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音場工房

[ 2023年 10月 24日付 ]



アキュフェーズより、進化したSACD/CDプレーヤー「DP-770」新登場!!


ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
今回は、アキュフェーズが「DP-1000/DC-1000」の開発で培ったテクノロジーを惜しみなく投入し、「DP-1000/DC-1000」に迫る性能と音質を実現した、最上級一体型SA-CD/CDプレーヤーの新製品「DP-770」をご紹介いたします。

「DP-770」には「DP-1000」にも搭載した高精度な第4世代《 SA-CD/CDドライブ 》を搭載。
このSACD/CDドライブはディスクの回転音や風切り音を抑え静寂な動作を実現し、ディスクに刻まれた情報を高い精度で読み取ります。

DACにはESSテクノロジー社製高性能DAC「ES9028PRO」を採用し、SACD再生にはDACを8回路並列駆動する『 8MDSD方式D/Aコンバーター 』を、CD再生にも同様にDACを8回路並列駆動する『 8MDS++方式D/Aコンバーター 』を採用。

『 MDSD方式D/Aコンバーター 』は、変換誤差を削減する『 MDS++方式D/Aコンバーター 』に、『 移動平均フィルター 』のノイズ除去性能を融合した独創的なD/Aコンバーターで、原音に極めて忠実な高い純度のアナログ信号へと変換します。

美しい音楽を奏でる楽器のように一台一台丁寧に製造、再生音楽であることを感じさせないほどの進化を果たしています。


◆外部振動を受けにくい重量級設計の強固なシャーシ構造

CDよりデータの記録密度が高く、高速で回転するSACDの読み取り動作では、回転体の振動や外部から伝わる振動の影響を抑える必要があります。
採用されたSA-CD/CDドライブは、アルミニウムを切削加工したボトム・プレート、固定フレーム、メカニカル・ベース、ブリッジなどのパーツで構成され、その総重量は10kgに達します。

このSA-CD/CDドライブを筐体中央の低い位置に組み上げることで、理想的な重量バランスを実現、筐体の安定性を高めています。
また、このドライブの内部に、弾性ダンパーを介してトラバース・メカニズムを搭載することで、ディスク回転用スピンドル・モーターや、外部から伝わる振動の影響を抑え、安定した高い精度のデータ読み取りを可能にしました。

さらに、メカニカル・ベースの平面度をミクロン単位に抑えることで、本ドライブを高い精度で組み上げ、静寂なディスク回転とディスク・トレイのスムーズな開閉を実現しています。


◆『 弾性ダンパー 』によるフローティング構造のトラバース・メカニズム

トラバース・メカニズムはディスク・ローディング機構の内部にあり、ディスクを回転させるモーターやピックアップといった光学系部品が実装されています。外部からトラバース・メカニズムに特定の周波数の振動が伝搬すると、対物レンズ・アクチュエーターが共振し、読み取り精度を悪化させます。

アキュフェーズではトラバース・メカニズムを共振から守る緩衝材の素材や形状を研究、新たに硬度の異なる2種類の『 弾性ダンパー 』を組み合わせてトラバース・メカニズムを支えるフローティング構造を採用することにより、対物レンズ・アクチュエーターの共振を抑えることに成功。

更に、この『 弾性ダンパー 』は外部へ漏れる動作音の削減にも大きな役割を果たします。
ディスクの回転により発生した振動がシャーシに伝搬すると、シャーシが共鳴し動作音を増幅することになります。

『 弾性ダンパー 』は、この振動伝搬を抑え、シャーシ共鳴の大幅な削減にも貢献します。
回転機構の存在を感じさせない静寂性を実現しています。


◆アルミニウム精密切削加工大型ブリッジ

本来ブリッジは、ディスクをターン・テーブルに固定するチャッキング機構を収納するためのパーツです。アキュフェーズではその機能を発展させて、振動や動作音を減少させる役割を持たせています。
本機のブリッジは、押出成形したアルミニウムの切削加工品です。

