カテゴリから選ぶ

[ 2017年8月15日付 ]

本格的アナログプレーヤー最新事情!!〜もう一度オーディオ世代(リターナー)の皆様!今こそ“本気でアナログ”を! 〜

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、あっという間に過ぎ去った"アナログブーム"とは何だったのかを検証したうえで“リターナー”の方はもちろん、今から“本気でアナログ”をとお考えの方におすすめのレコードプレーヤーをご紹介いたします。
比較的リーズナブルでアナログの魅力が存分に味わえる4機種です。


Pro-Ject Audio「The Classic」
アナログブームを検証!

ここしばらく続いたアナログブームがあっという間に、まさに潮が引くがごとく過ぎ去り、何もなかったかのような今日この頃です。まずは、このブームが何だったのか、この際検証しておきましょう。

そもそもブームの切っ掛けは、アナログレコードのデジタルファイル化・アーカイブ化でした。PCオーディオやハイレゾが盛り上がって来て、オーディオビギナー層やポータブルユーザーに広がる過程において、レコードが新しいソフトとして注目されたのでした。

その理由として考えられますことを列記してみますと、
・お家の押し入れで眠っていたレコードを久々に聴いてみたい。
・一度もレコードを聴いたことがなく一度は聴いてみたい。
・CDでは味わえない30cm角の大きなジャケットに大いに魅力を感じた。
・LP化されている最近のミュージシャンのアルバムを一度聴いてみたい。
・ブラックディスクの人間味に一度は触れてみたい。
などなど人それぞれだったと思います。

そこに、1万円そこそこの廉価でチープなUSB端子付きのアナログプレーヤーが登場し、簡単にデジタルファイル化ができ、それらの取り扱い店がオーディオショップのみならず、レコードショップやレンタルショップにまであっという間に広がった結果、爆発的なアナログブームが巻き起こされたのでした。

しかし、このブームに飛びついた大多数の音楽ファンは、例の“熱しやすく冷めやすい”日本人特有のパターン通りに交換針を買い求める迄もなく、ほとんどそのプレーヤーはお蔵入りの状態になっていると思います。本格的にアナログをやりたかった訳ではなかったのですからそれは当然です。しかも、アナログレコードはCDの様に雑には扱えない上、メンテナンスも必要で、最良の状態を維持するにはある程度の経験が必要なため、やはりデジタルの様にはいかないと身に染みていらっしゃるのではないでしょうか。

ただ一部のオーディオファンは、とりあえずアナログブームと言うことで巷で話題になっているレコード再生にチャレンジはしてみたものの、前述の安価なプレーヤーでは全く満足出来なかったことでしょう。また、過去に使っていたプレーヤーを引っ張り出して来たものの劣化が激しく、使い物にならなかったリターナーもいらっしゃると思います。

そんな中でもアナログレコードの音が、今まで聴いてきたデジタルとは少しでも違うと感じたり、そのサウンドに何かしらの魅力を感じられた方も多いのではないでしょうか。今回は、比較的リーズナブルでアナログの魅力が存分に味わえるレコードプレーヤーを4機種をご紹介します。

10万円未満のカートリッジ付きモデル

@DENON「DP-500M」



定番中の定番プレーヤー、2003年の発売から早15年。クォーツサーボ方式ダイレクトドライブのベストセラー機。大型(径331mm)の肉厚アルミダイキャスト製ターンテーブルは信頼感抜群。

さらに裏面はシリコンラバーにより鳴きを防止。0.3秒以内の素早い起動時間も有り難い。S字型トーンアームも本格的でカートリッジやヘッドシェルの交換も簡単です。アナログ全盛期の製品と比較しても、この存在感、使い易さ、もちろん本物のアナログサウンドがこの価格で入手出来るのですから、これはもう間違いなくお買い得です。

ATEAC「TN-550」



人気の同社「TN-570」から、純粋なアナログ再生には“百害あって一利なし”とも言えるデジタル出力を取り除いた純粋なアナログプレーヤー。このスマートな薄型デザインが実現できたのは、ダイレクトドライブ方式に引けを取らない、高い回転精度(PRS3回転数自動調整機構)のベルトドライブ方式採用のお陰です。

