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音場工房

[ 2023年 10月 17日付 ]



HDMI搭載の本格的プリメインアンプ
ヤマハ「R-N1000A」


ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
ヤマハのネットワーク対応2chアンプが、今年に入って相次いで発売されています。
その中で最も注目されるのが今回ご紹介する「R-N1000A」で、ヤマハ伝統のHiFi技術・設計思想を継承したネットワークレシーバーとなります。
最上位モデルの技術を惜しみなく投入し、本格的なHiFiサウンドで、さまざまな音楽コンテンツを楽しめる製品に仕上がっています。
ヤマハ独自の音場補正技術 "YPAO"、大容量カスタムメイドトランス、ESS社製DACなどの優れたノウハウを搭載された注目モデルです。


◆ヤマハ伝統のピュアオーディオ設計思想 "ToP-ART" に基づいた回路・筐体設計

シンメトリカル(左右対称コンストラクション)&ダイレクト(信号経路のストレート化・最短化)にこだわった回路レイアウトと、不要振動を吸収・遮断する独自の特殊樹脂フレーム "アートベース" を搭載した制振・高剛性シャーシとの組み合わせによって、機器内部の環境が常に音楽信号の流れに忠実であることを目指した、ヤマハ伝統のピュアオーディオ設計思想 "ToP-ART" (Total Purity Audio Reproduction Technology) に基づき、設計されています。
パラレルプッシュプル出力段を搭載したディスクリート構成のアナログパワーアンプに加え、カスタムメイドの大型EIコア電源トランスや大容量ブロックケミコンの投入、ローインピーダンス化を徹底させた大容量パワーサプライなどにより、定格出力100W×2(8Ω)の卓越したドライバビリティを実現しています。


◆優れた空間表現と低域再生を支えるダブルボトムシャーシ

ピュアオーディオ設計思想 "ToP-ART" に基づいた筐体設計に加え、シャーシ底面に1mm厚の鉄製制振板を加えたダブルボトムシャーシを採用し、制振・耐振性能をさらに強化。
本体をしっかりと支え、音や信号に悪影響を与えるさまざまな振動を排除することで、奥行きや広がり感溢れる正確な空間表現や、オーケストラの演奏も壮大に活き活きと奏でる、優れた低域再生を実現しています。


◆音楽性表現を深める、長年の知識と経験を活かして厳選した高音質パーツ

カスタムメイドのEIトランスやブロックケミコンをはじめ、低インピーダンス型のスピーカーリレーなど、ヒアリングテストを重ね、厳選した高音質パーツを採用。
さらに、オーディオ用のハイグレードなカップリングコンデンサやアムトランス社製の高音質抵抗を潤沢に投入することで、ワンランク上の音に仕上げています。


◆ハイレゾ音源も高品位に再生する、ESS社製DAC「ES9080Q」を搭載

正確な音の表現と豊かな音楽性を追求するために、低歪みかつ微小信号の再現性に秀でた、ESS社製D/Aコンバーター「ES9080Q」を採用。
L/Rチャンネルそれぞれに2chずつ、差動(ディファレンシャル)出力で使用することでダイナミックレンジやS/Nに優れた高精度な信号変換を可能にし、ハイレゾ音源などに含まれる楽器の細やかなニュアンスまで感じることのできる高品位な音を実現しています。


◆音の情報、エネルギーロスを排除するローインピーダンス設計

オーディオの基準となるグラウンド強化のために、主要グラウンドポイントの結線にはハイエンドモデルでも採用されている極太のケーブルを使用。
パワーアンプ部から出力部(スピーカー端子)までの結線に極太のジャンパー線を使用することでローインピーダンス伝送を実現。
音の情報やエネルギーのロスを排除し、音楽をありのままに届ける正確かつ豊かな表現力を叶えています。


◆ARC対応のHDMI端子

テレビとHDMIケーブル1本で接続できる "ARC" (Audio Return Channel) 対応のHDMI端子(PCM 2chのみ、192kHz/24bitまで)を搭載。
音途切れや音質劣化の原因となるジッターに対し、専用のチューニングを施すことで、安定的なデコードと高音質の両立を実現。
オプションメニューから "PLL"(位相同期回路)設定も変更でき、ESS DAC「ES9080Q」と高精度水晶振動子の組み合わせによりオーディオ機器からの音声だけでなく、音楽ライブ番組などのテレビからの音声も高音質で楽しめます。
さらに、テレビ側のリモコンで電源ON/OFF連動などのコントロールができるリンク機能 "HDMI-CEC" にも対応、ご家族全員でお使いいただけます。
また、光デジタル(PCM 2chのみ、192kHz/24bitまで)の接続にも対応。


