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音場工房

[ 2024年 3月 12日付 ]



ELACより、究極のコンパクトスピーカー『 BS-312.2 』発売中!!


皆さま、こんにちわ!
ハイエンド担当の"ichinose"です。

今回は、小さなボディからは信じられない帯域の広さを感じさせるスピーカーとして有名な『 ELAC BS-312シリーズ 』より、最新モデル『 BS-312.2 』が発売されましたので、ご紹介いたします。「BS-312」の発売から11年の歳月が経過してしまいましたが、新しいツィーター「JET 6」を搭載した、待望の新製品の登場です!!


1998年に発表された当初から変わらず採用されている、もはや伝統ともいえる 6.5mm厚のアルミ押し出し材を用いたキャビネットは『 BS-312.2 』にも継承されています。


◆ ELAC(Electro Acoustic)という会社

ELAC(Electro Acousticの略称)社は、1926年にドイツで創業したオーディオメーカー。
創業当初は潜水艦のソナーなどを製造、オーディオメーカーとしては1945年からで、当初はレコードプレイヤーやカートリッジを製造、1957年にステレオ・フォノ・カートリッジを開発。

MMカートリッジの特許を取得した事で有名なブランドです。
特に日本ではMM型カートリッジのSTSシリーズ、ESGシリーズが人気が高く、使っていた方も多かったのではないでしょうか。懐かしいですね!

その後、1980年代にCDが登場したあたりから本格的にスピーカーの開発を始め、現在では世界でも有数の高級スピーカーメーカーへと成長しています。ちなみに、1960年代にはなんとソニーが代理店を務めていたんです。90年前後にはエクトリ、現在はユキムが輸入総代理店となっています。

スピーカーメーカーとして認知されたのは1990年で、4PIリボン・ツィーター、そしてハイルドライバーというユニークなアイディアを開発、独自で改良を重ね、高性能オリジナル・ユニットに昇華させることに成功ました。

日本に初めてJETツィーターを搭載して大きな話題となった「CL310JET」が入ってきた1997年、センセーショナルなデビューを飾ったスピーカーの影で、一世を風靡していたフォノ・カートリッジが終焉を迎えました。


◆ 革命的な小型スピーカー「CL-310JET」から最新モデル『 BS-312.2 』までの27年間の歴史

300シリーズの歴史は1993年に発表されてから、今年で約30年が経過、製品としては1997年に「CL-310JET」が発売されてから限定モデルを含めて多数の名機を発売しています。ではその300シリーズの歴史をご紹介いたしましょう。


▼ CL-310JET(1997年) ▼

シリーズ原点の製品。世界中のアワードを総なめにした革命的な小型スピーカー。サイズからは信じられないワイドレンジで、ハイスピードにそして微塵の歪みも感じさせることなく音楽をプレイバック。
コンパクトな高性能システムとしてはもちろん、ハイエンド機器を接続して、究極のハイスピードシステムを追求する方も多くおられました。


▼ 310 AUDIO EDITION(1999年) ▼

ツィーターのネットワークにMKTフォイル抵抗、ウーファーセクションにはHQオーディオ・フェライト・インダクターといった高品位パーツを投入。オリジナルのネットワークをグレードアップ、内部配線材には2×2.5mm銀コート材を採用した限定モデル。310初めての特別仕様モデルとして話題となりました。


▼ 310-JUBILEE(2003年) ▼

小型スピーカーの革命的モデルとしてヒットを続けていた「CL310JET」に限定モデルとしてリリースされた名機。世界で250台、日本にはたった70ペアしか輸入されなかった希少価値の高いモデル。新開発ウーファーにはフェライトマグネットをダブル仕様、さらにネオジウムマグネットをビルトインした強力ハイブリッド磁気回路が採用されたプレミアムモデルでした。


▼ CL-310.2JET(2003年) ▼

ELACの名を世界に知らしめた「CL310JET」が6年ぶりにモデルチェンジ。ダブルマグネットとし、コイルボビンにカプトンを採用した新開発ウーファー。そして欠点は生産性の低さだけと言い切る稀代の高性能ツィーター「JETIII」とのジョイントは、世界最高のマイクロ・ スピーカーとしての地位を揺るぎないものとしました。


▼ ELAC 310 ULTIMATE EDITION(2005年) ▼

ついに「ULTIMATE(究極)」を冠した310が登場。究極の名前を与える為に、エラックでは一切の制限を排除して開発!! すべてにおいてモデルチェンジといっても過言でない程の変更が与えられて、限定100ペアで登場。このモデルはとにかく人気があり、あっと言う間に完売となり、今なおマニア垂涎のアイテムとなっています。このモデルは私も購入して大切に使っておりました。


