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音場工房

[ 2023年 4月 25日付 ]



アキュフェーズより音質改善クリーン電源「PS-550」新発売!


◆電源はオーディオ機器が再生する音楽の源です。

オーディオシステムに供給する電源の質は、オーディオシステムの音質を向上させる上で極めて重要です。
アキュフェーズは1996年、独自に開発した波形成形技術でクリーンな電源を供給する「PS-500」を発売。
波形成形技術とは、理想的な正弦波である基準波形と電源波形を波形補正アンプで比較、不足分は補い、余剰分は取り除くことで、歪みやノイズの少ないクリーンな電源を作り出すテクノロジーを搭載。
この技術によって出力されるクリーンな電源が、オーディオ機器や映像機器の音質や画質の改善に絶大な効果を発揮しました。

今回ご紹介する「PS-550」は、初代の「PS-500」から数えて6世代目となるクリーン電源です。
標準的なサイズの筐体に、大型大容量モデル「PS-1250」と同じ方式の回路を搭載。「PS-550」では、発振器を使わずに高精度な基準信号を生成し、バランス伝送で波形補正アンプへ入力します。
波形補正アンプは、『バイポーラ・パワートランジスター・10パラレル・プッシュプル増幅回路』を採用、低歪み率と同時に510VAの出力容量を実現。
また、厳しい規格をクリアし、高品質で安全性や信頼性の高いホスピタル・グレードのAC出力端子を8個搭載。
さらに、出力回路から各AC出力端子までの配線を同じ長さに調整し、AC出力端子によって音質に差が出ないように配慮。

大型大容量モデルの「PS-1250」と同様の観測機能を備え、波形成形の効果を視覚的にもできるようになりました。
電気的性能、安全性、信頼性、さらには使いやすさも進化を遂げた「PS-550」は、音質改善に絶大な効果を発揮するオーディオ機器の必需品といえます。


◆波形成形技術を主体とした交流定電圧装置

入力された交流電源に対して、交流電源のまま、加算や減算といった波形補正を行います。
主なエネルギー源は入力された交流電源そのものであり、損失分は波形補正用の電力のみです。したがって、従来の交流定電圧装置に比べ効率が良く、発熱も少なくなります。

電源周波数は入力信号に依存するため、信号源となる発振器を搭載する必要がなく、高周波ノイズの発生もありません。
トランスの二次側巻線S1の信号は、プロテクション回路を経て出力となります。出力は同時に波形補正アンプへ入力します。

二次側巻線S2の信号は、整流され波形補正アンプの直流電源として供給されます。
計測回路用トランスの出力信号は、『基準信号発生回路』で入力周波数(50Hz/60Hz)に同期した高精度の正弦波である基準信号になります。
波形補正アンプで入力波形と基準波形を比較し、基準信号との差を補正することで高純度の出力信号に変換します。


◆低歪み率な基準信号の発生回路

理想的な正弦波である基準波形と電源波形を比較し、不足分は補い、余剰分は取り除くことで、低歪み率の電源を供給します。したがって、基準波形は極めて歪み率が低い理想的な正弦波である必要があります。
基準信号発生回路では、計測回路用トランスの二次巻線のゼロクロス・ポイントをコンパレータで検出し、高精度な電源で矩形波を生成します。
この矩形波を、最初にバンドパス・フィルター、次に6段のBEF(バンドエリミネーション・フィルター:帯域除去フィルター)、さらにバンドパス・フィルターを通すことで、入力電圧に左右されない低歪み率の基準波形を生成します。

フィルターの周波数は、入力周波数に応じて切り替わるため、50Hzと60Hzの切り替えを手動で行う必要はありません。
この基準信号発生回路は、PLL(位相同期)回路などを用いていないため、不要な高調波成分を発生することもありません。

出力波形がこの基準波形に近づくように、波形補正アンプでシールド・トロイダル電源トランスS1巻線の出力に補正をかけます。
この低歪み率基準信号発生回路と強力な出力段により、0.08%の低歪み率を実現しています。


