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[ 2017年11月7日付 ]

KRYNA『 Helca 1 』は新発想による驚異のケーブルインシュレーター

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、知る人ぞ知る大ヒット製品!! ケーブルインシュレーター KRYNA『 Helca 1 』をご紹介!設置状況の影響を受けずにケーブル本来のサウンドを蘇らせることができます。


KRYNA「Helca1」


『 Helca 1 』は"ヘリカワン"と読みます。初めてこの名前をお聞きの方も多いと思います。しかしこの製品こそ知る人ぞ知る製品で、今年9月7日の発売以来(発売前の予約段階から)大ヒットが続いています。まずはそのブランド"KRYNA"のご紹介から・・・

 ■ KRYNAの考え方

"KRYNA"の製品開発の考え方は、『KRYNAはオーディオ装置はただの音楽を流す「道具」と考え、その「道具」としての価値を高める事が最重要としています。そのため、音楽のジャンルにとらわれることなく、常に音源の縁の下の力持ち(黒子)であるための製品づくりにこだわっています。』とあります。

"KRYNA"の会社沿革から、
1978年06月 サウンドミネ 創業
1980年05月 サウンドミネ株式会社 設立
1985年05月 KRYPTON真空管アンプ MH-25GC、ML-33発売
1989年05月 KRYPTONスピーカーシステム HAD-35発売
2002年10月 KRYPTON真空管アンプ Levy9シリーズ発売
2005年11月 KRYPTON株式会社へ社名変更
2005年05月 KRYPTON Professionalシリーズ 発売
2007年02月 社名をKRYNA & PLUTON株式会社に変更
2011年09月 社名をKRYNA株式会社に変更

そう、オールドマニアの方はご存知でしょう、実はあの真空管アンプの"サウンドミネ"なのです。社名は変遷を経て現在の"KRYNA(クライナ)"になったのが2011年。そこからオーディオアクセサリーでの快進撃が始まるのです。

直近のKRYNAはオーディオボードの「Palette Board」、スピーカースタンドの「Stage」、各種インシュレーター「D-PROP extend」「C-PROP extend」「T-PROP」等の振動対策製品に"一日の長"があり、これらは特に人気を博しています。 KRYNAは、インシュレーターの役割には2つあるとしています。

@システムの振動をシステムの外に逃がす事
A外部の振動からシステムを守る事

そのための構造を、同社では"メカニックダイオード"(スパイクタイプのインシュレーターの「決まった方向にしか、振動を伝えない」性質)だとしています。

その他、スピーカーケーブル「Spca」、インターコネクトケーブル「Inca」、バランスケーブル「Balca」、デジタルケーブル「Dica01」、電源ケーブル「Acca5」のケーブル類、そしてルームチューニング用の吸音材、拡散材など多数のヒット製品を擁しています。

 ■ インシュレーション溶液が決定的な他社との差別化に!?



そして、今回ご紹介しますケーブル専用インシュレーター『 Helca 1 』にも使われていますインシュレーション溶液「AudioSpice」が、同社製品の決定的な他社との差別化に繋がったのです。

まずはその「AudioSpice」についてご紹介します。前述の新発想の樹脂系インシュレーター「C-PROPextend」の開発で生まれたインシュレーション溶液"Sticky(スティッキー)"は、4年の歳月をかけ近畿大学工学部機械工学科・西村公伸教授とKRYNAとの共同研究により開発された特殊ダンピング液(特許出願中)です。

その制振・絶縁のメカニズムはきわめて高度な分子レベルのノウハウが生かされ、有害振動を特殊ダンピング液で吸収させ、微振動を消滅させる狙いがあります。溶液が樹脂内部に浸透して入り込むことで仮想的に水に浮かせた状態を作り上げ、接触部の摩擦を減らし、ミクロの鳴きも抑制しながら機器との絶縁に大きな効果をもたらしたのです。

「ステッキー溶液」は数々の実験の結果、純水と高分子材料を使用した特殊混合溶液で、透明度が高く、餅のように粘性をもったリキッドで、バネ性を有しているのが特徴です。水やオイルの場合、回転させればその方向に回りますが、この「スティッキー溶液」は粘って逆回転し、引っ張られる様に戻る性質("溶液のバネ"とも言える不思議な物性)を持っています。

この「ステッキー溶液」の改良タイプと「Natural Liquid」の2種類の溶液を併用することで、効果の持続性を高めたのがアクセサリーとしてKRYNAから発売されているインシュレーション溶液が「AudioSpice」です。

