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[ 2017年3月14日付 ]

SACD/CDトランスポート「P-05X」、D/Aコンバーター「D-05X」
〜エソテリック30年の伝統が育んだ、新たなるマイルストーン〜

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、エソテリックブランド30年のノウハウをすべて投入し、突き抜けた音楽再生能力を実現した「P-05X」「D-05X」をご紹介いたします! パッケージメディアにこだわりつつも、最先端のファイルオーディオにも興味を持つ日本のオーディオファイルにおすすめの製品です。




ESOTERIC「P-05X」「D-05X」

近年のディスクメディア

最近、ファイルオーディオに押され気味で、市販のディスクメディアであるCDやSACD再生が話題になることがめっきり減ってしまっています。また、メディアの販売数も年々減少しています。逆に、アナログディスクに注目が集まっているのは何とも皮肉です。

デジタルオーディオプレーヤーとヘッドホンで音楽を聴いている若い人の中には、ディスクメディアに一度も触れたことがないという層まで出てきているそうです。それは、我々オーディオファンにとっては恐怖でもあります。そういった人達がやっているのも同じオーディオと言われているのですから・・・。

メディアの販売数に比例して、ディスクプレーヤーの製品ラインナップも減少していますが、それがメディアの販売低迷だけが問題ではないところに根の深さを感じます。それはプレーヤーのドライブメカに起因するところが大きいのです。すなわち、メカの供給メーカーの減少です。CDやSACDの開発メーカーであるSONYでさえ、遙か以前に撤退してしまっています。

今やSACD/CDのオーディオ専用(ユニバーサルではない)メカを作り続けてくれているのは、国内では「デノン・マランツ」の「D&Mグループ」と、これからご紹介する「エソテリック」のみとなってしまいました。

1982年に登場して以来、膨大な音楽ソフトを我々に供給してきたCDメディア。1999年に登場し、当時としては革新的なDSDを採用したSACDメディア。残念ながらレーベル数の少なさやマニア向けジャンルのソフトに限定されたことから、広く普及するまでには至りませんでしたが、今のハイレゾ再生ブームに繋がったのは疑いのない事実です。

世界の中でも、CDやSACDのパッケージメディアが好きなのは、日本人とドイツ人だそうです。オーディオ歴の長いオーディオファンほど、アナログレコード時代の習性で、どうしてもジャッケットを重要視してしまいます。やはり、我々日本人は形のある「モノ」が大好きなようで、しかもコレクション(蒐集)することが殊の外好きなのです。

また、日本人はパッケージメディアにこだわりつつも、最先端のファイルオーディオにも興味を持つという、世界中でも希有なオーディオ大国でもあります。そんな日本のオーディオファイルに向けて、30年にわたる「エソテリック」の製品開発の総力を上げて完成させたのが、これからご紹介するSACD/CDトランスポート「P-05X」と、D/Aコンバーター「D-05X」です。その魅力溢れるフューチャーをご紹介して参ります。

SACD/CDトランスポート「P-05X」とは

「P-05X」のオリジナルモデルは、2007年発売の「P-05」で10年もの超ロングセラーを続けてきました。それは他でもない、その完成度の高さ故のことです。「P-05X」はドライブメカ以外、「P-05」のほぼすべてのコンポーネントを刷新した、全く別物と言えるトランスポートです。

その、唯一いじりようのない完成度の高さを誇るのが、「エソテリック」独自の銘ドライブメカ "VRDS-NEO"「VMK-5」です。

ディスク回転時の面振れを補正して読み取り精度を高めるべく、高精度アルミニウム+ポリカーボネート素材のハイブリッド・ターンテーブルを採用。ブリッジ部は、内部損失の高い高剛性BMC(Bulk Molding Compound)素材と、スチールによるハイブリッド構造により、回転振動を大幅に減衰させています。スピンドルモーターは、回転検出信号を使った高度なサーボコントロールにより、信号読み取り精度を高めています。さらに、トレーの開閉からディスククランプまでの動作を独自技術の差動ギア方式で行い、ハイエンドオーディオならではの滑らかなでスムーズなディスク・ローディング動作を実現しています。

ディスク読み取りの心臓部には、同社のフラッグシップ機「Grandioso P1」と同一の軸摺動型ピックアップを搭載し、レンズを移動させたときにレーザーの光軸が常に垂直方向を維持し、高精度な信号読み取りを実現しています。電源回路には大型トロイダル・トランスを備え、シャーシも上位モデルと同一設計思想でより剛性が高く、「D-05X」同様、優雅なラウンド感を強調した贅沢な仕様に進化しています。