◆優れた波形補正能力

※歪んだ波形の補正
電気製品はAC電源の山と谷の部分で電力を消費するため、通常ご家庭のAC電源は山と谷部分が大きく波形が歪んでいます。
波形の山と谷の部分が欠落していると、パワーアンプが大出力を必要とする時に、AC電源から十分なエネルギーを得ることができません。
また、このような波形には高調波が多く含まれており、フィルターなどを使用しても取り除くことができません。
今回ご紹介する「PS-550」では強力な波形成形能力により、歪んで不足した部分を本来あるべき綺麗な波形に補正します。

※ノイズが混入した波形の補正
ノイズが混入した場合の、AC電源の山と谷には比較的低い周波数のノイズが混入しています。また、鋭い棘のようなパルス状の高い周波数のノイズが混入している場合もあります。
フィルターを使用した場合、高い周波数のノイズはある程度取り除くことができますが、低い周波数のノイズを取り除くのは非常に困難です。
このようなノイズが混入した波形でも、基準波形と比較することで、不足分は補い、余剰分は取り除くことでクリーンな電源を生成します。


◆優れた電力供給能力を備えた波形補正アンプ

波形補正の加・減算を行なう波形補正アンプには、裸ゲインが高く、安定性に優れた回路を搭載。
この回路はアキュフェーズ創業当初から長期にわたりパワーアンプに搭載してきたオリジナルの、ピュア・コンプリメンタリー・プッシュプル差動増幅回路を中心とした方式で、高精度かつ安定した動作を期待できます。
出力段には、最大定格15Aの『バイポーラ・パワートランジスター』を10パラレル・コンプリメンタリー・プッシュプルで使用し、常に安定した電力を供給します。


◆3段構えの優れた妨害排除能力

3段構成のノイズ除去機能を搭載。
・1段目のラインフィルターは、電源ラインを通して侵入するデジタル機器などのノイズ成分を除去。
・2段目のシールド・トロイダル電源トランスは、コモンモード・ノイズを除去。
・3段目の波形補正アンプは、波形成形で極めてクリーンな電源を生成。

また、負帰還方式を採用し、出力インピーダンスが非常に低くなり、出力に接続された機器同士の干渉を抑制。
出力電源には、可聴帯域内の高調波成分が大幅な低減を実現しています。


◆理想的な放熱構造を実現

最大510VAまで出力が可能な「PS-550」は、特に出力電力が大きい場合、発熱量が多くなります。
対策として大型ヒートシンクに波形補正アンプを搭載することで、高い放熱効率を確保し、連続最大出力時でも余裕のある、安定動作を実現しています。
※基本的な動作はパワーアンプと似ているため、発熱量もAB級アンプ相当程度とお考えください。


◆ディスプレイに出力電力、入出力電圧、入出力歪み率、入出力波形の表示が可能、容量オーバーの場合はLEDが点滅して警告

ディスプレイに出力電力、入出力電圧、入出力歪み率、入出力波形の表示が可能。
特にプリメインアンプやパワーアンプは、音量により消費電力が大きく変化するため、実際に音を出しながら消費電力の変化を確認可能。
最大出力電力510VA以上の機器を接続した場合は、ディスプレイ切替ボタンのLEDが点滅して警告。(表示がOFFの状態でも、警告が表示されます)
さらに大きな電力になると、電源スイッチ兼用のサーキット・プロテクター(遮断器)機能が働き、電源スイッチをOFFにします。


◆高効率大型シールド・トロイダル電源トランス/大容量フィルター・コンデンサーによる強力電源

出力する全ての電力は、電源ラインから電源トランスを介して出力します。したがって、電源部は大変重要な回路で、電源トランスには、大電力容量の大型シールド・トロイダル型を採用。

※シールド・トランス
1次側と2次側のコイル間に静電遮へい板を設けることで、1次コイルと遮へい板間の分布静電容量によって1次側のコモンモード・ノイズをアースに流し、1次側の高周波ノイズが2次側へ伝導するのを防ぐことで、優れた高周波ノイズ除去能力を備えています。

※トロイダル・トランス
閉じた磁路を形成するドーナツ状のコアに1次側と2次側の太い銅線を巻くため、インピーダンスが非常に低く、比較的小型で、変換効率が極めて高い優れた特性を有すします。