重さ1.7kg、厚さ最大17.5mmのブリッジをメカニカル・ベースに8個の六角ボルトで固定することで一体化構造を形成、ドライブの剛性を大幅に高め、内部に搭載されたトラバース・メカニズムを振動から守り、動作音を低減しています。

また、高速で回転するディスクの回転音や振動音を外部に漏らさないため、ディスク全体を覆い隠すようにブリッジを大型化。
さらに、新たにブリッジ後方に遮音壁を設け、内部から伝搬する動作音を低減しています。


◆アウター・ローター型ブラシレスDCモーターを採用したスピンドル・モーター

ディスクを回転させるスピンドル・モーターに、アウター・ローター型ブラシレスDCモーターを採用。このモーターは、内側に固定子であるコイルを、外側に回転子である磁石を配置しており、SACD/CDプレーヤーに最適な以下のような特長があります。

・コイルが回転するDCモーターのように、ブラシと整流子の機械的な接触が無いため、低振動で動作音が小さく、低ノイズで耐久性や信頼性が高い。
・回転子が軸の外側にあるため、慣性モーメントが大きく、安定した一定の回転速度が得られる。
・発熱するコイルが固定子であるため、モーターを搭載する基板などに効率的な放熱が可能。


◆面振れを抑える太く短い回転軸を採用

スピンドル・モーターとターン・テーブルを太く短いシャフトで接続し直結の状態に近づけることで、ディスクの面振れを抑え、安定した読み取り動作を実現しています。


◆ディスクの面振れや回転ムラによる振動を抑える強固なメタル・シャーシ

SA-CDやCDは、以下のような要因により、回転時に少なからず面振れや回転ムラを発生しています。

・ディスクの偏芯 :ディスク回転の中心位置と、トラックの中心位置とのずれ
・ディスクの偏重心:ディスク回転の中心位置と、ディスク成型時の厚みのムラや、レーベル印刷によるディスクの重心位置のずれ
・ディスクの反り :ディスク製造時などに発生する反り

この面振れや回転ムラは、ディスクの読み取り動作に悪影響を与え、最悪の場合再生ができなくなってしまいます。
高い剛性を持つメタル・シャーシに基板を介してスピンドル・モーターを固定することで、面振れによる振動を抑え、安定した読み取り動作を実現しています。


◆優美で精巧なディスク・トレイが静寂かつスムーズに移動するディスク・ローディング機構

ディスク・トレイは、押出成形したアルミニウムの切削加工品です。表面には無数の細かな凹凸で落ち着いた雰囲気を醸し出す梨地処理を施し、さらに耐摩耗性に優れた硬質アルマイト処理で表面を保護、ハイクラスSA-CDトランスポートにふさわしい優美で精巧なデザインに仕上げました。

このディスク・トレイを、デュアル・ステー構造の高精度ベアリング・シャフトで導くことにより、静寂かつスムーズに移動するディスク・ローディング機構を完成させました。


◆常に安定した動作を可能にする低重心構造

優れた振動減衰特性を持つアドバンスド・ハイカーボン鋳鉄製インシュレーターに支えられたボトム・プレートに、固定フレームを介してSA-CD/CDドライブを搭載する低重心構造を採用しました。

この低重心構造が、外部からの振動による筐体のふらつきを抑え、常に安定した動作を可能にしています。


◆アルミニウム製ボトム・プレート

ボトム・プレートは、平面度0.2mm以下(1mあたり)のアルミニウム板材を切削加工し、高い寸法精度と剛性を実現した厚さ8mm、重さ3.4kgのボードで構成されています。

このボトム・プレート上にSA-CD/CDドライブを組み上げることによって、正確な読み取り動作やディスク・トレイのスムーズな開閉を実現しています。


◆信号の正確なピックアップに徹したSA-CD/CDトランスポート部

ピックアップで読み取った信号は、RFアンプで増幅され、RFプロセッサーに入ります。
RFプロセッサーでは、SA-CD/CDそれぞれのRF信号よりクロック信号の抽出・同期・復調・エラー訂正処理を行います。

