※ダブルマグネット仕様のため、長岡先生設計の「D-58ES」以前のキャビネットには、アダプターリングなどの工夫が必要となると思われます。


◆担当者より

事務所に現物を持ってきて頂きました。

おなじみのWマグネットモデルは流石に重く、良い音が出そうな雰囲気がプンプンします!!
振動板やエッジは10cm/16cmの「SS-HP」モデルと同じ素材と構造で、20cmは一見「ES-R」と同じような雰囲気が漂っています。
振動板、フレーム、マグネットと総合的にチューニングされた結果、「Sol」より少し軽い8,260gに仕上がったそうです。

「FE208SS-HP」は音響の基礎に徹した開発理念と、独自の技術を駆使して新たに開発された、限定発売のフルレンジ・スピーカー・ユニットです。
長岡先生設計のバックロードホーンキャビネットをお使いの方には注目の製品ではないでしょうか。
Wマグネットのユニットは「6N-FE208SS」で約27年、「FE208ES」で約23年「FE208ES-R」で約17年前とかなりの年数が経過しています。

2017年に発売された「FE208-Sol」は300台(150セット)の限定発売で購入出来なかった方も多く、再発売の要望が多かったため、今回「FE208SS-HP」が最新のノウハウを導入した形で発売となっています。
もう20cmの発売は無いのではと噂されていましたが、流石フォステクスですね!!
ただし、今回の「FE208SS-HP」も限定数の発売となりますのでご検討の方はお早めにご注文ください。

軽量振動板で高能率音圧レベルを誇った以前のユニットと比べると、絶対的なエネルギー感は見事にそのまま継承していますが、振動板は高剛性仕様で重くなっており、能率も低くなっていますので、音の出方は少し異なります。
大人しくなっているともいえますが、かなり質感は上がっており、幅広いソースに対応できるサウンドに仕上げられていて、聴く音楽ソースや音量も自在で、新しい発見があると思います。

定番のホーン型ツイーターとの組み合わせはもちろん、同時発売されたリボン(Folded diaphragm)型ツイーター「T360FD」と組み合わせても面白いと思います。


ハイエンドオーディオ担当 "ichinose"





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