ベルトの架け替えではなく電子制御式のスピード切替機構を採用。厚さ16mm、重さ約1.4kgのクリアアクリル樹脂製のプラッターは新時代のプレーヤーです。音はレンジが広く伸びやかでにじみのないもので、ベルトドライブ特有のほのかな温かみのあるサウンド。限定生産品、当社在庫残り僅かです。

10万円台カートリッジ別売モデル

BPro-Ject Audio「The Classic」



この箱形デザイン、どこか懐かしさを覚えますよね。かつてのアナログ全盛期の欧州製プレーヤーそのものです。もちろん駆動方式こそ伝統的なベルトドライブですが、過去の同種のプレーヤーとは違い数々の新技術が使われています。

究極の速度安定性を求めて低ノイズのACモーターを採用。先端技術を用いた新設計のカーボン/アルミニウム・トーンアーム。最新の抑振材TPE(熱可塑性エラストマー)を使用してキャビネットやターンテーブルの制振をするなど、中味は新技術満載です。現時点だからこそ実現できた画期的なプレーヤーと言えます。ぼけることのない腰のあるサウンドで、カートリッジの選択次第であらゆるジャンルに十分対応できるパフォーマンスを発揮します。(ヘッドシェルの交換はできません)

◇「The Classic」におすすめのカートリッジ
オルトフォン「2MRED」MM型・・・ 安定感のあるサウンドが魅力のエントリーモデル。
オルトフォン「MC-Q5」MC型・・・包容力のあるオルトフォンサウンドが十分味わえる。

CDENON「DP-1300MK2」



美しい天然木仕上げのキャビネットはいかにも高級感があります。使い勝手の良いダイレクトドライブ方式は、ベルトドライブ方式の様にスタート/ストップ時にイライラさせられることもありません。まさに直感的にレコードを扱うことが出来ます。もう一つの本機の魅力は、本格的な6mmの高さ調節が可能な大型アルミダイカストベースに載せられたユニバーサル・トーンアームの搭載です。

カートリッジを気軽に取り替えて聴き比べられることこそ、アナログ再生の醍醐味です。本機の基本的なサウンドは、デジタルとは対極にあり、LP全盛期のそれに近似していると感じました。

◇「DP-1300MK2」におすすめのカートリッジ
デノン「DL-103R」・・・標準機DL-103の6Nモデル。ワイドレンジで透明度アップ。
オルトフォン「SPU#1E」・・・太く、力強いサウンドの現代版SPU。これぞアナログの醍醐味。
※「SPU-#1E」を「DP-1300MK2」に装着するためには重量級カートリッジ用ウェイト「ACD-45-N」が別途必要です。合わせてお買い求め下さい。

最後に
アナログプレーヤーの方式による大まかなサウンド傾向は、ベルトドライブ方式プレーヤーは、外力によって回転するため、安定感と静寂感が支配的であり、厚みのある温かいものです。一方、ダイレクトドライブ方式プレーヤーはターンテーブルをモーターがダイレクトに回転させるため、音にスピード感があり、ダイナミックで力感があります。

筆者の数々の経験から、デジタルやハイレゾは極めれば確かに素晴らしいのですが、それには大変なコストとノウハウが必要だと言うことが分かりました。そしてデジタルの目指しているのは、結局は最高峰のアナログサウンドあるとの結論に至ったのです。結果、アナログが最もコストパフォーマンスが高いと言うのが最終的な結論です。

筆者としては、“リターナー”の方はもちろん、今から“本気でアナログ”をとお考えの方に、今回ご紹介した4機種は、いずれも存分に本格的なアナログ再生を楽しんでいただけると確信しています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



今回ご紹介した4機種はこちら!


    「The Classic」におすすめのカートリッジ


    「DP-1300MK2」におすすめのカートリッジとザブウェイト