光学ピックアップや各種モーター系の制御には、専用のサーボDSPを搭載したディジタル・サーボにより、SA-CD/CDそれぞれに適した制御を行い、高精度で安定した信号読み取りを可能にしています。

SACD/CDから読み取ったディジタル信号は、FPGAによる信号処理を経て、D/Aコンバーターへと送られます。


◆1レンズ /ツイン・レーザーダイオード高速アクセス・メカニズム

信号読み取り用レーザー・ピックアップには、1つのレンズに発光波長655nm(SACD用)と790nm(CD用)の2種類のレーザー・ダイオードを配置した、1レンズ/ツイン・レーザーダイオードを搭載しました。

SACDとCDで共用してピックアップ全体の小型化を図ることにより、SACD/CDの切り替え時間およびアクセス時間を短くすることができます。さらに、音質を劣化させる原因の一つである、ピックアップ制御用サーボ電流の変動を大幅に抑えることで、高精度な信号読み取りを実現、ディスクの情報を余すところなく引き出します。


◆高周波ノイズを除去するD/Aコンバーター『 MDSD:Multiple Double Speed DSD 』

DSD信号は、ノイズ・シェーピングにより、可聴帯域より高い周波数に押し上げられた量子化ノイズを大量に含んでいます。DSD信号を正確なアナログ信号に変換するためには、この高周波ノイズをローパス・フィルターで除去しなければなりません。

ところが、DSD信号は直接ディジタル・フィルターで処理することができないため、従来のD/AコンバーターICでは、DSD信号を一旦PCM信号に変換し、その後ディジタル・フィルターに入力することで高周波ノイズを除去していました。

一方、アキュフェーズのMDSD方式は、DSD信号をPCM信号に変換することなく、高周波ノイズを除去するローパス・フィルターとしての役割を果たす、画期的な回路方式です。

MDSD方式では、DSD信号をFPGA(プログラム可能な論理ゲート)に入力し、1/2クロックずつタイミングの異なる8種類のDSD信号を生成します。この8種類のDSD信号をそのまま8回路並列動作の『 MDS++方式D/Aコンバーター 』に入力することで、理想的な完全直線位相特性のローパス・フィルターとしての役割を担わせ、可聴帯域より高い周波数のノイズを除去しながら、正確なアナログ信号へと変換します。

つまりMDSD方式は、DSD/PCM変換を経ることなく、高周波ノイズを除去するローパス・フィルターとしての機能と、8回路並列『 MDS++方式D/Aコンバーター 』の変換誤差を打ち消す効果を兼ね備えた、画期的なD/Aコンバーターです。


◆MDSDの優れた性能と高い信頼性を確保する理想的なパーツ・レイアウト

MDSDの優れた性能を効果的に発揮するために、DACとI-V変換回路の距離を可能なかぎり短くすることで、配線パターンでの悪影響を排除しました。
I-V変換回路には、プリアンプ「C-3900」にも採用している低ノイズ・低ひずみ化技術ANCC(AccuphaseNoise and distortion Cancelling Circuit)を搭載しました。

このI-V変換回路を2回路並列駆動させ、8回路並列駆動『 MDS++方式D/Aコンバーター 』の大出力電流を分散処理することで、熱の集中を避け、信頼性や耐久性を確保しています。

また、パワーアンプ「A-300」の設計思想と同様に、前段に位置するI-V変換回路の出力電圧を従来よりも大振幅化し、後段のフィルター・アンプで発生するノイズの影響を相対的に低減することで、ノイズの性能を更に向上させています。