◆PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzに対応したUSB DAC機能

USB DAC機能には、アシンクロナス伝送による安定した伝送方式を採用。さらに、高精度の専用水晶クロックを搭載することで信号精度を高めています。
PCM 384kHz/32bitやDSD 11.2MHzダイレクト再生にも対応しているので、AIFF/WAV(32bit-floatファイル非対応)/FLACなどといった各種フォーマットに対応したUSB DACトランスポート機能を持つサーバーやPCと接続して、音の静寂性と微小信号の再現性といったハイレゾ音源の魅力を最大限に引き出した高品位な音を楽しむことができます。
※OSがWindowsの場合、お使いになるPCに専用ドライバーソフト(無償。ヤマハWebページからダウンロード可能。)のインストールが必要。


◆リスニング環境に合わせて最適な音場を創り出す、自動音場補正機能 "YPAO-R.S.C." 搭載

付属の専用マイクを使って部屋の形状や壁の材質、スピーカーの性能や設置場所などによって生じる再生音の違いを測定し、その結果に応じて音質を補正するヤマハ独自の自動音場補正機能 "YPAO"。
ステレオ再生の音質で重要となる初期反射音を積極的に制御する "YPAO-R.S.C." に加え、192kHz/24bitの信号まで対応し、64bitの精度で演算、イコライジング処理するハイプレシジョンEQを採用することにより実使用状態での音質を向上します。
さらに、これらの測定結果を反映させることでラウドネスコントロールの効果をより高め、小音量再生時に自然な音質補正効果が得られる "YPAO Volume" も装備。これによりシビアなセッティングや調整をしなくても、専用のオーディオルームで聴いているような音場をリビングでも手軽に楽しむことができます。
また、スピーカーセレクターの設定ごと(A、B、A+B、オフ〈プリアウト出力時〉)に、"YPAO" の設定を個別に保存することができ、複数のスピーカーシステムを使用している場合でも測定し直す必要がなく、便利に使えます。
※R.S.C.は、Reflected Sound Controlの略


◆MMカートリッジ対応フォノ入力

MMカートリッジに対応したフォノ入力端子を搭載。お手持ちのターンテーブルを接続して、レコードコレクションを楽しむことができます。
MCカートリッジをお使いの場合は昇圧トランスなどが必要となりますが、音質的な点を考えると、下手にゲインを上げてMCカートリッジ対応の回路にするよりもこの方式の方が正解だと思います。


◆ワイドFM/AMチューナー

AM難聴取・災害対策のためのFM補完放送を受信できるワイドFM/AMチューナーを搭載。
ノイズや電波障害により、AM放送が受信しにくい地域でもAM局の放送番組をFM並みの高音質で快適に聴取可能。
放送局はFM・AM合わせて最大40局までランダムにプリセット可能。


◆洗練されたヘアライン仕上げのアルミフロントパネル

フロントパネルには、質感の高いアルミヘアライン仕上げを採用したうえ、使用頻度に合わせて大きさや奥行を変えたロータリーダイヤルとヤマハHiFiの伝統を継承する4個の矩形ノブを配置し、使うほどに手に馴染む優れた操作性を追求。


◆日本語表示に対応した有機ELディスプレイ

本体の下部には、入力コンテンツや操作時のボリューム表示などの情報を見やすく高品位に表示する有機ELディスプレイを搭載し、オーセンティックかつ新しい音楽スタイルを提供する本モデルにならではのデザインに仕上げています。


◆あらゆる音楽コンテンツにHiFiクオリティを

PCやネットワークドライブに保存したオーディオからレコード、テレビまで、あらゆるエンターテインメントに対応。


◆ヤマハの専用アプリ「MusicCast CONTROLLER」対応

専用アプリ「MusicCast CONTROLLER」で対応機器を操作して、家中どこでも手軽に音楽を聴くことができる、ヤマハ独自のネットワーク機能「MusicCast」を搭載。
画面のアイコンをタッチして、聴きたいソースの選択や音質調整が行えるほか、アルバムアートを見ながらの曲選択やプレイリスト作成など、さまざまな操作をスマートに行うことができます。
また「Amazon Music HD」「Spotify」など多彩なストリーミングサービスにも対応しているので、ハイレゾ/ロスレス音源ならではのハイクオリティの音をそのまま楽しむことができます。
さらに「AirPlay Audio」で「Apple Music」をストリーミング再生することも可能。


