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音場工房

[ 2024年 3月 5日付 ]



アキュフェーズより、純A級インテグレーテッド・アンプ『 E-700 』新発売!!


皆さま、こんにちわ!
ハイエンド担当の"ichinose"です。
インテグレーテッド・アンプの最高峰と賞賛されていた「E-650」ですが、6年の開発期間を経て、ついにモデルチェンジされます。

今回ご紹介する「E-700」はアキュフェーズの創業50周年を記念して開発された「E-800」や、最新モデル「E-4000」で開発された技術を踏襲。音楽性、信頼性、機能性といったオーディオに必要な要素の理想型を追求し、「E-650」の後継モデルとして登場します。


◆『 Balanced AAVA 』(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)搭載

ボリューム・コントロール回路にはハイエンドモデルのみに搭載されている『 Balanced AAVA 』回路を搭載! パワーアンプ部にもバランス回路『 インスツルメンテーション・アンプ 』を採用し、ノイズの影響を抑えながら理想的な電力増幅を実現。プリアンプ部にもパワーアンプ部にもバランス回路を採用することで、入力から出力まで完全フル・バランス伝送となっております。

AAVAは可変抵抗体を音楽信号が通らないため、音量によりインピーダンスの変化による影響を受けることがなく、高いSN比と低いひずみ率を維持したまま音量を変えることができます。特に通常のリスニングで多用されると思われる小音量時の音質に有利な優れた回路となります。可変抵抗体の接触面の劣化に影響されないため、初期性能を長期にわたって維持できる高い信頼性と耐久性を兼ね備えています。

Balanced AAVAは、外来ノイズの影響を受けにくいバランス回路をAAVAに採用することで、さらに高い低ノイズ性能を実現しています。

入力部で信号を大振幅化し、出力部で信号と同時に雑音を圧縮する手法を採用。『 Balanced AAVA 』の入力アンプは、非常に高速でローノイズかつ優れた高出力電圧特性を兼ね備えた、カレント・フィードバック増幅回路を採用、インスツルメンテーション方式に発展させて搭載し、多数の『 V-I変換回路 』を強力にドライブしています。

また、入力アンプで信号を大振幅化して伝送、後段で信号と共に雑音を圧縮することで低雑音化を実現! 高ゲイン化の為、電源電圧の自由度が高いディスクリートアンプを採用しています。

AAVAは、16種類の『 V-I変換回路 』を電流スイッチと組み合わせることで音量を調整します。このとき可能な組み合わせは2の16乗、つまり65,536通りあり、その中から最適な音量の組み合わせ選択、高い分解能での音量調整が可能です。

低雑音化技術には入力部に、カレント・フィードバック増幅回路を搭載し、高い分解能な音量調整を実現しています。定格出力時のS/N比は「E650」102dBに対して「E-700」では103dBに改善されています。

※担当者より補足※
数値的にはたった1dBの改善ですが、実際の聴感上では、その他の様々な要因の効果もあり、一聴して分かるほどの静寂さを実現しています!!


◆ 動作音にも配慮した、高精度・高剛性の『 ボリューム・センサー機構 』搭載

「E-800」やセパレートプリアンプに搭載されている高精度・高剛性ボリュームを搭載。
(E-800, C-2900, E-5000, C-2300 と同等品)

AAVAでは、ボリューム・ノブの位置に応じて電流スイッチのON/OFFを切り替え、音量を調整します。この時、ボリュームの位置を検出するのが『 ボリューム・センサー機構 』。

アキュフェーズではこのボリューム・センサー機構を自社開発、アルミニウム・ブロックを超精密加工で削り出した硬く重い素材を用いることで、ノブ回転時の滑らかな動作、重厚な操作感、正確な位置検出を実現しています。

リモート・コマンダーでの音量調整時には、内蔵されたモーターが歯車を介してノブを回転させます。歯車は、互いにかみ合う際に動作音を発生させやすい部品ですが、このボリューム・センサー機構では、歯車が常に一定の圧力でかみ合うように改良を施してあり、静かで快適な音量調整が可能です。

※担当者より補足※
操作フィーリングはいかにも精度の高さを実感できるもので、剛性が高く、正確で、なめらかで、かつ重量感あふれるフィーリングを達成しており、本当に高級で良い製品を所有できたと実感する事が出来ます!!