※『 ANCC 』は、アキュフェーズ株式会社の特許です。


◆8回路並列駆動の『 MDS++方式D/Aコンバーター 』

D/Aコンバーターに驚異的な性能・音質を誇る『 MDS++方式D/Aコンバーター 』を搭載。
MDS++方式は、刄ー(デルタ・シグマ)型D/Aコンバーターを複数個並列接続することで、大幅な性能改善を図った画期的なコンバーターです。刄ー型D/Aコンバーターを複数個用意して、同じPCM信号を各コンバーターに入力、その後各コンバーター出力を加算して全体の出力とします。

全体の出力では、信号成分は単純加算されますが、変換誤差には相関が無く、相互に打ち消されるため、単純加算した値よりも小さくなります。従って、信号と変換誤差の比が大きくなり、変換精度やSN比、ダイナミック・レンジ、リニアリティ、高調波ひずみなど、コンバーターにとって非常に重要な特性を一挙に向上(コンバーター数をnとすると√n倍向上)させることができます。

8回路の高性能『 ハイパーストリーム™DAC 』(ES9028PRO:ESSテクノロジー社製)を並列動作させていますので、コンバーター1回路の場合に比較し、ひずみ率、雑音特性、直線性など全体の性能は約2.8(=√8)倍に向上します。

なおDSD信号の場合には、各コンバーターにタイミングをずらして入力することで、高周波ノイズを除去するMDSD方式のD/Aコンバーターとして動作します。


D/Aコンバーターを8回路並列に動作させると、大量の電流が出力されます。この大電流を一度に加算するとI-V変換アンプに熱が集中し、回路の動作が不安定になってしまいます。

そこでDP-770では『 8MDS++方式D/Aコンバーター 』が出力する8並列の電流信号を、最初に2本ずつ電流加算して4並列の電流信号に変換します。
次に、4並列化されたI-V変換アンプで、4並列の電流信号を4並列の電圧信号に変換します。
最後に、4並列の電圧信号を1本の電圧信号へと電圧加算します。

このように本機の『 MDS++方式 』では、I-V変換アンプを挟んで電流加算と電圧加算を巧みに組み合わせることで、大電流加算によるI-V変換アンプへの熱の集中を避け、負荷を軽減し、安定度を高めています。

その結果、諸特性が向上し、高い精度でD/A変換が行われ、より緻密な音楽描写が可能になります。


◆強化された出力回路 新開発『 Dual Direct Balanced Filter 』

D/Aコンバーター出力の高周波領域には必ずイメージ・ノイズが発生するため、アナログ・フィルターで除去する必要があります。
「DP-770」ではアナログ・フィルターには、通過域の周波数特性が極めてフラットな5次のバターワース型LPF(Low Pass Filter)を採用し、音楽信号に影響を与えないようにイメージ・ノイズを除去。

5次のバターワース型LPFはI/V変換回路を兼ねる1次LPFと2種類の2次LPFが直列に接続された構成になっています。
弊社では出力段となる最後の2次LPFに『 Direct Balanced Filter 』回路を採用。

『 Direct Balanced Filter 』回路とは、ライン出力とバランス出力が負荷の影響を受けてお互い干渉しないようにするために、それぞれ独立した出力回路を設けた回路構成のことを言います。バランス出力の−側信号を、+側信号の反転で作り出すのではなく、D/Aコンバーターの差動出力から直接作り出します。

したがって、反転回路が必要なく、極めて構成がシンプルで、ひずみ率やSN比で高い性能を実現できます。また、+側と−側が対称な回路であるため、出力インピーダンスが同じになり、理想的なバランス信号を出力できます。

さらに、ライン出力はバランス出力の+側と同じ回路で構成されるため、バランス出力とライン出力の音質差が少なくなるというメリットもあります。 このように、『 Direct Balanced Filter 』回路は、性能面と音質面において理想的な出力を可能にします。

「DP-770」では『 Direct Balanced Filter 』を2回路並列で動作させる新開発『 Dual Direct Balanced Filter 』回路を搭載。
この回路により、ひずみ率やSN比といった諸特性が改善、より原音に忠実な信号でプリアンプを強力にドライブすることが可能になります。
また、最終段アンプの発熱が軽減され、信頼性がより向上します。