 ■ ケーブル専用インシュレーター『 Helca 1 』とは

ここからがケーブル専用インシュレーター『 Helca 1 』についてです。 KRYNAは、スピーカーやアンプにインシュレーターが効果的なように、ケーブルにもインシュレーターで対策を行うことで音質的に有効であると考えたのです。しかし従来のケーブルインシュレーターは床に並べてケーブルを浮かせるタイプで、床を這っている場合にしか効果はなく、しかも外れたり倒れたりし易く、使い勝手の面や効果、コストの面でも納得できる製品はありませんでした。

そこで同社が"白羽の矢"を立てたのが「ステッキー溶液」です。しかしこれをどう使うかが難問でした。発案以来、5年の歳月をかけて、螺旋状(カールコード状)の樹脂製のチューブにダンピング用として「ステッキー溶液」を封入して、ケーブルの周囲を360度囲む(合体させる)という、かつてなかった方法を編み出したのです。

製品開発の際の難関は、液を注入後チューブの端末の蓋(キャップ)をどうするかだったそうです。試行錯誤の結果、樹脂系のネジを接着して固めて封入してしまうことで、液が抜けたり漏れたりする心配はなくなったとのことです。(注意:絶対には故意に回さないで下さい。)

ケーブルは、この「ステッキー溶液」が充填された螺旋状のチューブの内側を通ることで、仮想的に浮いた状態になり、外部からの振動やノイズの影響を受けず、同時に自身が発する振動やノイズが外部に漏れることもないのです。この"溶液のバネ"が有害振動を吸収し、音楽再生に特に影響のある微振動を消滅させるとしています。

ケーブルを『 Helca 1 』に通すことで、設置状況の影響を受けることがなく、またケーブルの構造や種類を問わず使用でき、結果としてケーブル本来のサウンドを蘇らせることができる、ここにケーブル専用インシュレーターが完成したのです。

『 Helca 1 』は直径20mmまでの各種ケーブルに使うことができ、プラグが通ればそのまま螺旋の中に通し、プラグが大きい電源ケーブルなどの場合は巻き付けて使います。長さは伸び縮みするため75〜150cmに対応しており、150cm以上の場合は2本を連結すれば使用可能です。またケーブルに装着する場合は、付属のマジックテープで固定や連結ができます。

 ■ 試聴しました

自宅での試聴結果は、

@スピーカーケーブル(スピーカー直近側)


最初Lchのスピーカーのみに『 Helca 1 』を装着しました。Rchに比べ若干音量が上がり、透明度が上がりました。両chに装着すると非常に滑らかなサウンドとなりました。

A電源ケーブル(壁コンセント→電源タップ)
サウンドのヌケが非常に良くなり、若干感じていた濁りが払拭されました。奥行き方向が深くなり音場も広く感じました。特に低音が深く沈み込むようになったのが印象的でした。

Bラインケーブル(USB-DAC→プリアンプ)


明らかにノイズ感が減退し、透明度がアップしました。低域はさらに下までググッと伸びきりました。サウンドも全体的に瑞々しく、ナチュラルなものになりました。

CUSBケーブル(PC→USB-DAC)
実在感の伴った生々しいサウンドが得られ、ここで音楽のベースでもある低域がさらに深く厚くなり、同時に締まり具合も改善しました。とにかく低音域の情報量が増え、音色の違う低音楽器がはっきり確認できました。PCオーディオで弱いとされている低音の改善が大きいことには大いに魅力を感じました。

これらの結果、ケーブル類がいかに振動やノイズの影響を受け、サウンドが濁ってしまっていたかが実感できます。また、副作用が全くないのも大きなメリットです。まずは『 Helca 1 』1本からお試し下さい。ただきっと追加したくなるとは思いますが・・・。 KRYNAの担当者の話では、お一人で50本以上買われた方もいらっしゃるとか・・・。

 ■ 最後に

今の所、KRYNAからの正式コメントはありませんが、映像系やPC信号のケーブルにも非常に効果が大きいため、高周波ノイズの除去特性もあることが分かったとしています。しかし、これはあくまでも"後付け"の効果で、開発時には見込んでいなかったと言い、良い意味での副産物とも言えそうです。今後この高周波ノイズの除去効果についての検証がなされ、解明もされると思います。(あさやん)


KRYNA「Helca1」


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