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[ 2016年 12月 20日付 ]

JBLより創立70周年を記念して!あのスタジオモニター「4312」がスペシャルエディション『4312SE』として限定発売!!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、JBLより創立70周年を記念して、国内500セット限定で販売されるスタジオモニター『4312SE』をご紹介します。

「4312」シリーズの伝統を継承しつつ、オールマイティな「4312」に進化した、JBLの70年にわたる歴史と真価を存分に堪能できるスペシャルエディションです。


超々ロングセラーの「4300」シリーズ

「4312」と言えば超ロングセラーの3Wayブックシェルフ型スタジオモニターですが、その原型は1971年頃に登場した「4310」です。当時JBLは録音スタジオにおけるモニタースピーカーのシェアが No.1となり、その牽引力となったのが「4300」シリーズでした。

「4300」シリーズには「4310」の他に、2Wayフロア型の「4320」、ツイーターに「2405」を搭載して3Wayとした「4333」、そしてその後、日本でも空前の大ヒットとなった4Way「4343」(※)など、時代が要求する音楽の変化によりその完成度を高め、スタジオのみならず、家庭用としても注目を集めていきました。(※国内累計約20,000セットのセールスを記録)

その後「4310」は1973年頃には「4311」となり、「4311A」(1976年頃)、「4311B」(1979)、 そして1982年に後継の「4312」となり、以後「4312A」(1986)、「4312XP」(1990)、「4312MKU」(1996)、「4312BMKU」(1999)、「4312SX」(2000)、「4312D」(2004)、そして現行品である「4312E」(2010)に至るまで、超々ロングセラーを続けています。

日本ではスタジオモニターに対する異常な程の憧れがあって、1970年代、「4311」が超ベストセラーとなりましたが、米国では「4311」の家庭用モデルとなる「L100」が、10年以上にわたり大ヒットを記録したのでした。プロ市場で培われたテクノロジーを家庭用モデルに反映するという現在のJBLの手法は、この時代から行われてきたのです。

私自身も学生時代、大阪 日本橋のとあるオーディオ専門店で聴いた「4311」のデイブ・ブルーベックの「Take Five」の鳴りっぷりの良いサウンドに衝撃を受け、夏休みのアルバイト代をすべてつぎ込んで手に入れました。

その後、当時大阪 日本橋にあった上新電機のオーディオショップ「上新オーディオ南店」で聴いた「4320」にまたもや衝撃を受け(とても学生の分際では手が届きませんでしたが)、それがその後の自分が目指す《目標のサウンド》ともなったのでした。

当時、レコーディングモニターにこの「4320」を使い、東芝EMIからプロユース・シリーズとして発売されていたLPレコードがあり、その録音ミキサーであった行方洋一(なめかたよういち)氏のサウンドにも大いに傾倒したものでした。

「4310」を継承した『4312SE』

さて、話を『4312SE』に戻します。JBLの輸入元であるハーマンインターナショナルは、9月末に開催された東京インターナショナルオーディオショウには出展しなかったため、『4312SE』は参考出展ではありましたが、11月の大阪ハイエンドオーディオショウが初のお披露目となったのでした。

前述のように『4312SE』は、1970年代初期にデビューした「4310」のデザインを継承し、最新スタジオモニタースピーカーとして求められる音響性能を追求したスペシャルエディションとして開発されました。

低域ユニットには、上級機に当たるミドルサイズのスタジオモニターである「4429」に搭載されている、JBL 史上最強の12 インチ(300mm)径ユニットとも言われる「1200FE-8」を採用。

ただし、そこは「4312」シリーズ伝統のホワイトコーン仕様とした専用バージョンとしています。NOMEXデュアルダンパー、アクアプラスを塗布したケブラーコンポジット・パルプコーンによるストレートコーンを、大口径フェライトマグネットと大容量銅スリーブを用いた新SFG磁気回路で強力にドライブしています。大口径ウーファーならではの力強いエネルギー感と高解像度を実現できたと言います。

中域ユニットには、5インチ(125mm)径パルプコーン・ミッドレンジ“105H-1”を採用。コーン紙裏面外周部にダンピングを施し、歪を抑え、軽量パルプコーンを採用することで、音の明瞭度を高め、鮮明でナチュラルなボーカルの再生を可能としたのです。また、軽量なアコーディオン・クロスエッジの採用により、明るく明瞭なJBLモニターサウンドを継承しています。


高域ユニットには、1インチ(25mm)径アルミ・マグネシウム合金ドームツイーター“054AI-Mg”を採用。アルミ・マグネシウム合金ダイアフラムにシルク素材を用いた軽量なハーフロール・クロスエッジを組み合わせることにより、超高域までの音のスムーズな伸びと高い透明感を実現しています。

ボイスコイルには、CCAW(コッパークラッド・アルミワイヤー)ボイスコイルを採用することで振動系を軽量化し、高域特性40kHzを実現し、ハイレゾ・ソフトにも対応したのです。さらに、ネットワーク回路もブラッシュアップされています。「4312」シリーズは伝統的にウーファーをフルレンジ使いしてきました。


今回は敢えてフルレンジ接続をやめ、ウーファーにローパスフィルターを追加した、一般的な3Wayネットワークに変更することで、モニター本来の高純度で粒立ちの良い音質を目指したのです。

ウーファーとミッドレンジとのクロスオーバー周波数は、「4312E」の2kHzと5kHzに対して、本機は640Hzと5kHzとし、低域のクロスを聴感上敏感な周波数帯域より低い帯域にすることで、位相の変化による違和感も低減させたのです。

出力音圧レベルは「4312E」が93dBに対して、本機は90dBと一般的な値になっています。インピーダンスは変わらず6Ωです。外形寸法(362W×597H×298Dmm)は「4312E」と全く同じですが、質量は18.1kgから25.2kgになり、エンクロージャーも強化されているようです

オールマイティな「4312」に進化!

音質については、大阪ハイエンドオーディオショウで本番前の参考出展された製品を少し聴いただけですので、詳しくは書けませんが、その音質にはかなり従来機との違いを感じました。いい意味でのハイエンド機器としての充実したサウンドと感じました。

オーソドックスなネットワークが効いているのか、鳴りっぷりの良いサウンドながら各ユニットのつながりが非常に良く、あたかもフルレンジが鳴っているかのようでした。 従来機に比べエンクロージャーの鳴きが少ないためか、非常にS/Nの良いサウンドで、音像は従来機にも増してモニターらしいリアルさで、立ち上がりの素晴らしい活き活きしたものでした。

特に低域はウーファーの違いが大きく効いており、非常に躍動感のある、クリアで解像度の高い生々しさを実現し、特に低音弦楽器はその質感まで十分再現できていました。

また、従来あまり得意だとは言えなかったボーカルや声楽も十分楽しめるオールマイティな「4312」に進化を遂げ、非常に魅力的で鳴らし易い『4312SE』の完成をみたのです。

最後に

「4312」シリーズ伝統のホワイトコーンのデザインを継承しつつ、ウーファーを強力にすることで、さらに表現力を高め、アンプを選ばないドライブのし易さはそのままで、JBLファンはもちろん、まじめで味気ないサウンドのスピーカーにご不満をお持ちの方、さらには、‘いずれはJBL’とお考えだった方にも、自信を持ってお勧めします。

『4312SE』は、JBLの70年にわたる歴史と真価を存分に堪能できるスペシャルエディションです。日本国内では500セットの限定販売となります。お早めにご決断下さい。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



JBL スタジオモニタースピーカー『 4312SE 』はこちら

※ご紹介した製品は販売を終了いたしました。
こちらは2018年発売の別モデルとなります。



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