◆モノフォニック構成のアクティブ・フィルター・アンプ・アッセンブリー

5次のバターワース型LPFの出力段である「Dual Direct Balanced Filter」は、性能と音質に特に大きな影響を与える重要な回路です。そこで「Dual Direct Balanced Filter」回路用の電源を回路の直近に配置して、他回路からの干渉を防いでいます。

また、電源電圧を最適化することで、回路の発熱を抑え、構成部品の信頼性を向上させています。5次のバターワース型LPFのうち、後段に位置する2種類の2次LPFを搭載するのが、アクティブ・フィルター・アンプ・アッセンブリーです。
このアッセンブリーの回路構成は、チャンネル・セパレーションに大きな影響を与えます。

「DP-770]ではアクティブ・フィルター・アンプ・アッセンブリーには、左右の回路を別々の基板に搭載したモノフォニック構成を採用し、チャンネル・セパレーションの悪化を防いでいます。

また、電源やGNDパターンについても左右独立構成にすることで、相互干渉を防止しています。


◆性能と信頼性を向上させる『 Dual Direct Balanced Filter 』回路用電源

モノフォニック構成のアクティブ・フィルター・アンプ・アッセンブリー5次のバターワース型LPFの出力段である「Dual Direct Balanced Filter」は、性能と音質に特に大きな影響を与える重要な回路です。

そこで「Dual Direct Balanced Filter」回路用の電源を回路の直近に配置して、他回路からの干渉を防いでいます。
また、電源電圧を最適化することで、回路の発熱を抑え、構成部品の信頼性を向上させています。


◆アクティブ・フィルター・アンプ・アッセンブリーに、低誘電率・低損失の『 ガラス布フッ素樹脂基材 』を採用

アクティブ・フィルター・アンプ・アッセンブリーには、『 ガラス布フッ素樹脂基材 』によるプリント基板を採用しています。
この材料は、非常に低い誘電率と誘電正接をもち、高周波特性に優れ、耐熱性も良いので、主にマイクロ波と呼ばれるSHF帯を使用する衛星放送や高精度計測機器などに使われています。

プリント基板の基材は、特に誘電率が重要です。
誘電率が低いほど信号の伝搬速度は速くなり、誘電正接が小さいほど伝送損失が小さくなります。
「DP-770」では銅箔面に金プレートを施し、さらに信頼性や音質の向上を図っています。


◆ディジタル/アナログ独立構成の低雑音電源

回路のエネルギー源となる電源のクオリティは、音質に大きな影響を与えます。
ケース入りの高効率トランスをディジタル/アナログに分け2個搭載しました。

また、新たに25V/15,000μFの大容量・高音質フィルター用アルミ電解コンデンサーを開発、アナログ回路用に4個搭載することで、負荷変動に強い余裕のある電源を搭載しました。


◆ディジタル回路とアナログ回路の相互干渉を抑え、振動を抑制する堅牢な構造体

ディジタル回路とアナログ回路をアルミニウム製フレームにより分離する内部レイアウトを採用。これにより、性能に悪影響を与えるディジタル回路とアナログ回路の電気的な干渉を抑制しています。

また、これらのフレームとアルミニウム製ボトム・プレートを組み合わせることで堅牢な構造体を構成し、外部からの物理的な振動を抑制しています。


◆『 本木目 』鏡面仕上げのウッド・ケース

厳選した美しい自然木を使い、熟練職人が匠の技で一点ずつ丹精込めて製作した『 本木目 』鏡面仕上げのウッド・ケースに収納。

このウッド・ケースとシャンパン・ゴールド色のフロント・パネルを調和させることで、重厚でありながら優美さを併せ持つ日本の伝統美を表現しています。


・アドバンスド・ハイカーボン鋳鉄製高音質インシュレーター
・SA-CDに加えCDの高品位演奏も可能
・4種類の豊富なディジタル入力端子
・アナログ出力端子を2系統装備
・バランス出力の極性切替スイッチを装備
・サンプリング周波数とビット数表示機能搭載
・アナログ信号の出力レベル調整可能
・ヴォイシング・イコライザーとの接続「HS-LINK」IN/OUT端子搭載
・リモート・コマンダー『 RC-140 』付属
・電源コード『 APL-1 』付属
・オーディオ・ケーブル『 ASL-10B 』付属
・保証期間:5年間


