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音場工房

[ 2023年 4月 4日付 ]



遂に復活した、TEAC VRDS搭載CDプレーヤー「VRDS-701」新発売!!



ティアック70周年記念モデルとして開発が進められたCDプレーヤー「VRDS-701」がまもなく発売されます。

最大の特徴は、ハイエンドブランドのエソテリックではなく、手が届きやすい“ティアック”ブランドのディスクプレーヤーであり、ティアックブランドとしては、2003年の「VRDS-15」以来となる、実に20年ぶりのV.R.D.S新開発メカが搭載されています。


◆新開発のV.R.D.S メカニズム

ハイエンドCDハイエンドメカニズムとして長年の実績を持つ、ティアック自社開発ドライブをベースに、伝統のV.R.D.S技術を融合。

V.R.D.S(Vibration-Free Rigid Disc-Clamping System ) とは、CDを同径のアルミニウム製ターンテーブルでクランピングし、慣性質量を増大させることで回転を安定させ、ディスク自身の回転振動やメカニズムの不要振動を低減させるティアック独自のCDドライブメカニズム。


ターンテーブルでディスクの反りや歪みを矯正し、ピックアップとディスクピット面の相対光軸精度を向上させることにより、サーボ電流を低減。これにより、ディスクの読み取りエラーの減少と優れた音質を実現。


◆V.R.D.Sを支えるブリッジ部

ターンテーブルを支えるブリッジは、軽量、高剛性かつ共振のない素材を厳選し、素早く自然に振動を収束させることで、広がりのあるダイナミックなサウンドを実現。

樹脂製のトラス構造のブリッジは片側だけが固定されており、CDメカニズムの振動がブリッジを伝わって反対側に伝播することを抑制し、メカニズム全体の不要な共振を抑えます。


◆セミフローティングマウント

CDメカニズム全体をサブシャーシにセミフローティング状態でマウントし、CDメカニズムとシャーシ間の振動の伝達をコントロールすることで、共振の影響を排除し、全帯域において自然な再生音を実現。

モーターの振動をメインシャーシから遮断することで、シャーシ内での振動の共振を防ぎ、同時に外部振動からCDメカニズムをアイソレート。また、外部振動からもCDメカニズムをアイソレートすることで、読み取り精度を向上させています。

放送局仕様に使われているTEAC/TASCAM製のCDドライブをベースに開発された構造だそうです。そのためかディスクトレイがプラスチック製となってしまったのは少し残念ですね。


◆TEAC・ɅƩ(デルタシグマ) ディスクリートDAC搭載

音の決め手となるDAC部分には、汎用DAC-ICを使わず、独自のアルゴリズムを盛り込んだFPGAによるディスクリート回路で 構成した、TEAC・ɅƩ ディスクリートDACを搭載。

DSDはそのままに、PCMはΔΣモジュレーターを通して1bit信号に変換したのち、高音質アナログ信号として出力されます。ディスクリートだからこそ実現できる広大で澄み渡る音場表現は、TEACが求めていたサウンドの到達点と言える仕上がりです。TEAC・ɅƩ ディスクリートDACでは、DSD22.5MHz、PCM384kHz/32bitの再生が可能。


◆デュアルモノーラル構成

電源回路、D/Aコンバーター部、アナログ出力段に至るまで一貫したデュアルモノーラル構成の贅沢な回路を採用。

それぞれのチャンネルがモノーラルで完結する回路を2系統持つデュアルモノーラル構成はL/R信号によるお互いの干渉を防ぎ、音場感や立体感など豊かな音楽表現を実現します。


◆全段フルバランス伝送

L/Rそれぞれのアナログ出力信号をD/A変換後から最終出力段までフルバランス伝送することで、S/Nの向上やダイナミックレンジの拡大に大きく寄与。よりピュアな状態でハイレゾ音源の持つ空気感を余すことなく伝えます。


◆TEAC-QVCSを搭載しパワーアンプへの直結も可能

フルバランス構成のアナログ可変ゲインアンプ型アッテネーター「TEAC-QVCS」を搭載、プリアンプを使わずにパワーアンプへ直接接続して使用する事もできます。

『 TEAC-QVCS 』(Quad Volume Control System) は、左右・正負L+、L-、R+、R- に独立した4回路構成の可変ゲインアンプ型ボリュームで、理論上のギャングエラーを排除し、-95dBから+24dBまで0.5dBずつ の非常に細かいアナログ音量調節が可能。バランス/アンバランス・2系統のアナログ出力は、 固定または可変出力を選択可能。


