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[ 2017年2月7日付 ]

『電源の重要性』を再確認Vol.3 電源コンディショナー アコースティックリバイブ『RPC-1』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

以前、特集しました『電源の重要性を再確認』でご紹介したアコースティックリバイブ『RPC-1』ですが、あまりに大きな反響をいただきましたので、再度取り上げさせていただきます。
使用法は至って簡単でありながら、画期的な電源改善アイテムです。



ACOUSTIC REVIVE「RPC-1」

『RPC-1』とは?

『RPC-1』は、赤外線マウスの発明者である故・柴田潤氏のアイデアをHWT(ハイエスト・ワールド・テクノロジー)とACOUSTIC REVIVE(アコースティックリバイブ)との共同研究によって発展、製品化されたものだそうで、内部の特殊コイルの組み合わせによる独自の回路設計により、電源経路に乗る超高周波ノイズの除去だけを行うという製品です。

従来から、AC電源に乗っているノイズを除去するフィルターには、コンセントとオーディオ機器の間に挿入する直列型(挿入タイプ)と、空きコンセントなどに差し込む並列型(吸収タイプ)が存在していました。

並列型のノイズフィルターは、コンデンサーを使用することで高周波ノイズを吸収するタイプがほとんどですが、コンデンサーはノイズに対する吸収効果はあっても、どうしても色付け(エネルギー感が後退したり、音像が痩せ平面的になるなど)が生じやすいため、この『RPC-1』は並列型ですが、コンデンサーは一切使用していません。

本機はコンデンサーではなく、特殊なコイルを組み合わせた独自の回路を採用することで、高周波ノイズを熱エネルギーに変えて吸収しているとのことです。コンデンサーや抵抗などのパーツ類は全く使用されていないためエネルギーのロスが一切なく、ノイズフィルターなどの使用時に感じることのある副作用も全くありません。一方でS/N感や透明度が向上するという、通常は相反する要素を両立させることに成功したのです。

その“特殊なコイル”について、アコースティックリバイブ社長の石黒氏より、直接「言える範囲で結構です。」との条件付きでお話をお伺いしました。

内部構造については、アコリバ側でも詳しくは不明で、筐体やケーブル等の部品はアコリバから供給しているものの、組立は前述のHWTで行われているとのことです。

「ちょっとだけ・・」と、石黒社長が明かしてくれた“特殊なコイル”とは、我々がチョークコイルやトランスから想像する“らせん構造”のコイルではなく、パタ−ンが描かれたプリント基板をビックリするくらい何枚も重ねた様な構造であるとのことでした。

画期的な電源改善アイテム『RPC-1』

すでに数年前にHWTから共同開発の申し入れがあったものの、アコリバとしても正直、当初はあまり乗り気ではなかったとのことです。

しかし当初提案のあったコイル・ユニットを収納する筐体やケーブル、プラグ等を上質なものにしていく過程で、当初の数倍の性能が得られることが分かり、コストを掛ければ掛ける程よくなるとの結論に至り、ついに製品化に踏み切ったのだそうです。

それが2016年の夏のことで、価格が価格ですし、単なる箱にしか見えないことから、私自身も発売当初は、『RPC-1』には正直あまり注目はしていませんでした。

『RPC-1』の筐体は17cm×17cmで高さ8cmの木箱で、音響特性に優れたヒッコリー材を使用し、ケーブル部分は37cmで、比誘電率に優れたシルクテフロン絶縁を施した究極のオーディオ専用導体PC-TripleCを採用しています。

電源プラグやシールド、内部の緩衝材にこだわりの部材を投入し、更にノイズ低減効果を高める様々な素材を駆使して改善効果を高めたのだと言います。

この結果、前述の様に当初提案された素材が最大限生かせ、S/N比やエネルギー感が向上しただけではなく、自然で生々しい音色や質感も実現でき、本来ソースに入っている音楽性の再現をも実現できたのだと言います。

『RPC-1』は、通常のクリーン電源とは全く違うアプローチによる画期的な電源改善アイテムですが、その使用法は至って簡単で、壁や電源タップの空いたコンセントに、本体から伸びているAC(3P)プラグを差し込むだけです。※2Pコンセントでは、接続には2P-3P変換アダプターが必要です。

