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[ 2017年5月23日付 ]

生産遅れのため大変お待たせしました! トライオードの新製品『Luminous84』『TRX-P88S』いよいよ登場です!

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、発売が半年遅れましたトライオードの新製品 真空管プリメインアンプ『Luminous84』と真空管パワーアンプ『TRX-P88S』を満を持してご紹介します!
ついに登場!

2016年秋に発表され、当初年末に発売される予定でした真空管プリメインアンプ『Luminous84』と真空管パワーアンプ『TRX-P88S』ですが、半年遅れでついに発売にこぎ着けました。

年末の発売が、なんとか1月末には、そして4月には、さらには大型連休までには・・・と、再三にわたって延期されて来たのですが、まもなく6月初旬に発売との最終アナウンスがトライオードからございました。

当初、年末に予定していました両機種の製品レポートですが、今回満を持してのご紹介です。その前に、両機種の発売が大幅に遅れた原因をトライオードからお聞しておりますので、まずそれをお伝えしてからレポートを進めたいと思います。

生産遅れについて

ご存知のようにトライオード製品は中国で生産されています。従来から主要となるパーツは日本国内から供給しており、厳格な品質管理を行って、高品質の製品を供給してきております。

ただ今回、新製品の両機を製造する予定であった工場の塗装工程などに、環境問題の見直しから中国政府の大規模な査察指導が入ったとのことです。その新しい環境基準をクリアするための製造工程の改善が必要となり、大幅な生産の遅延が発生したとのことです。

ご予約頂いたお客様には、大変ご迷惑とご心配をお掛け致しましたことに、この場をお借りして、心より深くお詫び申し上げます。

真空管プリメインアンプ『Luminous84』

トライオードには従来から、“オーディオは男だけのものでは無い!”というコンセプトから生まれた小型でオシャレなデザインのプリメインアンプ「Ruby」があります。

現代の癒やしの新しい音楽スタイルとして、女性のオーディオファンや音楽ファンにも受け入れられ、ロングセラーが続いています。

「Ruby」は、小型で非常にコストパーフォーマンスに優れた製品で純A級3W+3Wを出力でき、ヘッドフォン回路ももちろんICではなく6BQ5真空管から出力されます。

そのおしゃれでキュートな「Ruby」を、一回り大きくした本格的でスタイリッシュな真空管プリメインアンプとして登場したのが『Luminous84』です。 出力は、「Ruby」と同じMTタイプの5極管6BQ5(EL84)4本をUL(ウルトラリニア)接続してAB級プッシュプル使いで11W+11W(8Ω)の出力を確保しています。

出力管のバイアス管理は、無調整で安定性に優れた自己バイアス方式としています。真空管ボンネットも標準装備されています。

また「Ruby」には無かったフォノイコライザー回路(半導体式MM型対応)も搭載しており、アナログレコードプレーヤーも接続してお楽しみいただけます。その他3系統のLINE入力を装備しています。

出力にはスピーカーが1系統とヘッドホン出力があり、ヘッドホンでも真空管アンプの魅力が十分楽しめます。 本機の出力管にはミニチュア管が採用されており、300Bや2A3などの伝統的な三極管やKT-88・6CA7などのビーム管や大型五極管を使った代表的な真空管アンプに比べると、デザイン的に少し迫力に欠けるのは否めません。

しかし一方で、ミニチュア管ならではの小気味の良い軽やかなサウンドを評価する声もあり、何より大袈裟にならないコンパクトさとレトロな雰囲気を併せ持つデザインの良さに惹かれる音楽ファンも多いのではないかと思います。

出力の11W+11Wは何とも貧弱に思われるかも知れませんが、そこは真空管。スピーカーが余程の超低能率でない限り、十分な音圧は得られると思います。

さらに、出力トランスを介してスピーカーをドライブすることで、スピーカーを確実に制動できるため、しっかりした安定感の伴った低音も実現しています。 音場感こそハイエンドクラスのアンプには及ばないものの、濃密でエネルギーに溢れたホットなサウンドが、このクラスのアンプで得られることには正直驚かされます。

とにかく音楽を楽しく聴かせることに関しては、同価格帯のトランジスタアンプを大きく超えていると思います。

期待通り、特に楽しいのはボーカルでした。眼前に生身のボーカリストを感じる程、温かく湿り気を伴ったボーカルは出色で、ダイナミックレンジを狙った大出力アンプではない、小出力の真空管アンプならではと感じました。

さらに、アナログレコードでも真空管ならではのたっぷり感のある豊潤なサウンドを楽しめることから、初心者や女性の音楽ファンはもちろん、酸いも甘いも知り尽くしたオーディオファンのサブシステムとしてもお勧めしたいと思います。

『Luminous84』は、世の中の嫌なことを忘れ、ただゆったり、ひたすら好きな音楽に浸っていたい・・・。そんな気分にさせてくれます。

真空管パワーアンプ『TRX-P88S』

本機は出力管として人気のある大型管KT-88をA級シングルで動作させるステレオパワーアンプです。出力は10W+10W(8Ω)で、通常の音楽鑑賞には十分な出力です。使用真空管はいずれもスロバキアのJJ製です。

固定バイアス方式を採用しており、確認用のアナログメーターと調整用ボリュームが天板にあり、バイアス調整が正確に行え、真空管の交換も容易に行えます。真空管ボンネットも標準装備されています。

本機は基本的にはRCA入力が1系統のパワーアンプですが、リアパネルのスイッチのON/OFF切替で、前面にあるボリュームを使ったシンプルなプリメインとしての使用も可能です。

ソース機器とダイレクト接続することで、シンプルなシステムが実現します。また、パワーアンプとしても0dBから-12dBまで3dBずつ4段階のゲイン切り替えが装備されており万全です。

デザイン的にはKT-88を左右に配したオーソドックスなもので、安定感があり、これぞまさしく真空管アンプと言う姿です。ヒーターが点灯する様やあくまでも良い音のための発熱は、真空管アンプの醍醐味であり高い趣味性を感じさせるものです。

サウンドは、KT-88の持つ力強い持ち味が存分に活かされたもので、最新のアンプのようなデジタルサウンドを意識した解像度や分解能を追求したタイプではなく、厚みや密度感、安定感を伴った真空管ならではの、ある面では大らかなサウンドとも言えます。

低域は骨格がしっかりした太めで安定したもので、鳴りっぷりの良さが魅力です。中域は充実感があり、生音の適度な艶っぽさも表現し、耳なじみが良くリラックスできるサウンドです。高域はこれ見よがしな派手さはなく、適度な肉付きがあり心地よさを感じさせます。

最後に。
元鉄道マンの山崎順一社長が1994年に設立したトライオード。20年以上にわたる同社のノウハウを注入して、前述のように難産の末、ついに発売にこぎ着けた真空管アンプ『Luminous84』『TRX-P88S』。

いつかは真空管!一度は真空管!とお考えのオーディオファン、音楽ファンに自信を持ってお勧めできる本格派の真空管アンプです。

真空管。ちょっと夏には暑いのが“玉にきず”ではありますが・・・。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



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