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音場工房

[ 2023年 5月 30日付 ]



アキュフェーズよりプリアンプの新製品「C-2300」をご紹介


◆新製品プレシジョン・プリアンプ「C-2300」をご紹介致します。

新製品の「C-2300」は、「C-2450(2017年発売)」と「C-2150(2018年発売)」の2機種を統合して発売されるモデルです。上級機譲りの高性能/高音質、コントロールセンターに相応しい豊富な入出力と多彩な機能の両立を実現したアナログ・プリアンプです。



◆主な特徴

・Balanced AAVAを採用した低雑音設計
・ディスクリート構成の低雑音電流帰還型入力アンプ
・ディスクリート構成のIV変換アンプ
・ディスクリート構成のヘッドフォンアンプ
・デュアル・モノラル構成
・自社製重量級ボリュームセンサーユニット
・余裕ある電源回路
・優美な外観デザイン
・4バンド・トーン・コントロール搭載
・各種オプションボードに対応
・「AD-60」使用時:フロントパネルからのサブソニックフィルター切替、MC入力インピーダンス切替えに対応


◆『Balanced AAVA』搭載

プリアンプの音量調整機能は、オーディオ・システムの中でも特に高度なアナログ回路の設計技術が必要であり、音質を左右する重要な回路です。 2002年、従来の概念を覆し、可変抵抗体を使わずにボリュームをコントロールするAAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)を開発。 AAVAは可変抵抗体を音楽信号が通らないため、インピーダンスの変化による影響を受けることがなく、高いSN比と低いひずみ率を維持したまま音量を変えることができます。 また、可変抵抗体の接触面の劣化に影響されないため、初期性能を長期にわたって維持できる高い信頼性を兼ね備えています。

2010年にはバランス構成のAAVAである『Balanced AAVA』の開発に成功。 Balanced AAVAは、バランス入力/バランス出力の『フル・バランス回路』を構成したボリューム・コントロールです。 外来ノイズの影響を受けにくいバランス回路をAAVAに採用することで、さらに高いノイズ性能を実現しています。 入力部で信号を大振幅化し、出力部で信号と同時に雑音を圧縮する手法を採用し、定格出力時 S/N 111dB、入力換算雑音-123dBVを達成。


◆入力部には、カレント・フィードバック増幅回路を搭載

『Balanced AAVA』の入力アンプは、非常に高速でローノイズかつ優れた高出力電圧特性を兼ね備えた、カレント・フィードバック増幅回路を採用。 インスツルメンテーション方式に発展させて搭載し、多数の『V-I変換回路』を強力にドライブ。 入力アンプで信号を大振幅化して伝送、後段で信号と共に雑音を圧縮することで低雑音化を実現。 高ゲイン化の為、電源電圧の自由度が高いディスクリートアンプを採用。


◆高い分解能を実現した音量調整

AAVAは、16種類の『V-I変換回路』を電流スイッチと組み合わせることで音量を調整します。 このとき可能な組み合わせは2の16乗、つまり65,536通りあり、その中から最適な音量の組み合わせを選択しているため、高い分解能での音量調整が可能。


◆高SN比・低ひずみ率を維持、周波数特性も変わらず、音量をコントロール

一般的な音量調整は、入力信号を可変抵抗体で減衰させて、アンプで増幅するため、通常使用するボリューム位置で信号源のインピーダンスが増加しノイズが増えます。 一方AAVAは、音量を絞るのではなく必要な『V-I変換回路』を切り替えてダイレクトに音量(アンプのゲイン)を変える方式のため、インピーダンス変化やノイズなどの影響を受けません。 このため、ノイズの増加がほとんどなく、最も重要な実用音量レベルで高SN比を維持することができるほか、周波数特性も変わりません。


◆左右の連動誤差やクロストークから解放

一般的な可変抵抗体を使用したボリュームは、回転角の変化(音量)による左右レベルの不均一(連動誤差)が問題となりますが、 AAVAは可変抵抗体を使用しない電子回路で構成され、高精度の部品を使用することにより、どの音量においても左右の音量差がほとんどありません。 また、各チャンネルを独立させることができるため、チャンネル間のクロストーク(左右間の音漏れ)もほとんど発生しません。 増幅器とボリューム調整とが一体化した新しい概念の電子回路であり、可変抵抗体の様な機械的動作を伴わないため、経年変化による性能や音質の劣化が少なく、長期にわたって高い信頼性を維持します。