試してみました。

まずは、オーディオルームの壁コンセント(写真左)に『RPC-1』を繋ぎました。繋いだ途端、再生音にまとわりついていた僅かなザワザワ感がなくなり、中高域が滑らかになりました。

さらに顕著であったのは低域が深々と沈み、お腹に響く様な厚い重低音が感じられる様になったのです。これはスピーカーの置き場所や置き方、アンプの交換でも実現できなかった、非常にリアルな低音となったのです。

次に、先程の壁コンセントに本来繋いでいる電源タップを繋ぎ、電源タップの空きコンセント(写真の右)に『RPC-1』のプラグを差し込みました。

このタップからはパソコン以外のほとんどのオーディオ機器の電源を供給(パワーアンプのみ別系統で200V→100Vトランス使用)しているため、変化はやはり壁コンセントより効果は大きいと感じました。

もちろん変化傾向は同じですが、再生音の質感や細部のディテールが見えるようになり、声の艶やかさも確実に出てきました。空間感もさらに広く深く、音像の立体感がさらに目に見える様に再現できました。そして低域は今まで、私のシステムでは不可能であったレベルの重心の低さを感じました。

最後に、さらにもっと機器に近づけるべく、プリアンプのサービスコンセントに2P-3P変換アダプターを介して接続しました。S/Nが向上した効果からか、明らかに音の透明度が上がり、鮮度の高い生々しいサウンドとなりました。

また音離れの良い活き活きとした立ち上がりや音の吹っ切れ感は抜群で、音楽を楽しく聴かせるサウンドが味わえました。ボリュームを上げていっても全く破綻することなく、パワー感が損なわれたり、ヒステリックになることも全くありませんでした。

最後に
このように『RPC-1』の効果は絶大で、ハイレゾのPCオーディオやSACD/CDソフトなどのデジタル音源の再生では、従来細身と感じていた低域から中域にかけて、力強さが増し、中低域のエネルギー感がたっぷりで、立ち上がりスピードが早くなり、それまで感じていた少し淡泊な低音が、ドスンと超低域まで深く沈み込む感じが出てくるようになったのです。

中高域に少し感じていたまとわりつきも完全になくなり、音場の透明感が出て見通しが非常に良くなり、音場も三次元的にかなりリアルに再現されるようになりました。全体に一本芯が通った音離れの良いサウンドになり、よく言われるデジタルサウンドの欠点が、明らかに改善できていたのです。

一方、アナログでも全帯域でスピードアップし、非常に張りのあるサウンドになり、従来にも増して実在感や奥行き感が再現できたのです。

確かに情報量こそハイレゾ音源には敵いませんが、エネルギー感、音像の実在感、押し出し感、そして私が最も重視している頭を打たない突き抜け感は、デジタルでは絶対に不可能と思えるレベルに達したのです。これは、私自身、過去に聴いたあらゆるアナログサウンドの中でも、ダントツのリアル感のある素晴らしさと断言します。

また、すでにクリーン電源をお使いのオーディオマニアの方には、本機をクリーン電源の出力コンセントに装着することをお勧めします。これによりクリーン電源自体の性能を向上させることも可能であり、電源経路に乗る超高周波ノイズの低減と均一化を行うことで、S/Nを劇的に向上させながらエネルギー感や躍動感なども向上させることができます。

以上のような結果が、『RPC-1』の開発目的である超高周波ノイズに的を絞った対策の効果だとすると、それは大発見であり、これこそ「電源関連アクセサリーの“新ジャンル”の登場」と言えると思います。

副作用がないどころか、これだけ改善効果の大きな電源アイテムが登場したことで、2017年以降のオーディオの世界が大変革する予感がします。

「今まで自分は何を聴いていたのか?」と言う疑問がきっと湧いてくることと思います。『RPC-1』は確かに高価ではありますが、価格に見合う以上の効果は確実にあります。音楽を聴くことが、きっと、もっともっと楽しくなると思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



アコースティックリバイブ『RPC-1』

※ご紹介した製品は販売を終了いたしました。
こちらは2021年発売の「RPC1K」となります。



ぜひ使っていただきたいアコースティックバイブのオリジナルティ溢れるアクセサリー