◆担当者より

HiFiプリメインアンプのHDMI端子の装備について。
テレビなどの映像配信をHi-FiアンプとHiFiスピーカーの組合わせで聴く必要あるのか…と思う方もいらっしゃるでしょう。
実際に聴いてみると、音のクオリティは意外なほど高く、2chのHiFiシステムで聴くと、テレビのスピーカーはもちろん、シアターバーで聴くより、明らかにワイドレンジで聞き取りやすくなります。
HDMI経由とは思えないほど情報量は多く、楽器やボーカルの細かなニュアンスも、映像に負けない高精細さで耳に飛び込んできます。

マルチチャンネルではなく、単なる2chステレオ再生ですが、HiFiシステムならではの音場に包まれる感覚も味わえます。
また、音場の奥行き感も感じることが出来るため、画面の奥にも空間が広がっているような音場感を聴くことができます。
むしろ、質感的な満足度が高くなるため、サラウンドスピーカーがなくても、結構な満足感が得られるサウンドを聴くことができます。
シンプルに「クリアなサウンド」「台詞が滑舌よく聞こえる」など、ご家族誰でも良さが分るのではないでしょうか。

筆者も、以前はシアターシステム(5.1ch止まりでしたが)を自宅にセッティングした経験がありますが、音質的に満足できなかったため、何度目かの買い換えのタイミングでやめてしまいました。
テレビの音声はメインシステム(2ch)に接続していますが、電源やボリュームが連動していないため、特別な映画以外では使うことはありません。
最近、多くのブランドのHiFiモデルに「HDMI-ARC端子」が装備されています。最大の利点はテレビのリモコンで電源やボリュームが操作できることで、日常的にご家族全員でその高音質を楽しむことができます。
マルチチャンネルのシアターシステムの優れた点も大いに認められて当然ですが、お手軽に高音質にシアターを味わう方式として2chシアターもお勧めいたします。


◆ジョーシン日本橋店で聴いてきました。

見た目の印象はすっきりとしたデザインで美しく、質感も上々で、ヤマハらしい仕上がりとなっています。
全帯域にフラットな特性で聴きやすく、楽器やヴォーカルの音に対して、色付けのない素直な音で鳴らしてくれて、ジャンル問わず聴きやすいかと思います。
テレビの大型化が進んでいるため、比較的背の高い大型トールボーイ・スピーカーでも高い駆動力で余裕の再生ができます。

下部にあるディスプレイは最小限の情報に絞られてはいますが、有機ELですっきりと大変美しく表示してくれます。


◆耳(聴覚)と目(視覚)について

耳は目よりも早く細かく気配を感じ、距離や方向まで的確に判断できます。繊細な情報処理能力は目よりも耳の方が優れているといわれています。
しかし、外から入ってくる情報量は目の方が圧倒的に多くて、さらに強力なため、目を使っている時には耳は大幅に疎かになってしまいがちです(※)。
さらに、字幕を読んだり、ストーリー展開などが気になると、細かい音の違いの判断は難しくなくなりますね。

では、マルチチャンネルシアターは必要ないのか? ・・・ いえいえ、決してそうではありません。
映像とリンクしたサウンドの移動感や、重量感を感じさせる重低音など、非日常感を味わえる魅力がマルチチャンネルシアターならでは!となります。
しかし、現実的にリビングにマルチチャンネルを設置できる環境を持っておられる方はごく一部で、かなり恵まれているといえるでしょう。
一般的なご家庭の場合、リビングには2chのシステムが限界とすると、その2chを有効活用してはいかがでしょう!!というご提案です。

※視覚は人間が外からの情報量の約9割を占めるといわれていて、残りの約1割で聴覚、味覚、触覚、臭覚を感じています。ファイルの情報量でみると、ハイレゾサウンドのファイルは約35MB/1分程度ですが、4K映像になると約1GB/1分の大容量となります。(圧縮度が全く違うのと、ファイル形式やフォーマットにより大きく異なります。)

また、視覚比較はその場では差が良く分りますが少し間が空くと判断が難しくなりますが、聴覚は昔の音も覚えられるので新製品を聴くだけでその変化を感じることができるなど、その特性は大きく異なるみたいですね。(個人差が大きくあると思いますが、筆者は数十年前のスピーカーの音も覚えています。)






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