◆ AAVAのT-V変換アンプに『 ANCC 』(Accuphase Noise and distortion Cancelling Circuit) を採用

『 ANCC 』は信号の増幅を行う主アンプに、ノイズとひずみを打ち消す効果のある副アンプを加えた回路です。このANCCをAAVAのT-V変換アンプに搭載することで、特にボリュームを絞った状態から一般的なボリューム位置での低ノイズ性能が大幅に向上し、実力値での雑音が「E-650」に比べて、なんと約10%低減しています。副アンプには低雑音アンプ(ノイズ密度:1.5nV/√Hz)を採用し、ANCCの効果をより高めています。

※担当者より補足※
特にピアニシモの表現力が優れていて、いつもの音量で再生していても高いダイナミックレンジを感じることができます!!


◆ パワーMOSFET、4パラレル・プッシュプルA級動作が実現する8Ω/35W、4Ω/70W、2Ω/140Wのリニア・パワー

スピーカーのポテンシャルを100%引き出すため、パワーアンプ部は激しく変動するスピーカーのインピーダンスによる影響を受けることなく、スピーカーを定電圧駆動することが大切です。スピーカーを定電圧駆動するためには、パワーアンプ部はインピーダンスに反比例する電流をスピーカーに供給しなければなりません。

例えば、4Ω負荷では8Ω負荷の2倍の電流になります。
「E-700」ではパワーMOSFETの数を増やして電流供給能力を上げ、出力インピーダンスを下げることで、動的な定電圧駆動を実現。低出力インピーダンス化はリアクタンス成分を含んだ負荷の駆動にも優れ、スピーカーのヴォイスコイルで発生する逆起電力を吸収し、IMひずみの発生を防ぎます。

電力増幅段には、高周波特性に優れ、許容損失電力約150W、コレクタ電流約20Aの大電力パワーMOSFETを採用。この素子を4パラレル接続プッシュプルA級動作させることにより、非常に低い出力インピーダンスを実現しています。

さらに1ペア当たりのパワーの負担が1/4に軽減されるため、大電力領域での動作が安定し、諸特性が向上します。大型ヒートシンクに出力素子を分散させながら配置することで、効率の高い放熱を行っています。

これらの技術により、負荷インピーダンスが半減するにつれて出力が2倍になるリニアな特性(35W/8Ω、70W/4Ω、140W/2Ω)、定電圧駆動を実現。また、1Ωの超低インピーダンスにおいては出力160W(音楽信号)を達成し、余裕のあるスピーカー駆動を実現しています。

※担当者より補足※
「E-650」は3パラレル・プッシュプルで、A級動作:8Ω/30W(4Ω/60W、2Ω/120W)でしたので約16%の出力アップを達成しています。 出力インピーダンスも低く抑えられており、よりスピーカーを安定してドライブできます。


◆ 大型高効率トロイダル・トランスと大容量フィルター・コンデンサーによる強力電源部

大電力容量の高効率トロイダル・トランスを採用。トロイダル・トランスは、変換効率が極めて高いため小型化が可能で、オーディオ用大出力パワーアンプには不可欠な部品の一つです。

フィルター用アルミ電解コンデンサーには、56,000μFの大容量・高音質タイプを2基搭載。小信号を扱うプリアンプ部には専用電源回路を用いて、電源部を介したパワー部との干渉を防止。同時に内部の構造・配置的にも、プリ部とパワー部の搭載位置を分離、相互干渉のない良質な音質の維持を達成しています。

※コンデンサー容量は「E-650」が50,000μFx2基、「E-800」が60,000μFx2基となっており、かなり「E-800」に迫る大容量が搭載されています!!


◆ ダンピング・ファクターの向上

ダンピング・ファクター(DF)とは、パワーアンプの出力インピーダンス(Z)とスピーカーのインピーダンス(R)の比(DF=R/Z)のことであり、数値が大きいほどアンプがスピーカーをコントロールする能力が高いことを意味します。つまり、DFが高いほど短い時間でスピーカーからの逆起電力を吸収して不要な振動を抑え、理想的なスピーカー駆動を実現します。

『 バランスド・リモート・センシング 』や『 半導体スイッチ 』アンプ回路やNFB経路等の最適化によって、アンプの出力インピーダンスを小さくすることで「E-650」と比べ25%向上!!

ダンピング・ファクター(DF)は「E-800」と同等の1000を実現しています。最高級グレードの素材や回路設計技術を駆使した賜で、熟練の技術により徹底的に低インピーダンス化することで達成しています。

長年ハイエンドオーディオ機器を開発してきたアキュフェーズならではの世界に誇るアンプ技術といえます!!