◆AAVAは純粋なアナログ回路

AAVAは、音楽信号を電圧から電流に変換、電流をスイッチで組み合わせてゲインをコントロール、再び電流から電圧に変換する純粋なアナログ回路です。 電流スイッチの切り替えは、CPU(マイクロ・プロセッサー)が正確に行います。

◆アッテネーターや左右のバランス・コントロールもAAVAで実現

AAVAは、左右の音量バランスやアッテネーターなどの機能も実現できるため、新たにこれらの専用回路を搭載する必要がなく、性能や音質の向上に効果的で、シンプルな回路構成を実現できます。


◆『I-V変換アンプ』から『出力アンプ』まで理想的なバランス伝送を実現

『Balanced AAVA』の『V-I変換回路』で作られた電流は、特性の揃ったバランス型『I-V変換アンプ』により電圧信号に変換されバランス信号で出力されます。 次段のLINE、BALANCED、ヘッドフォーンの各アンプは独立した『バランス型出力アンプ』で構成されていますので、それぞれの信号は干渉することなく出力されます。


◆さらに動作音に配慮した、高精度・高剛性の『ボリューム・センサー機構』

AAVAでは、ボリューム・ノブの位置に応じて電流スイッチのON/OFFを切り替え、音量を調整します。 この時、ボリュームの位置を検出するのが『ボリューム・センサー機構』です。 このボリューム・センサー機構を自社開発、アルミニウム・ブロックを超精密加工で削り出した硬く重い素材を用いることで、ノブ回転時の滑らかな動作、重厚な操作感、緻密な位置検出を実現しています。 リモート・コマンダーでの音量調整時には、内蔵されたモーターが歯車を介してノブを回転させます。歯車は、互いにかみ合う際に動作音を発生させやすい部品ですが、このボリューム・センサー機構では、歯車が常に一定の圧力でかみ合うように改良を施してあり、動作音を感じさせない静かで快適な音量調整が可能です。


◆VOLUMEディスプレイ部の《表示モード》変更

VOLUMEディスプレイ部の音量表示は通常『アッテネーター・モード』ですが、『ゲイン・モード』への切り替えが可能です。


◆左右チャンネル独立構成のユニット・アンプ構造

入力バッファー・アンプ、V-I変換アンプ、I-V変換アンプ、バランス出力アンプ、ヘッドフォーン・アンプからなる5種類のアンプで構成されています。 これら5種類のアンプを5枚のユニット・アンプに配置し、マザー・ボードに配列することで、余裕のある基板表面積を確保。 また、左右チャンネルの回路の配置を独立させることで、電気的な干渉を抑制しています。 さらに、強靭なフレームでこれらユニット・アンプを支えることで、物理的な振動を抑えています。


◆左右独立構成の電源トランスによる、モノ・コンストラクションの理想的な電源

増幅回路にエネルギーを供給する電源のクオリティーは、音質に大きな影響を与えます。 ケース入りの高効率トランスを、左右に分けて2個搭載、大容量10000μFの高音質フィルター・コンデンサーを左右それぞれ2個ずつ搭載し、負荷変動に強い余裕のある電源を構成。 これらモノ・コンストラクションの電源や、専用の安定化電源により、左右を含めあらゆるアンプ間の相互干渉を防止し、電気的特性を向上。


◆音質重視の加算型アクティブ・フィルター方式4バンド・トーン・コントロール

帯域バランスを効果的に調整できる4バンドのトーン・コントロールを搭載。音質の劣化に対して万全を期するため、回路には本格的なグラフィック・イコライザ―にも搭載される、加算型アクティブ・フィルターを採用。

・中音域の2つのコントロール周波数は、500Hz及び2kHzを採用。
500Hzではボーカルの厚み、ピアノのコシの強さ、弦楽器の胴鳴りや芯の表現、管楽器の温かみなどを、2kHzではピアノや打楽器のアタックの強さ、弦楽器の擦れ音、ボーカルの前後感などを調整できます。

・低音域のターンオーバー周波数は、40Hzと125Hzから選択可能。
125Hzでは管楽器やボーカルの温かみ、太鼓やドラムの量感や太さなどを、40Hzでは楽器の重厚さ、ピアノの響きや温かみをコントロール可能。