◆担当者より

※アキュフェーズのSACD(CD)プレーヤーの保証期間ですが、今年から3年から5年間に延長されています・・安心ですね・・。


◆日本橋店で試聴してきました。

DACチップは前モデルである「DP-750」と同じ「ES9028PRO」が採用されており、デジタル部分に大きな変化は見られませんが、ドライブメカ周辺の構造や素材、電源構成や配線見直し等、細かなブラッシュアップを随所で実施されている事で、より完成度を高めています。

こう説明すると非常にあっさりとした説明になってしまいますが、サウンドは大きく改善、表現力はあっさりどころか大きく向上しています。
活き活きとした表現に気配がより濃厚になったような密度感、ヴォーカルの表情の機微までも感じられるような緊張感・空気感に驚かされました。

静と動、その狭間も見事に表現しこの効果は今回ドライブメカ周辺に施した細やかな改良の効果が大きいと推測します。

前モデルである「DP-750」の表現力の素晴らしさを再確認しつつも、「DP-770」ではさらに熟達した表現に至っており、「SACD/CDにはまだ皆が聴いたことが無い音が込められている」と再認識させられます。

アナログ回帰、ネットワークオーディオの進歩によりデジタルディスク市場は縮小しつつある中、アキュフェーズだからこそできる細やかな追及の結果生まれた至極のSACD/CDプレーヤーの登場です。


今までのプレーヤーは電源のインレットが出力端子のすぐ下に配置されていましたが「DP-770」では電源回路からのノイズの影響防止の為、センター位置にレイアウトが変更されています。音質改善に関するあらゆる可能性を追求した結果の変更となります。


◆ESS社製「ES9028PRO」の採用について

新製品の「DP-770」も前モデル「DP-750」と同じD/AコンバーターESS社の「ES9028PRO」が採用されています。
「ES9038PRO」を期待されていた方もいらっしゃると思いますが、当然「ES9028PRO」の採用には理由があります。

「ES9038PRO」と「ES9028PRO」は内部のDACには全く同じ性能の回路が搭載されています、では何が違うのかと言うと、「ES9038PRO」はチャンネルあたり4つのDACを内蔵しており、合計32個のDACを内蔵しています。

「ES9028PRO」はチャンネルあたり1つのDACだけ使われており、合計8個のDACを使用しています。
「ES9038PRO」を活かすにはその大出力に対応したI/V変換回路が必要となります。アキュフェーズではオリジナルの最高レベルのI/V変換回路が搭載されており、セパレートDAコンバーター「DC-1000」には大規模のI/V変換回路がフル装備されていますが、一体型SACD/CDの「DP-770」にはスペース的に難しくなっています。

また、その発熱量も大きくなり、耐久性や、サウンドの完成度を考慮してあえて「ES9028PRO」が採用されています。
Hyper StreamUTMModulator搭載のESS社製「ES9028PRO」にアキュフェーズ独自のANCCを組合せることで「DC-1000」に迫る超高性能化を実現しています。

巷には「ES9038PRO」を無理矢理搭載したモデルも散見出来ますが「ES9038PRO」の性能を余すこと無く使い切っているとは言いがたい製品も発売されています。
アキュフェーズでは高スペックパーツありきでの採用は一切無く、あくまで高度な試聴レベル、安定度、完成度の高さでのパーツ選択が優先されます。
性能をフルに出し切った「ES9028PRO」の方が最終的なサウンドが優れていたため採用が決定されています。





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