そして今回のグレードアップの目玉でもある、更なる高音質を目指して採用された独自のデジタルインターフェースである「ES-LINK4」に対応させています。この「ES-LINK4」は、デジタル処理のほとんどをトランスポート側で行い、HDMIケーブルを利用して、「オーディオデータ」「LRクロック」「ビットクロック」のそれぞれのデータを高速かつワイドレンジに伝送し、DAC側で信号を復調する方法です。これによりD/Aコンバーター側には、オーバーサンプリング処理などの回路負荷が掛からない「Pure D/A」となることで、より高品位なデジタル伝送が可能になったのです。

D/Aコンバーター「D-05X」とは

一方、「D-05X」はこの10年のデジタルオーディオの進化をすべて具現化して完成させています。同社フラッグシップ機「Grandioso D1」から受け継いだDAC設計思想を妥協なく凝縮し、すべての回路コンポーネントをオリジナル「D-05」から刷新しています。

DACには、最新鋭の一体型SACD/CDプレーヤー「Grandioso K1」にも採用された、旭化成エレクトロニクス社製32bitプレミアムDACデバイス「AK4497」が搭載されています。このデバイスをステレオで計8回路(4回路/ch)組み合わせ、圧倒的なリニアリティと低ノイズ化を実現したのです。

PCM信号を34bit解像度でアナログ変換する34bitD/Aプロセッシング・アルゴリズムを新たに採用して、きめ細かく滑らかな質感と高解像度を両立しています。さらにPCMデジタル信号を2/4/8倍にアップコンバートする機能も搭載し万全です。

DSD信号のダイレクト処理のほか、PCMのDSDへの変換機能は、独自のアルゴリズムにより、DSD22.5MHzへアップコンバートするため、より滑らかな音楽再生も可能と言います。

ハイサンプリングに対応する豊富なデジタル入力を持ち、同軸、光入力は、192kHz/24bitまでのPCM、DSD2.8MHz(DoP)入力に対応。XLR×2は、192kHz/48bit(ES-LINK3)、384kHz/24bit(Dual AES8Fs)、およびDSD5.6MHz(DoP、Dualモード)などの入力に対応しています。

前作の「D-05」にはなかった、PCオーディオには必須のUSB端子も当然装備されています。ドライバー、再生用ソフトウェア「ESOTERIC HR Audio Player」はホームページから無償ダウンロードできます。DSD22.5MHz、PCM768kHz/32bitという圧倒的ハイサンプリング再生とアシンクロナス伝送に対応し、スタジオマスター・クオリティのソースの再生も十分可能です。最高級のUSB-DACと言える内容です。

回路的にはデュアル・モノ構成をとっており、左右チャンネルに独立した2つの大型トロイダル・トランスを核とする大容量電源を搭載。心臓部となるD/A変換回路は、前作の倍の物量を投入した差動4回路/chとしています。

さらにアナログ出力には、通常のXLRやRCAのライン出力の他に、エソテリック独自の理想的なアナログ伝送方式である「ES-LINK Analog (※)」が採用されています。本機に搭載されているハイスピードで強力な電流供給能力を誇る「HCLDバッファー回路」の高性能を生かした電流伝送方式により、信号をピュアに力強く伝送することが可能となっています。※対応機器は、2017年3月現在「Grandioso F1」のみです。接続ケーブルは一般的なバランスケーブル(端子形状:XLR)ですが、独自伝送方式のため、対応する機器以外ではご使用いただけません。今後対応機種が増えていく予定です。

最後に
このSACD/CDトランスポート「P-05X」と、D/Aコンバーター「D-05X」は、必ずしも同時購入が必要ではなく、すでに「P-05」をお使いの方や今お持ちのトランスポートを生かしつつ、最新鋭のPCオーディオも目指されるなら、最新鋭DACを搭載した「D-05X」をまずご検討いただきたいと思います。

エソテリックブランド30年のノウハウをすべて投入。結果的に同社のフラッグシップである「Grandioso」を超える内容まで盛り込んで完成した「P-05X」「D-05X」。ハイレゾリューション再生への対応も拡がり、最新鋭パーツの投入や新たな信号伝送方式の採用は、総合的にさらに突き抜けた音楽再生能力を実現したのです。

ディスク再生の最終到達地点 [マイルストーン] と言っても過言ではないと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



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