さらに、熱伝導に優れ、防振効果の高い充填材を用いてケースに固着、放熱効果と防振効果で優れた特性を実現。
整流器を通過した脈流を直流に平滑するアルミ電解コンデンサーには、性能や音質を重視して箔の材質やエッチング、電解液などを選び抜いた22000μF/90Vの大容量・高音質タイプの特注品を2個採用し、余裕のある電源部を構成しています。


◆優美なアルミ材光沢仕上げのサイドパネル

オーディオシステムと調和し、優美な雰囲気を醸し出す、シャンパン・ゴールドのフロントパネルと、アルミ材光沢仕上げのサイドパネルを採用。


◆ホスピタル・グレードの3P AC出力端子を合計8個装備

AC出力端子には、ホスピタル・グレードの3Pコンセントをリアパネルに8個装備しています。このコンセントは、接触抵抗、温度上昇、差し込み保持力、耐圧・耐熱性、衝撃強度、絶縁性などの規格を厳しく規定した選別品。

また、出力回路から各コンセントへ至る線材の種類と長さを揃え、接続するAC出力端子によって音質に差が生じないように配慮。


◆高度な安全保護機能

異常が発生した時には、異常状態の種類を表示しながら本機および接続機器を安全に保護する、高度な安全機能を備えています。

※過電流を検出した場合
過負荷、出力ショート、内部に異常があった場合には、サーキット・プロテクター(遮断器)が、電源スイッチを自動的にOFFにします。
過負荷が原因でサーキット・プロテクターが働いた場合には、接続機器を調整して電源を入れると復帰します。

※消費電力がオーバーした場合
出力端子に接続される負荷機器の合計消費電力が510VA以上になると、点灯していないディスプレイ切替ボタンのLEDが全て点滅し警告。
さらに、このまま20分以上使い続けると、ディスプレイに "VA Over Warning!" と表示し、出力を遮断。
短時間の過大電力でディスプレイ切替ボタンのLEDが点滅した場合、510VA以下に戻れば、通常の点灯に変わります。

※直流電圧が出力された場合
直流電圧が出力された場合は、点灯していないディスプレイ切替ボタンのLEDが全て点滅し、ディスプレイに "DC Warning!" と表示し、出力を遮断します。

※内部のヒートシンクや電源トランスが過熱した場合
機器周辺の放熱が悪いときや、定格電力で非常に長い時間使用して内部のヒートシンクが異常な高温まで達した場合には、点灯していないLEDが全て点滅し、ディスプレイに "Heat Warning!" と表示し、出力を遮断します。表示がOFFの状態でも、LEDが点滅し、警告が表示されます。 設置にはプリメインアンプやパワーアンプと同様の放熱対策が必要となります。


◆消費電力について

家電製品の電力の単位は通常ワット(W)で表します。その電気機器に供給される電圧Vと電流Aの積で表されます。(W=V×A)
電圧が直流の場合はこの計算式となりますが、時々刻々変化する交流では、接続される機器の内容によって表示方法が変ります。
それは電気機器の内部が単に純粋な抵抗分のみでなく、コンデンサーの成分やコイルの成分を含んでいるからに他なりません。
この場合「電力」の表示は次の3種類に分類され、それぞれが独自の意味を持ちます。

・有効電力(W):実際に仕事エネルギーになる電力(単位:ワット)
・無効電力(Var):電流は流れるが、仕事をしない電力(単位:バール)
・皮相電力(VA):加えた電圧と流れる電流を単に掛けた電力(単位:ボルト・アンペア)

一般家庭で、積算電力計に計測されて料金になる電力は、有効電力のことで無効電力は計測されません。
電気機器やカタログ類に表示されている消費電力は、この有効電力が使用され、ワット(W)で表示されています。
ところが実際に電気機器を接続したときの電力は、有効電力より大きな値になります。この電力値は皮相電力と呼ばれ、単位はボルト・アンペア(VA)で表示します。


◆PS550のメーター(電力計)と負荷について

オーディオ機器の消費電力は、エネルギーとして消費される有効電力(W)で表示することになっています。
しかし、実際の動作時に必要な電力は、エネルギーとして消費されない無効電力(Var)も加わってきます。
つまり、有効電力(W)と無効電力(Var)を加えた皮相電力(VA)となり、カタログ等に表示されているワット値より大きな値となります。
このため「PS-550」のメーターの電力表示は、加えた電圧(100V)と流れた電流との積、つまり皮相電力(VA値)で表示しています。
有効電力表示をしていない理由は、接続される機器によっては、有効電力と皮相電力が大きく喰い違う製品もあり、有効電力が同じでも大電流が流れて内部のトランスが過負荷になる場合があり、これを防止するためです。

