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[ 2016年 11月 8日付 ]

DENONの新たな挑戦!上級機のノウハウ・パーツを惜しみなく投入した最新プリメインアンプ「PMA-1600NE」

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、DENONの人気価格帯プリメインアンプの最新鋭機『 PMA-1600NE 』をご紹介します!
上級機のノウハウ・パーツが惜しみなく投入され、内蔵DACの実力は相当なグレードなので、自信をもって多くの音楽ファンにお勧めしたいと思います。


異例のヒットを続けている「PMA-2500NE」


2016年2月に、賛否両論渦巻く中で発売されたハイレゾ対応USB-DAC搭載プリメインアンプ「PMA-2500NE」。一部では、「何故USB-DACなのか?」「音質に悪影響はないのか?」「DAC部分が将来陳腐化することはないのか?」などなど、否定的な意見もありました。

しかし、蓋を開けてみれば、その心配も杞憂に終わりました。それと言うのも「PMA-2500NE」が、20万円オーバーのプリメインアンプとしては異例のヒットとなり、それは現在進行形なのです。

やはり、USB-DAC一体型の便利さ・扱い易さに加え、デノンが長きに亘って築き上げてきた「シンプル&ストレート」の設計思想による高音質が認められた結果とも言えます。

DENON「PMA-1600NE」とは

今回発売された「PMA-1600NE」も「PMA-2500NE」同様、高度なUSB-DACを搭載した同社の中堅プリメインアンプという位置づけで、前作「PMA-1500RE」の後継機にあたります。

最近は、ネットワークプレーヤーにデジタルアンプを付け加えた一体型のアンプも散見されますが、本機は本格的なアナログアンプで、入力系にアナログ入力のほか、デジタル入力が加わったと考えるのが妥当だと思います。

出力は8Ω負荷で70W+70Wと十分なもので、4Ω(1kHz)では実に倍の140W+140Wを叩き出すことも出来ます。余裕の設計であることが、このことからも判ります。

出力段は、デノンの高級アンプでの常套手段でもあるUHC-MOS(UltraHigh Current MOS)FETをシングルプッシュプルで用いる、ハイゲインパワーアンプによる一段構成のシンプルなものとしています。

素子の数を減らして、信号経路を限りなく短くすることで、微小信号から大電流領域までのリニアリティに優れた回路とし、音の純度を高めているのです。

通常のアンプでは、大電流を得るために多数の素子を並列駆動するのですが、その際に問題になる素子の性能のバラツキによる音の濁りが、これにより解決されるのです。

楽音の繊細な表情までを描ききる表現力を実現するため、DENONは1ペアという最小単位の素子による増幅方式にこだわり続けているのです。


シャーシ内部のコンストラクションは、中級機としては非常に凝ったもので、フォノEQおよび入力部、ボリウムコントロール部、USB-DAC、増幅回路、電源部、コントロール部がセパレートされた6ブロック構成シャーシを採用。

補強を施したシャーシは外部振動から信号回路を守り、また各回路間の干渉も排除しています。

フォノ回路もカートリッジを供給し続けているデノンならではのモノです。MM/MCの両方に対応したハイゲインのイコライザーアンプですが、基板上のパターン上のループによる音質への悪影響を回避するため、MM/MCの切替スイッチをプッシュ式からリレーに変更しています。

これにより信号ループはより小さくなり、繊細なアナログ信号をより純粋に増幅することができ、大幅に音質を向上させることができたと言います。

最大の目玉機能!USB-DAC

そして、本機の最大の目玉機能でもあるUSB-DACですが、将来に亘っても安心な「DSD 11.2MHz」および「PCM 384kHz/32bit」までのハイスペックに対応しています。

DSDの伝送方式はASIOドライバーによるネイティブ再生と、DoP (DSD over PCM Frames )の両方に対応しています。

PC側のクロックを使用せず、本機の超低位相雑音クロックによって生成されるマスタークロックで制御を行うアシンクロナスモードに対応。

マスタークロックはD/Aコンバーターの直近に配置し、余分なジッターの発生を抑えるとともに、周波数も44.1kHz/48kHzを別々に2個のクロック発振器を搭載した「DACマスター・クロック・デザイン」を採用しています。

また、USB接続されたPCや本機のデジタル回路から発生するデジタルノイズの音質への悪影響を排除するために、高速デジタルアイソレーターを搭載。

入力側と出力側を電気的に絶縁し、D/Aコンバーター以降のアナログオーディオ回路へデジタルノイズが紛れ込む心配もなくしています。

さらに、DENONのSACD/CDプレーヤーではお馴染みの、独自のデータ補間アルゴリズムによるアナログ波形再現技術である最新の「Advanced AL32 Processing Plus」を搭載。

限りなく原音に近い理想的な補間処理で、録音時に失われたデータを精巧に復元することで、原音に忠実な再生を実現したと言います。

そして、多くの方が心配されているデジタル回路のアナログ再生への影響ですが、アナログ再生時には、デジタル入力回路への給電を断つことにより、動作を完全にストップさせる「アナログモード」を採用。

さらに、FLディスプレイの表示までも消灯し、純粋なアナログアンプとして動作させることができます。( ※「アナログモード」に設定中は、USB-B、同軸デジタル、光デジタル入力は使用できません。)

アンプとして、最も重要な電源部も安定度を増すため、従来機に比べトランスを大型化し、コアサイズと容量を大幅にアップしています。

前述の「アナログモード」時にはさらに電源に余裕が生まれ、音質アップに大きく貢献しています。

試聴しました



9月の新製品発表会で試聴しましたので、その印象を述べておきます。同時発売のSACD/CDプレーヤー「DCD-1600NE」でディスクソースを中心に聴きました。

第一印象はスピード感です。しかし、そのスピード感はデジタルアンプのそれではなく、音に厚みがあり、ザワザワ感が皆無の聴いていて安心感・安定感のあるサウンドでした。

特に女性ボーカルはふくよかで、国産アンプによくある清廉潔白でやせぎすな声ではなく、肉質感たっぷりで湿度感を伴ったナチュラルなボーカルが聴けました。これはやはり、純粋なアナログアンプの成せる業と感じました。

クラシックは大編成楽曲でも、通常のお部屋なら大音量再生でも破綻することはなく余裕で鳴らせます。小編成の透明感、静けさはアナログアンプならではでした。

そしてジャズでは本領を発揮し、ベースは厚みがあり、シンバルのスピード感、抑揚のあるエネルギッシュなサウンドは、価格を忘れさせる程でした。

最後に、パソコンをUSB接続して、PCM 192kHz/24bitとDSD 11.2MHzのソフトを聴きました。これまで聴いてきたディスクと違い、情報力は圧倒的で、キメの細かなサウンドは絶品でした。

この「PMA-1600NE」の内蔵DACの実力は相当なグレードと見ました。何より内蔵していることのメリットを十分感じさせたことに、DENONの本機に対する並々ならぬ自信を伺い知ることができました。

最後に

DENON「PMA-1600NE」は、10万円台の中級アンプとはいえ、サウンドは堂々としたもので、数万円の普及タイプのプリメインアンプとは次元の違うサウンドでした。

ハイエンド一歩手前ながらこのサウンドは、自信をもって多くの音楽ファン、リターナー(もう一度オーディオ世代)、そしてヘッドホン卒業生に広くお勧めします。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



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