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[ 2016年 10月 18日付 ]

ラックスマンから往年の銘機を想起させる!真空管プリメインアンプ「LX-380」、CDプレーヤー「D-380」登場!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、ラックスマンから往年の銘機を想起させる標準サイズの木箱シリーズ!真空管プリメインアンプ「LX-380」と、CDプレーヤー「D-380」をご紹介します。

音質面でもデザイン面でもベストな組み合わせであり、真空管アンプ・CDを持つことの喜び、そして満足感を感じられるでしょう。


ラックスマンのノウハウと最新のテクノロジーを融合した『LX-380』と『D-380』

それはまだ“ラックス”と言われていた時代。今還暦を超えていらっしゃるベテランのオーディオマニアなら、恐らく一度は憧れた製品型番が「SQ-38シリーズ」でしょう。
※参照:http://blog.joshinweb.jp/hiend/2013/07/23/

1963年、銘機としてその後一世を風靡する「SQ-38シリーズ」の最初期モデル「SQ-38」を発売。「SQ-38D(1964)」、「SQ-38Ds(1965)」、「SQ-38F(1968)」と続き、その「SQ38F」で名真空管50CA10を搭載、スピーカー タンノイVLZとのセットが黄金の組みわせと称されました。その後「SQ-38FD(1970)」、「SQ-38FD/II(1974)」とヒット作が続きました。

かく言う私も「SQ-38FD/II」のデザインに大いに憧れ、さらに上を狙って、ほぼ同デザインの真空管プリアンプ「CL-35II(1972)」と、真空管パワーアンプ「MQ-60」を手に入れたのでした。

これらは今も自宅試聴室に静態保存しています。そして今だにまったく飽きの来ないデザインでもあります。

今回登場した『LX-380』と『D-380』は、ラックスマンが過去から蓄積してきたノウハウと最新のテクノロジーを融合し、伝統的な木箱入りのデザインを採用した最新モデルです。

人気モデルであった前作「LX-32u(真空管プリメインアンプ)」と、「D-38u(ハイブリッド式CDプレーヤー)」が、モデルチェンジして登場しました。

前作の若干小振りな横幅40cmに対して、標準的な44cmと、往年の銘機(47.6cm)に近い寸法比となり、さらに魅力的なデザインとなったのです。

私自身、『LX-380』と『D-380』のサウンドは、東京インターナショナルオーディオショウのラックスマン・ブースで一応確認はしておりますが、広い部屋でのリスニングのため、細かなチェックが出来ていないことをまずはお断りしておきます。

ただ、すでに自宅で試聴済みの評論家諸氏の評価はすこぶる高く、《オーディオ銘機賞2017》では銀賞に選ばれています。

真空管プリメインアンプ『LX-380』の魅力とは?

『LX-380』は前述の「SQ-38」から数えて12代目となる最新の“38”です。外観は往年の製品をイメージさせるノブやスイッチ類が多用されており、これに16mmのMDFにナチュラルな突き板仕上げを施した、ロ(ろ)の字型の木箱ケースとくれば、もうラックスファンにはたまらないと思います。その存在感、懐かしさは所有欲を大いにそそられるはずです。


東京インターナショナルオーディオショウのラックスマン・ブース


回路的には、往年の“38”とは違い、プリアンプ部/フォノアンプ部を半導体、パワーアンプ部には真空管6L6GCを使いプッシュプル構成としたハイブリッド・プリメインアンプとなっています。

プリ&フォノアンプや制御回路には同社のプリメインアンプで実績のある高音質・半導体回路とすることで、オーディオ的性能と長期の安定性を確保し、専用のフォノアンプを買い足すことなく、最新技術によるアナログレコード再生が可能になったのです。

レコードの反り対策として往年の“38”にあったサブソニック・フィルターやモノラルレコード再生時に有効なモノラル・スイッチまで復活装備しています。

さらに、ラックスマンのオリジナル技術である88ステップにも及ぶスムーズなボリューム操作と高音質を実現した、電子制御音量調節アッテネーター“LECUA”を真空管アンプとしては初めて採用しています。この“LECUA”でこそ、過去の“38”では絶対に不可能であった、小音量再生時の繊細な音楽表現力が得られたのです。

パワーアンプの真空管回路には実績のあるムラード型のドライバー段と、繊細で柔らかな音色で定評のある出力管の6L6GCをプッシュプル構成で搭載しています。これは大出力を狙ったものではなく、真空管らしい艶やかさと厚みのある音質を目指したものと言います。

CDプレーヤー『D-380』の魅力とは?

プリメインアンプ同様のロの字型の木箱ケースを採用し、高音質CDソフトから情報量を可能な限り引く出すべく、最新のデジタル回路と前作のD-38uで好評であった、半導体と真空管が切替可能なアナログ回路を搭載したCD専用プレーヤーです。

半導体出力と真空管出力の切り替えが可能な所は前作同様ですが、本機では前作の機能をさらに進化させ、真空管出力では、ECC82によるバッファー回路に専用の大型出力トランスを搭載することで、適度な倍音成分を付加し、より密度の高い濃厚な表現力を獲得できたと言います。もちろん通常の半導体出力の生々しいサウンドとの違いが楽しめます。

デジタル回路は、TI(テキサス・インスツルメンツ)社の32bit対応のDACチップ“PCM5104A”を採用。DACに内蔵されたデジタル・フィルターによって2種類の音色を切り替えての再生も可能です。クロックの揺らぎを軽減する専用のジッターリダクションICを新たに搭載し、高音質化を図っています。

ドライブメカやシャーシ構造も前作から一新しており、メカの安定した信号読み取りをサポートする8mm厚の無垢のアルミベースと、アースループの発生しないループレス構造のシールド付きボックスシャーシを採用し、最新のデジタルプレーヤーとしての基本性能を大幅に向上させているとのことです。

音質は?

『LX-380』は、これ見よがしに真空管サウンドを狙ったものではなく、同社の人気純A級アンプに通じる音楽性豊かなものです。前段にトランジスターが使われているお陰で、非常にS/Nが良く、透明度の高い、真空管アンプとしては画期的なサウンドです。

しかし決して分析的なそれではなく、そこは真空管アンプの真骨頂である、音楽を楽しく聴かせる能力は抜群です。いわゆるオーディオ業界で言う“売れ線”アンプの条件をすべて満たしていると見ました。

『D-380』の魅力は、やはり真空管出力でしょう。前作の真空管出力はカソード出力であったため、半導体出力との音質差が微妙なものでしたが、今回は出力トランスを通した出力としているため、非常に中域の充実した伸びやかな音楽性豊かなサウンドとなっています。まじめでデジタルらしい半導体出力に対して、その差が明確になっています。

やはり、音質面でもデザイン面でも『LX-380』と『D-380』の組み合わせがベストマッチングです。「LX-380」「D-380」は、真空管アンプ・CDのもつ音楽性、有機的なサウンドを、そして真空管アンプ・CDを持つことの喜び、満足感を与えてくれるでしょう。

ラックスマンの往年の銘機を想起させる『LX-380』と『D-380』ではありますが、いずれも単なる懐古趣味で終わらせない、新時代の真空管アンプとCDプレーヤーです。貴方のお好みの音楽を、ぜひ真空管サウンドで心ゆくまでお楽しみ下さい。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



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