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音場工房

[ 2023年 9月 26日付 ]



ラックスマン製 真空管ハイブリッドアンプ・キット「LXV-OT7-MK2」のご紹介


こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
今回は、ONTOMO MOOKで有名な音楽之友社から発売されているラックスマン製キットシリーズから、真空管ハイブリッドプリメインアンプ・キット「LXV-OT7-MK2」をご紹介します。

過去に雑誌のSTEREO誌の特別付録として好評だった「LXV-OT7」の音質を大幅にグレイドアップして発売されました。
キットとはいえ、基本的にはネジとナットを止める作業のみなので、順を追って慎重に作れば、誰でも作れます。
ただし、今回のキットは雑誌の付録ではなく、商品単品として発売されているので、段ボールの箱に梱包されています。


◆同梱されているキットの組み立てガイド(カラー写真P4・図解入りで組立てを解説)

まずは、同梱されている組立てガイドを熟読しましょう。

このキットの取り扱いについて、各種安全上の注意事項やサポートについて明記されています。


◆次に、部品が揃っているかを確認をしましょう。

付属の冊子に1〜22の番号(14は欠番)で分けて掲載されています。
ネジ類等の小さな部品も多数あるので、取り出しの際に紛失しないように注意しましょう。


◆MKIIになってグレイドアップされた部品をチェック!!

スピーカー端子が安価なバネ式から、ネジ方式のしっかりしたオーディオ製品仕様に変更されています。
スピーカーケーブルのバナナ端子にも対応しています。
Yラグには対応していませんので、裸線直接かバナナ端子で接続します。


◆ニッケルメッキから金メッキに変更!!

音質と耐久性、共に優れた金メッキ仕様の端子が装備されています。


◆基板の銅箔の厚みが倍になっています。

基板のパターンの銅箔の厚みを、35μから70μと倍にすることで、インピーダンスが下がり、電気の流れが良くなり、音質の向上を狙っています。


◆アルミ無垢材の大きくなったボリュームつまみ搭載。

ボリュームノブ、プッシュノブ、インシュレーターはアルミ無垢に変更。共振を抑えて、音質の向上と見た目の豪華さも格段にアップしています。


◆アルプス製大型ボリューム搭載。

16型ボリュームから、27型の大型高音質ボリュームに変更。


◆高音質パーツ類を装備。

ラックスマン製オリジナル電解コンデンサー、東信工業電解コンデンサー(UTSJ)を搭載。


◆高信頼真空管を付属。

中国製の12AU7から、JJ ECC802S(スロバキア製)の高信頼管にグレイドアップ。


◆組立てに必要な工具類。

用意するのは「プラスドライバー」「ペンチ・ラジオペンチ」のみです。
プラスドライバーはしっかりしたものが必要です。(サイズは、No#2)

※このキットのシャーシネジはタッピングネジが採用されています。ネジで溝(タップ)を切っていくタイプなので、しっかりと押さえつつ、90°程度回して少し戻すを2〜3回繰り返す必要があります。
精度の悪いドライバーや、ネジ溝とかみ合わない寸法のドライバーを使うと、刃先やネジ山をつぶしてしまう可能性があります。
レンチはボリュームつまみと出力ICの2箇所を止めるだけです。モンキーレンチやラジオペンチでも問題なく作業できます。


◆では、組立てて行きましょう。

シャーシの底からリベットを3箇所差し込みます。


◆基板をリベットに差込んで固定します。

前面の左側はアースとなるので、向きに注意。

シャーシ底板と基板をアース用ワッシャーとアース用ネジで固定します。


◆リアパネルを底板に固定します。

RCA端子、スピーカー端子、電源端子の位置を合わせます。
底の2箇所のネジはしっかりと固定、側面の2箇所のネジは最後に調整があるので仮締めにしておきます。

RCA端子で1箇所、スピーカー端子で2ヶ所のネジで固定します。


◆付属の銅板製の放熱板を取り付ける。

基板に取り付けられている出力ICとリアシャーシの隙間に、付属の銅板製放熱板を挟み込む。

内側からナットでしっかりと締め付ける。
放熱のため放熱板は密着させて、ネジはしっかりと締め付けましょう。


◆いよいよフロントパネルを取付けです。

フロントパネルが取り付けられると、一気にアンプらしくなってきます。

フロントパネルの両サイドを仮締めします。


◆シャーシ底板のネジ4箇所を仮締め付けます。

フロント左側のアース箇所ネジにはアース菊座ワッシャーを挟んで締め付けします。


◆ボリュームをフロントパネルに固定します。

フロントパネルから出たボリューム軸をフロントパネルに固定します。
アース菊座(大)、平ワッシャー、六角ナットの順で固定します。
六角ナットはラジオペンチ、レンチで締める。