▼ 310CE/TS,310CE/HB (2009年) ▼

新開発のAS-XR クリスタルライン115mmドライバー搭載。強度を一気に10倍に高めた美しいドライバーにより、定評を確立したJET3ツィーターとの繋がりは、より完璧なものとなり、風のように軽やかで、どこまでも澄み切った美しい音質と高い評価を獲得。周波数特性を50KHzまで拡大したJET3ドライバー。進化を続けてきた310シリーズが一気にランクアップした記念すべきモデル。


▼ 310IB (2010年) ▼

115mmパルプ/ブラックアルミ・ハイブリッドAS-XRウーファーと、JETVツィーターの完成度を高めたモデル。ネットワークは、310CEの回路を元に新設計、ハイパワー・エアーコイル(空芯巻)を採用。MOX ResistorやPP-Aコンデンサーの搭載、内部配線にChord社のRumor2を採用するなど、こだわりを詰め込んだ設計。細部に渡りチューニングが施されて高い完成度を誇る究極のモデルとなっていました。


▼ BS-312 (2013年) ▼

ツィーターに「JET-5」を積み、「AS-XRコーン」を継承したウーファーユニットも「BS-312」のために新開発するなど全面的なリニューアルを果たした製品。「JET-5」は振動板面積の拡大、耐入力性能の向上など本質的な進化を遂げており、ツィーターが新たに獲得した高い性能に合わせて、総合的なクオリティアップを達成。

このサイズからは信じられない帯域の広さを感じさせるのがこのシリーズ共通の美点で、現代レベルでそれを達成していると断言できるもの。細かく聞くと、低音のクリアさが増しているとともに、中高域は明らかに従来モデルより鮮鋭感が向上。

ただし全体の音色が決して固くはならない点もシリーズの美点で、最初のコンセプトモデルから20年以上を経過していても全くブレることなく、サウンドと基本設計デザインが継承されていること、更に確実に進化を続けていることに、ELAC社の信念と素晴らしい情熱を感じさせてくれる製品です。


◆ それでは新型ツィーター「JET 6」を搭載して新登場した『 BS-312.2 』をご紹介いたします!

ハイスピード&ハイレスポンスで人気のJETツィーターは新開発された「JET 6」を搭載。ウーファーの大きさは従来モデルと同じ115mmですがユニット磁気回路の強化とボイスコイル口径を拡大!!

「JET 6」ユニットとの繋がりも滑らかで、元々高いポテンシャルが更にレベルアップした印象!! 筐体の寸法は奥行きのあるレイアウトですが、バッフルのサイズを考えると破格の表現力を持つコンパクト・スピーカーと言えます。


◆ 「JET 6」はバタフライ・エフェクトが生み出した奇跡の進化

25年以上小型高性能スピーカーの代名詞として君臨してきたELACの300シリーズ。
2013年に完成したユニット「JET5」の決定的なパフォーマンスは、その後誕生する多くのAir Motion Transformer(リボンツイーター・AMT)採用のスピーカーに影響を与えました。

「JET5」を搭載し完成形と言われた「BS−312」はその完成度の高さ故、ELACのR&Dが手を入れないアンタッチャブルな存在であり続けてきましたが、AMTの優位性を実証したオリジネーターが見据えていたのは「JET5」の次世代バージョン「JET 6」でした。

10年の歳月の中 地道な研究を続け遂に完成した「JET 6」

それは気の遠くなるようなカット&トライから生み出された特性と音に向き合った進化でもあります。
「バタフライ・エフェクト=わずかな変化がその後の状態を大きく変えてしまうこと」
『 BS-312.2 』は、バタフライ・エフェクトが起こした奇跡の進化を聴かせてくれます。


◆ AMTを独創的な発想で進化させた『 JET 6 』

25mmドームの10倍の面積を持つJETツィーターは、優れた周波数特性と高いパワーハンドリング、そして圧倒的な低歪みを誇るELACのアイデンティティです。
ひとつひとつハンドメイドで製作されるため製造効率が悪い点がネックですが、手間と労力と引き換えに手に入れたクオリティは、その絶え間ない進化も相まって他の追随を許しません。

「JET 6」は10年のロングランを記録した「JET5」からいくつかの変更が施されています。
それはカプトン素材にプリントされた導電アルミニウム・パターンの厚みに変化を持たせ振動板の質量分布に変化を与えたことと、フォイル・レイアウト(振動板の畳み幅)を従来の2パターンから数種類の複雑な組み合わせに変更したことです。