※担当者より補足※
ダンピングファクター「E-650」「E-4000」/ 800、「E-800」「E-5000」/ 1000との発表ですが、これはあくまで保証値であり、実際の実力はより高く設定されているそうです。さすがアキュフェーズと関心してしまいますね。


◆ その他にもアキュフェーズならではのアンプ設計のノウハウが満載です!!

◇ ひずみ率やSN比などの性能を大幅に向上させる『 MCS+回路 』
◇ プリアンプ部とパワーアンプ部を単独で使用可能
◇ パワーアンプ部に高域の位相特性に優れた『 カレント・フィードバック増幅回路 』
◇ バランスド・リモート・センシング
◇ プロテクション回路に接点のない『 MOSFETスイッチ 』を採用
◇ 直流抵抗の低い『 エッジワイズ・コイル 』
◇ プロテクション基板とスピーカー端子をダイレクトに結合
◇ スピーカー出力保護回路搭載
◇ 2系統のスピーカー端子を装備、『 Yラグ 』や『 バナナ・プラグ 』が接続可能
◇ 豊富な入力端子と外来誘導雑音を受けにくいバランス接続
◇ ロジック・リレー・コントロール信号切替方式
◇ 入力端子毎に位相の設定が可能
◇ 音質重視の加算型アクティブ・フィルター方式トーン・コントロール
◇ 聴感上の低音不足を補う『 コンペンセーター 』
◇ 高感度バーグラフ・メーター
◇ 音質を重視したヘッドフォーン専用アンプ


◆ 上位機種のイメージを踏襲した意匠

・レーザー刻印による機種名表示
・セレクタ、ボリューム周りのリング(台座)を金メッキ化
・メーターデザインは内容をより読み取りやすく改良



◆ 各種オプションボードに対応

・デジタル入力ボード DAC-60、アナログディスク入力ボード AD-60 をはじめ各種のオプションボードを装着可能。
・DAC-60 使用時 DSD 2.8/5.6/11.2MHz、PCM 384kHz 受信時の正確な周波数表示に対応。(MHz/kHz切替)
・AD-60 使用時フロントパネルからサブソニックフィルター切替、MC 入力、インピーダンス切替が可能。(C-2300からの新機能)
・設定結果をディスプレイに表示。(MM/MC 切替は従来通り可能)


◆ 担当者より

ついに名機「E-650」が・・・6年と5か月ぶりのモデルチェンジを果たしました〜!!
「E-650」が2017年に発売された後、2019年ににはアキュフェーズ50周年記念モデルとなる「E-800」が発売されて、その後もAB級モデルの「E-280」「E-5000」「E-4000」が相次いでモデルチェンジを実施し、この度ついに待望の純A級の「E-700」が発売されます!!

プリメインアンプ最高峰の本命といえるモデルで、長らくお待ちいただいていた方も多かったのではないでしょうか・・・!!

筐体の大きさは「E-650」や「E-600」「E-560」と同じ、幅465mmx高さ191mmx奥行428mmなので、同じスペースでグレードアップが可能です。デザインも継承されていてアキュフェーズの基本理念の『 市場のファッション的傾向には迎合せず、オーディオの本質を追究!! 』が守られています。もちろん細部ではより高級感が増していて、上級モデルのイメージが踏襲されています。

50周年モデルの「E-800」はもちろん素晴らしいクオリティーでしたが、高さが239mmと高く、使用しているラックに入らないとのご意見もありましたが、「E-700」は音質的には「E-800」に完全肉薄していながら「E-650」と同じ筐体に収めることに成功しています。


◆ 日本橋店で試聴してきました。

最終モデルが完成したので、大阪日本橋店にお持ちいただいて試聴してきました。「E-650」も接続されていたので比較試聴をしてみました。

まずは「E-650」を試聴『 聞き慣れたアキュフェーズの純A級サウンドで繊細さとエネルギー感を見事に両立した素晴らしいサウンドです。 』

お待ちかねの「E-700」を試聴『 同じソースを再生してみると・・まず最初の音の瞬間が静かで驚きました。一つ一つの音の立ち上がりや消え入るさまが美しく、音楽により躍動感が感じられます!! 』

サウンド的にはアキュフェーズ・純A級・サウンドが継承されているのは間違いありませんが、透明感あふれる音場で、響きが豊かなサウンドで、演奏の生々しさやリアル感の表現力の大幅な向上を感じました。

静けさとパワー感という相反する特性を見事に両立した見事なグレードアップを実現しています。スペック以上に、聴感上のS/N感の改善が見事に達成されており、ワンランク上の製品に仕上がっていると言えます。






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