◆MQAフルデコーダーを搭載/デジタル入力でもMQAフルデコードが可能

MQA(Master Quality Authenticated)は、スタジオのマスタークオリティをありのままに再生するための高音質オーディオコーデックです。「VRDS-701」は、より原音に忠実なアナログ波形を得るために最小5マイクロ秒の精度でD/A変換された波形をコントロールするMQAデコーダーを搭載。急な音の立ち上がりなど音圧差が極端に大きな箇所で発生しやすい『 音の滲み 』を大幅に低減することで、人間の聴覚上、原音に近い再生音を得ることができます。

MQAフルデコーダーを搭載したことで、MQC-CDをお楽しみいただくことはもちろん、デジタル入力からのMQAデータのデコードが可能となり、USB-DACとしてPCからMQAファイルを再生することも可能。


◆USB-DACとしてDSD22.5MHz、PCM 384kHz/32bitの再生が可能

デジタル入力としてUSB(Type-C端子)を装備。PC等とUSB接続することでUSB-DACとして使用可能で、単なるCDプレーヤーとしてだけではなく、ハイレゾ音源によるPCオーディオの世界もお楽しみいただけます。 USB(TypeA)→USB(TypeC)のケーブルが必要となります。


◆RDOT-NEOによる2xFs/4xFs/8xFsへのアップコンバート機能

デジタルオーディオ信号を滑らかに補完する『 RDOT-NEO 』 (Refined Digital Output Technology NEO) により、PCMデジタル信号を2xFs/4xFs/8xFs(最大384kHz)にアップコンバートする機能を搭載。

RDOTは、フルエンシー理論による類推補完技術を応用して、44.1kHz/16bitのCDフォーマットから失われてしまった20kHz以上の周波数の再生を可能とするために開発された技術です。

CDから読み取った情報をもとに、波形サンプルとサンプルの間の情報を類推により生成し、結果として20kHzを超えるデータを生成します。


◆10MHz外部クロック入力

外部クロック同期用に10MHzのクロック入力を装備。本体再生時の音質向上に加え、クロックジェネレーターによるシステム全体の同期が可能となります。


◆高精度44.1kHz系、48kHz系の低位相雑音デュアルクロック搭載

CD再生用の44.1kHz系はもちろん、USB-DACとしてPCからのファイルを再生する際に必要な48kHzのクロックも低位相雑音タイプの高精度水晶発振器を搭載しています。


◆3基の大容量トロイダルコアトランスで電源を強化

アナログ信号用のトライダルコアトランスに加え、デジタル制御部とCDメカニズム部それぞれに独立した大容量トロイダルコアトランスを用意。合計3基のトロイダルコアトランスにより安定した電流供給をおこなうことで、瞬間的な音の立ち上がり、立ち下りを克明に表現することができる、優れた音のリニアリティを実現しています。

トランスはそれぞれサブシャーシにマウントされており、振動をコントロール。


◆電流伝送強化型出力バッファーアンプ『 TEAC-HCLD2 』回路

アナログ出力回路にとって重要な電流伝送能力を高める電流伝送強化型バッファーアンプ『 TEAC-HCLD2 』回路を搭載。電流伝送能力の高いダイヤモンドバッファーアンプをラインドライバーとして片チャンネルあたり正負2回路構成とし、バランス出力の場合はディファレンシャル(差動)、アンバランス出力の場合はパラレル(並列)で駆動。

電流供給能力を高めることで、音楽信号が持つダイナミズムを余さず伝えることが可能となります。


◆ヘッドホンアンプ

電流伝送強化型の出力ラインドライバーと同等の低歪、高S/N、2000V/usの高スルーレートを持つ高出力回路をヘッドホンアンプの駆動専用に搭載。お使いのヘッドホンのポテンシャルを引き出します。