それらは共振の低減とTHDの改善(2kHzと12kHz付近に顕著)。
そして周波数特性のリニアリティ向上(30kHz以上に顕著)に寄与しています。

10年もの歳月をかけて研究を重ねた結果は、ストレスなく最高域に向け吹き上がる音に集約されています。ミクロの領域の進化が大きな効果を生む まさにバタフライ・エフェクトを実証したのが「JET 6」なのです。


◆ 強化された『 115mm AS XR Coneウーファー 』

クルトミューラーから供給を受けるペーパー・コーンとアルミニウム・コーンを重ねた振動板は軽量で内部損失に優れ、クリスタル・ラインと呼ばれる振動版にある幾何学模様のパターン加工により、コーン振動板の強度を10倍アップさせています。

今回115mm AS-XR(アルミ・サンドウィッチ・クリスタルライン)ウーファーは「JET 6」に対応するハイスピード・レスポンスを得るために磁気回路の強化が図られました。同時にロング・ストロークを支えるボイスコイル・ボビンは、耐熱性能のアップのためにその口径が拡大されています。


◆ 『 JET 6 』で高調波歪の低減とリニアリティの向上を実現

『 BS-312.2 』という型名から前作「BS312」の改良モデルかと思われるかもしれませんが、実際はキャビネット以外をほぼ一新する大規模な改良が施されています。 高域ユニット「JET 6」の進化に対応されるため、ウーファーもネットワークも追従する形でファインチューニングが施されています。


◆ 「BS312」でシングルワイヤリングに変更していた入力端子を今回は再びバイワイヤリング仕様に戻されています。


◆ グリルネットは別売りとなりました。

※パンチングメタル製。
「METALMESH-GRILLE」

※ファブリック製ネット
「FABRICGRILLE312BK」
アルミニウム・フレームとファブリックの組み合わせの落ち着いた高級感のあるグリルネット。
装着はマグネット・タイプ。

過去に販売された310、312全てのモデルに対応しています。


◆ 専用スタンドとトッププレートが用意されています。

※専用スタンド「LS-60」
トッププレートは別売となっています。

※スチール製のトッププレート。「TOPPLATE-BS312.2」

※アルミとラバー製のトッププレート「BASE-BS312.2」
アルミニウムとラバー素材で製作された「BS312」用ベース エンクロージュアの振動を効率よく吸収します。家具や棚の上などに設置する際のスピーカー・ベースとしても使用可能。

どちらも「LS60」スピーカー・スタンドのトップ・プレートとして使用する場合はスピーカー本体とネジで固定可能。過去に販売された310、312全てのモデルに対応しています。


◆ 担当者より

筆者もELAC310は「310 ULTIMATE EDITION(2005年)」を長年愛用しておりました。大変コンパクトなスピーカーですが使いこなしは大型スピーカーと何ら変わりません。

サイズからはデスクトップで使えるかと思う方もいらっしゃると思いますが、基本的にスタンドに乗せて周りにたっぷりと空間を作ったセッティングが理想的なスピーカーです・・・と言うよりもそのようなセッティングをしてあげないともったいないスピーカーと思います。

接続する機器もこのスピーカーに適応できる製品を揃えたくなる製品で、かなりマニアックな製品といえます。プリメインアンプでも鳴らす事は出来ますが、性能をフルに発揮させようと思うとセパレートアンプが欲しくなる魔力を備えています!?

実際に「ゴールドムンド」や「ジェフローランド」などのハイエンドアンプと組み合わせているお客様も多くいらっしゃいます。組み合わせる機器によりその評価は大きく変わりますが、接続するシステムの性能が総合的に高いほど、比例して実力を発揮してくれるスピーカーです。

「JET 6」はELACの上位モデルにも搭載される高品質ユニットでWウーファー搭載の大型モデルにも対応できる実力を誇ります。歴代のJETドライバーと比べて、着実にかつ確実な進化を遂げている優れたユニットと言えます。

115mmのウーファーもツィーター「JET 6」に対応するためにチューニングが施されており、よりハイスピード・レスポンスを実現しています。口径は小さいですが超ロング・ストロークとハイスピード対応により遙かに大きな口径と同等のスケール感を感じさせてくれます。

コンパクト・スピーカーならではの音場再現能力と、強力なユニットの組み合わせにより、透明感あふれる広大な音場に、実在感のある音像が再現されます。高域の伸びやかさ、クリア感に加えて音場の広がりが飛躍的に向上、空間表現力の高さに驚かされました。

ピアニシモの響きの美しさから、余裕のあるスケール感の表現!! 幅広いジャンルや編成に対応出来るスピーカーとしておすすめいたします。





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