※参考資料(歴代アキュフェーズ製品の消費電力(W)と(VA)値


◆妨害に対する排除能力

電源ラインには、スイッチの開閉による火花雑音、モーターなどによるバースト雑音(細かいヒゲ状のノイズが連続するもの)、電力需要の変動などによるごく短時間の電圧変動や停電(瞬時停電)など、オーディオ機器に対して様々な妨害があります。
「PS-550」を接続することにより、これらの特殊なノイズや電源変動による妨害を軽減し、安全に使用することができます。


◆電源波形が歪む理由

実際使用している電源電圧は、ほとんどの場合変形して大きな歪みを発生しています。
その理由は、負荷として接続される成分の中でもコンデンサーの成分が重要な意味をもちます。
例えばアンプの場合、整流器で脈流を作りそれを電源のコンデンサーで蓄えます。
アンプに流れる交流信号はパルス状の波形で、電流は交流波形の最大値付近でしか流れません。
波形の立ち上がり、立ち下がり部分では電流がほとんど流れないため、配線経路に抵抗分があり、電流の多いところで電圧降下を起こし、アンプに供給される交流電圧は先端がつぶれた波形になってしまいます。

「PS-550」は、つぶれた波形を、高精度の基準波形を基に、加・減算を行い、高純度な100V電源に創り変え、歪みの無い正弦波に生まれ変わります。


◆先端がカットされた歪んだ波形ではなぜ音質が悪くなるのでしょうか。

先端がつぶれ、歪みが多い波形は、不要な周波数成分を多く含んでいます。
これらの「高調波成分」が電源を通ってアンプの増幅回路に侵入すると、信号と干渉しあって「混変調歪み」を発生し、音質を阻害するものと考えられます。
「PS-550」の出力波形では、可聴帯域内の不要な高調波成分は、大幅に減衰させ、歪みの少ない正弦波を出力します。
3次高調波は入力時の-40dBから、何と-80dBにまで大幅に減衰改善します。


◆担当者より

アキュフェーズのクリーン電源の最新モデルです。
定格出力容量:510VA(連続出力)で、大型のA級パワーアンプ以外でしたら、ほぼこれ1台でシステム全体に対応ができます。
基本的には電源タップは使わず各機器に直接電源の供給をする方法がおすすめです。
大型のアンプの場合は電源投入直後での突入電流が大きく、容量オーバーする製品もあるためご注意ください。
アキュフェーズのクリーン電源は比較的限界値まで使えますが、少し控え目にお使いいただいた方が音質や発熱/耐久性的にもおすすめとなります。

電源関係のノイズ対策は様々ですが、「PS-550」のようなクリーン電源機器の導入が最も効率が良く、効果も確実に体感できる方法といえます。
思っているより電源事情には、オーディオ機器が敏感で、様々な悪影響を受けています。
お使いの機器達の能力をフルに発揮する事でシステム全体のクオリティーをクリーン電源で確実安全に改善してはいかがでしょうか。

アキュフェーズのクリーン電源はモデルチェンジの度に副作用が少なくなり、見事に自然なバランスでシステムの能力を引き出してくれます。
「PS-550」は最新の6世代目となる製品ですので初代「PS-500(1996年)」からのノウハウが積み重なって高い完成度を誇ります。
長年の経験を積み重ねた、あらゆる方面で破綻を感じさせない自然、安定、安心のサウンドで、アキュフェーズらしい正統派の製品といえます。

音質的には、聴感上のS/N感が大きく改善、自然な質感でディティールまで余すこと無く描写できます。
どこか部分的というよりも、システム全体のグレードアップを感じることができます。
透明感の改善により立ち上がりの瞬発力が改善されるため、音エネルギー感の改善も期待できます。

最近何かと取り沙汰されている「太陽光発電パネル」による音質の悪影響にも、機器の直前で影響を排除する事ができます。





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