◆安定したデータ転送が可能なUSB伝送技術「Bulk Pet」搭載

USBケーブルでハイレゾ音源の膨大なデジタルデータを送る場合、従来のアイソクロナス転送では送信側のパソコンと受信側のUSB-DACの双方に処理負荷の大きなムラが発生し、音途切れなどの問題が発生する可能性がありましたが、このUSB伝送技術「Bulk Pet」により一定のデータ量をコンスタントに転送するため、双方の処理にかかる負荷を平均化することにより安定したデータ転送が実現しました。

パソコンの負荷状態が変わることで音質も変化するため、あらかじめ設定された4種類の転送モードからお好みの音質を選ぶことも可能。USB-C端子搭載。


◆徹底した制振設計

振動の起きやすいトランスは底板から浮かせたフローティング構造を採用。放熱用のサイドフィンは、共振を排除するため各フィンの長さも 1枚ずつ異なる長さに調整されています。


◆スチール削り出し独自構造の3点支持ピンポイントフット

基板の固定ねじは最低限とし、さらに、底板とフットとの接合に遊びを持たせた新機構のスチール製ティアックオリジナル・ピンポイントフットを採用したことで、音質に影響を与える振動を徹底してコントロールしています。


◆他の機器と連動可能なコントロール端子

他の機器と電源を連動可能なトリガー入出力端子を装備。


◆『 TEAC HR Audio Player 』を無償提供

DSD22.5MHz、PCM384kHz/32bitといったハイレゾ音源を簡単に「Windows」や「Macintosh」パソコンから再生できる無料の専用ソフトウエアをご利用いただけます。

ソフトウエアを立ち上げてUSBケーブルで接続した「VRDS-701」を選択するだけで、確実に最良の条件でデジタルオーディオデータを転送。専用ソフトウエアのためUSBオーディオ設定時におけるトラブルの心配がありません。


◆リアパネル


◆担当者より

待ちに待った! TEACブランドのVRDS搭載のプレーヤーが発売されました!!

ティアックブランドとしてVRDSドライブを搭載するCDプレーヤーは、2003年に発売となった「VRDS-15」以来、何と20年ぶりの登場となります!!

早速、当社試聴室で「VRDS-701」を借りて試聴してみました。

TEACの70周年の記念モデルとして、まさに真打ちの登場と言えます!! 開発は先に発売された USB-DAC/ネットワークプレーヤー「UD-701N」や、ステレオパワーアンプ「AP-701」などの大変高い評価を誇る、一連の701シリーズと同等のクオリティーで開発されています。

以前のVRDSプレーヤーのガチガチのリジット構造ではなく、振動を制御する技術を応用した構造に進化しています。

更にCD専用プレーヤーとしてメカやピックアップを開発されており、CDソフトを大切にされている方にお勧め致します。


◆音質評価 ※本記事の試聴記事や本体内部写真はすべて開発中製品のものとなります。

TEAC/ESOTERICに共通する、ソフトに刻まれた全ての信号を余すことなく再現。繊細な表現や再現性に優れたサウンドです。広い音場空間に、解像度の高い音像が展開されます。音の立ち上がりも優れており、リアルなスピード感を聴かせてくれます。

ただし、あまりソリッドな印象を前面には出さずに、素直で心地の良いサウンド傾向で大変上手い音造りを実現していると言えるのではないでしょうか。TEAC以外の機器と組み合わせる場合も問題なく、お使いの機器と組合わせ出来ると思います。


◆個人的にはトランスポートの「VRDS-701T」の方にも大注目です!!

「UD-701N」はもちろん、他社のD/Aコンバーターをお持ちの方には「VRDS-701T」と組み合わせもお勧めです。歴代のVRDSメカを搭載したプレーヤーのデジタル出力はクオリティーが高いのは有名なので期待が出来ます。しかも、DAC機能を廃したことで内部回路はデジタル出力に最適化されているとの事。

トランスポートに特化した設計で、内部空間に余裕ができた分、設計も異なり、使用するパーツのグレードを上げるなど、CD再生機としての音質をさらに上げる工夫がされています。

さらにCDトランスポートとDACの処理を分散することで、それぞれの負荷を抑え、安定した動作と高音質化を実現しています。「VRDS-701T」の試聴が出来ましたら、改めてレポートさせて頂きたいと思います。






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