・高音域のターンオーバー周波数は、8kHzと20kHzから選択可能。
8kHzではボーカルの空気感、ピアノのきらびやかさなどを、20kHzではホールの空気感や抜けの良さ、透明感などを調整できます。


トーン・コントロールを活用し、イメージ通りの帯域バランスを作り上げることで、深い感動をご体感いただけます。

◆オプションのフォノイコライザー「AD-60」同時発売

同時発売の「AD-60」を増設すれば「MC/MMの切替」「MC入力インピーダンスの選択」「サブソニック・フィルター」のON/OFFをフロント・パネルから行うことができます。


・入力端子毎に位相の設定が可能
・プリアンプのゲインを選択可能(12/18/24dB)
・ロジック・リレー・コントロール信号切替方式


◆音質を重視した専用ヘッドフォーン・アンプ

◆外部プリアンプと切り替えられる『EXT PRE』機能

◆プログラム・ソースの多様化に備えて、10系統の入力端子と4系統の出力端子を装備

◆聴感上の低音不足を補う『コンペンセーター』機能搭載

◆アルミ材ヘアライン仕上げのトップ・プレート

◆シャンパン・ゴールドのフロント・パネルと光沢塗装を施したサイド・パネル

◆ハイカーボン鋳鉄製高音質インシュレーター

◆3種類のオプション・ボード(DAC-60、AD-60、LINE-10)の中から2枚まで、リア・パネルに増設可能


◆リモート・コマンダー『RC-250』付属

◆オーディオ・ケーブル『AL-10』付属




◆担当者より

アキュフェーズの主力プリアンプとなる「C-2300」が遂に発売されます。 今までの「C-2150(2018年)」と「C-2450(2017年)」を統合した製品として開発が進められた製品です。 先に発売された上位モデル「C-2900(2021年)」のノウハウを随所に取り入れた、高いコストパフォーマンスを誇るプリアンプです。 更に新機能も採用されており、魅力が溢れた製品としてお勧め致します。


◆日本橋店で試聴してきました。

「C-2150」と「C-2450」を統合した製品と伺っていましたが、そのクオリティーは確実に「C-2450」を凌駕しており、『Balanced AAVA』をそのまま継承した「C-2900」に迫るサウンドを実現していました。 「C-2450」で採用されていた高価な両サイドのウッドパネルは廃止されて、この部分は「C-2150」と同じアルミパネル仕上げに。 音質、コストパフォーマンスが重視された設計になっていますね。SNの良い透明感溢れる音場と、確かな駆動力を感じさせるサウンドは、さすが最新のアキュフェーズと関心させられました。


◆使いやすさも考慮された新機能。

◇4バンド・トーン・コントロール

回路は本格的なグラフィック・イコライザ―に採用されている加算型アクティブ・フィルターで、単なる音のバランス調整にとどまらず、積極的なグラフィック調整としてスピーカーやリスニングの補正などにも使える本格派です。 低域(40/125Hz)と高域(8K/20KHz)に加え、中低域(500Hz)と中高域(2kHz)の調整が可能となっています。


◇フォノ回路の見直し

フォノ回路はオプションのフォノイコライザー「AD○○」の増設が必要なのは従来モデルと同じですが、新発売の「AD-60」と組み合わせると「C-2300」のフロントパネルで様々な切替えが出来る様になっています。 「MC/MM」切替えはもちろん、「MC入力インピーダンス」30/100/200/300Ω選択、「サブソニック・フィルター」ON/OFFも設定が可能。 今まではオプションボードでは、ボードを抜いて基板上のディップスイッチの切替えが必要だったので、大幅な改善といえます。 ボードを一度取り付ければ、インピーダンスの異なる複数のMCカートリッジも存分に楽しめる様になりました。 「AD-60」を2枚挿入すると個別に切替えが出来、さらに設定は記憶されるのでツインアームでも使いやすさは変わりません。


「AD-50」(写真上)と「AD-60」(写真下)の比較です。よりハイファイな卓越した回路技術と、表面実装技術の進化により音質的にも大幅なグレイドアップを実現しています。また、消費電力は「AD-50」と比べてMC時で約15%、MM時で約20%低減しています。




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