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[ 2016年 11月 29日付 ]

セパレートSACD/CDプレーヤー「DP-950/DC-950」に肉薄するアキュフェーズの一体型SACD/CDプレーヤー『DP-560』登場!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回はアキュフェーズから発売の、一体型SACD/CDプレーヤーの“最高峰”といえる『DP-560』をご紹介します。

日本橋1ばん館で、従来機「DP-550」との比較試聴もしましたので、ブラッシュアップされた内容とともに、そのサウンドもレポートいたします。


アキュフェーズ デジタルプレーヤーの歩み

アキュフェーズのデジタルプレーヤーには、セパレート型と一体型の2ラインがあります。アキュフェーズが自社製CDプレーヤーを初めて世に問うたのはCDが登場してまだ4年足らずの1986年発売のセパレートCDプレーヤー「DP-80/DC-81」でした。

一体型はその翌年の1987年発売の 「DP-70」からで、2001年に発売されたSACD/CDプレーヤー「DP-85」を含め2桁の型番が続きました。

型番が3桁となったのは2006年のCDプレーヤー「DP-500」からで、500番台は2010年発売のCDプレーヤー「DP-510」、そして2008年発売のSACD/CDプレーヤー「DP-600」と統合される形で、2012年SACD/CDプレーヤー「DP-550」となったのでした。

その「DP-550」がメカニズムを含め徹底的にブラッシュアップされ登場したのが、これからご紹介しますSACD/CDプレーヤー『DP-560』なのです。

目指すは「DP-950/DC-950」

アキュフェーズが「DP-560」で目指したのは、今年2016年に持てる技術のすべてを投入し、新時代を切開くべく開発されたセパレート型SACD/CDプレーヤー「DP-950/DC-950」です。

その優れた技術を基に自社開発メカニズムを含め、これまでの高度なノウハウと最新テクノロジーを結集させ、高性能の一体型SACD/CDプレーヤーを目指して製品化されました。その過程では徹底的に試聴を繰り返したとのことです。

従来機「DP-550」をブラッシュアップ!

従来機「DP-550」の性能をさらに極めるために、ブラッシュアップされた注目点は大きくは以下の3箇所です。

その1)新開発のドライブメカニズムを搭載

SACDはデータの記録密度が高いため、従来CDよりかなり高速で読み取りが行われます。このため、回転体から発生する振動はもちろん、外部からの機械振動にも影響を受けてしまうため、それらの影響を回避して安定した信号の読み取り精度を必要とします。

『DP-560』のドライブメカには同社としては初めて国産某社のメカを採用し、そのメカを同社のもつノウハウで徹底的に強化することで、剛性の高い強固なシャーシ構造をとって一体化したのです。さらに、ドライブメカを可能な限り低い位置に配置することで、外部振動の振幅を最小限に抑え、低重心で安定感あるサウンドを目指しています。

メカ全体を包むブリッジは、前作「DP-550」より大型化し、カバー上部を5層構造とすることで遮音性を向上させています。さらにピックアップ部分とメカ部分を高性能なシリコン系のダンパーでフローティングすることで、外部からピックアップへ伝わる振動を低減するとともに、風切り音を気流制御することで、ディスクの回転音を従来メカの1/3に抑えています。

その2)ESSテクノロジー社の高性能D/Aコンバーター《ES9018S》採用

D/Aコンバーターには前作「DP-550」の《ES9008S》に替えて“ハイパーストリームDAC”《ES9018S》が採用されています。この実績のあるデバイスを電源の強化などで最大限使いこなし、片チャンネル当たり4回路のDACを並列駆動させることで、S/Nを「DP-550」より1dBアップの119dB、全高調波歪率を0.0001%アップの0.0006%としています。ごく僅かな差ではありますが、これを保証値としていることに同社の自信の程が伺われます。

その3)USB-DACとしても最新フォーマットに対応

USBからのハイレゾ音源の対応サンプリング周波数は、PCMで384kHz/32bit、DSDで11.2MHz/1bit(11.2MHzはASIOのみ)までの最新スペックを実現しています。これは将来に亘っても安心できるものであり、デジタル音源としてはSACDを含め究極の性能であるとも言え、SACD/CDプレーヤーとしてのみならずUSB-DACとしても自信を持ってお勧めできるデジタルプレーヤーと言えます。

そして今回一部の方にしかそのメリットはありませんが、アキュフェーズ独自のデジタル・オーディオ・インターフェースである“HS-LINK”がバージョンアップされ、“HS-LINK Ver.2”となっています。

データとクロックを分離して伝送ででき、従来のVer.1では受信側にPLL(高周波発振器)が必要でしたが、それが不要となり、送信側のクロック精度を維持したままデータ処理が可能になったのです。もちろんVer.2からPCM:384kHz/32bitとDSD:11.2MHzまでの送受信も可能となっています。

最後にもう一つ、今回の『DP-560』から一新されたドライブメカによる機能面での恩恵があります。それはデータディスクの再生が可能になったことで、DVD-R/RWやDVD+R/+RWに記録したDSD(2.8MHz/5.6MHz)、PCM(192kHz/24bitまで)の音楽ファイル(対応フォーマット:WAV、FLAC、DSD、DSDIFF)の再生に対応したことです。

これによりパソコンを使わず『DP-560』のみでハイレゾ音源を納めたディスクが楽しめ、パソコンを気にせず音楽に集中できることは、音楽ファンにとっては実に有り難いことです。

フロントのディスプレイには再生されている信号のサンプリング周波数とビット数が表示され、付属リモコンは『DP-560』の操作だけではなく、アキュフェーズのプリアンプやプリメインアンプのボリュームコントロールも可能で、アキュフェーズユーザーには便利な機能です。

試聴しました


『DP-560』の試聴は、11月某日、日本橋1ばん館で前作「DP-550」との比較から始めました。

まず「DP-550」でSACDを中心に聴きました。若々しい躍動感のあるサウンドで、キレが良く、良い意味でデジタルらしい、情報量の豊かなサウンドで、これを聴いている限り特別不満を感じることはありませんでした。

しかし、少し聴いていく内に、もう少し中低域の厚みがあっても良いのではとは感じましたが、「DP-550」の完成度は十分高く、新製品『DP-560』で、アキュフェーズがどういう方向のサウンドを目指したのかに興味が沸いてきました。

次に同じシステムで、「DP-560」に繋ぎ替えて同じソフトから試聴を始めました。明らかに中低域の厚みが増して、空間表現も豊かになっていました。

ザワツキ感も全くなく透明度の非常に高いサウンドで、本機のS/Nの良さが十分現れています。ボーカルでは口元が小さくなり、顔の輪郭までクッキリ見える様でした。

さらに、弦楽器の立ち上がりやピアノの瞬発力、制動力など、上質なソースほど前作との差をはっきりと出して来ました。

最後に

『DP-560』はアキュフェーズの中堅SACD/CDプレーヤーとの位置づけではありますが、そのパフォーマンスは「DP-950/DC-950」にも十分に肉薄しており、国内はもとより世界的にも一体型SACD/CDプレーヤーとしては、“最高峰”と十分位置づけられるグレードを有していると思います。将来に亘って安心してお使いいただける多機能デジタルプレーヤーだと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



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