◆アルミ無垢ボリュームつまみを固定する。

付属の六角レンチ(1.5mm)でボリュームつまみを軸に固定します。
つまみの角度を見ながら、ちょうど良い位置に固定しましょう。
ご自分が使いやすい位置で良いと思いますが、一般的には時計の7時ぐらいが良いのではないでしょうか。


◆INPUT-SELECTORにアルミ無垢のスイッチノブを押し込んで固定します。


◆真空管を差し込みます。

真空管には端子の向きがありますので角度を合せて差し込みます。
左右に少しずつ振りながら慎重に差し込みましょう。


◆シャーシ天板を取り付けます。

シャーシ天板を取り付けて両脇の4箇所を一旦仮止めする。
シャーシの上下左右ににズレが無いか慎重に確認して、これまで仮締めしたすべてのネジを本締めする。

※さすがに精度が高く加工されており、ズレも無く綺麗に取付けが出来ました。
シャーシ用のネジは全部で12箇所あります。全てタッピングネジですのでご注意下さい。穴の加工精度は高く、ズレることなく組立てできます。ネジは一気に締めるのではなく、まずは軽く仮り止めして最後にシャーシ全体の歪を確認しながらしっかりと締めましょう。


◆インシュレーターを組立てて取付けます。

アルミ無垢のインシュレーター(4個)に上質なフェルトのクッションを貼り付けます。

付属の両面テープを使って、本体底面の4隅に貼り付けます。

☆☆☆ これで完成です!! ☆☆☆

製作時間は写真を撮りながらでも、1時間もかかりませんでした。
電気的には触れる部分もなかったので、どなたでも安全確実に製作する事が出来ると思います。


◆電源を入れてみましょう。

AC/DCアダプターはLUXMAN特製(PSE取得)
OUTPUT:15V/1.5A

スピーカーケーブルとラインケーブルを接続。
スピーカーケーブルは被膜を剥いて直接差し込むか、バナナプラグでの接続が可能です。


◆操作する前の注意事項

1.接続が確実に行なわれているか確認してください。(L/Rや+/-の接続に誤りがあると正常な再生ができません)
 なお、本機に接続されるスピーカーシステムは、4Ω〜16Ωのインピーダンスのものがご使用になれます。

2.電源オン/オフ時やインプット・セレクターを切り替えるときは、ボリュームコントロールを最小にしてから行なってください。


◆再生するときの注意点

ボリュームの音量が下がっているのを確認して、電源を入れて真空管が点灯しているか確認。
暫く電源を入れたままにして、異常な発熱や、変な臭いが発生していないか確認して下さい。
※ボリュームを上げる際、アンプの出力限界を超えた場合、真空管の特性上、音は歪みます。


◆担当者より。

ラックスマンキットの「LXV-OT7-MK2」は慎重に扱えば誰にでも完成させられる製品です。
基板などの電気系統は全く加工する必要ありません。もちろん、ハンダ付けなどは一切ありません。
シャーシのネジ止めもしっかりとしたドライバーを用意すれば問題ないでしょう。
作りは結構精度が高く、シャーシの継ぎ目のズレもなく、完成後のガタツキもありませんでした。

音質評価:以前付録に発売していた「LXA-OT4」はPCのモニターに使っていましたが、それと較べると、「LXV-OT7-MK2」の音質は、全く別物といっても良く、かなりのグレイドアップになります。
一見するとシンプルな基板で、電源もACアダプターなのを考えると、驚くほどの高音質を聴かせてくれます!


◆音質評価

音質は、さすが「ラックスマン」といえる魅力的なサウンドを聴かせてくれます。
設計には全く手を抜いていないのが良く分かります。
真空管ならではのしなやかなサウンドで、とても心地よく音楽を奏でます。

出力は3W+3W(8Ω)、5W+5W(4Ω)とかなり控え目な出力ですが、スペック以上にしっかりとした再生音を聞く事ができました。
ボーカルや小編成のJAZZ、室内楽などに最適なサウンド設計となります。
※通常から大音量でお楽しみの方にはお勧めいたしません。

メーカーの開発者曰く
「音量を欲張らず質の良い再現性、落ち着いた、高級感あふれる音が楽しめる様にチューニングしました」との事です。


※試聴に使用したLPレコード

特に女性ボーカルは艶やかで、豊かなニュアンス、しなやかな色気を感じさせてくれます。
しっとりと落ち着いた音で、S/Nは良く、静寂感があり、緻密な感じの音に調整されているので、クラシックリスナーにもお勧め!

豊かで高い音楽性のサウンドは、このクラスの他のアンプでは聴く事が出来ない魅力といえます。






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