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[ 2018年2月27日付 ]

究極のデジタルディスクプレーヤー エソテリック『 K-01Xs 』『 K-03Xs 』
ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、エソテリック Kシリーズ最新鋭機『 K-01Xs 』『 K-03Xs 』を特集! 贅沢な部材と最新のテクノロジーをふんだんに投入した究極のデジタルディスクプレーヤーです!

■ エソテリック デジタルディスクプレーヤーの最新鋭機「Xs」が登場!

PCオーディオを含むファイルオーディオが注目され、その後アナログブームが続いたお陰で、CDプレーヤーをはじめとしたディスクプレーヤーが、忘れ去られた感が無きにしもあらずの昨今です。特に海外製品を含め、ハイエンドのディスクプレーヤーの新製品の発表が、極端に減ってきているようにも感じます。

そんな中、孤軍奮闘しているのがエソテリックです。SACD/CD対応の本格的なメカが供給できるのが、今や日本のD&Mとティアック(エソテリック)だけになってしまった結果が、こういう状況を招いたのだと考えられます。※ユニバーサルプレーヤー用のメカを含め一部海外にも存在します。

エソテリック製品は自社メカを使えることから、特にデジタルプレーヤーのラインナップは充実しており、その全機種がSACDに対応しています。そして、30万円台から200万円台、セパレートタイプ(Grandioso P1+D1×2)に至っては実に600万円を超える超々ハイエンドまで品揃えしています。この結果、同社はますますハイエンドのデジタルプレーヤーでのシェアを拡大してきています。

そんな中、エソテリックのフラッグシップシリーズであるGrandioso(グランディオーソ)を除いた、一体型のデジタルディスクプレーヤー Kシリーズのトップエンド2機種が、この度最新鋭機「Xs」となりました。その内容を詳しくレポートしてまいります。

製品のご紹介の前に、少し話はそれますが、エソテリックの親会社でもある、メカに強いティアックの歴史について検証しておきましょう。

■ ティアックの歴史

ティアックは1953年に東京テレビ音響(株)、1956年に姉妹会社の東京電気音響(株)を設立しました。1959年には2社が提携して、新たにテープレコーダーの製造を開始し、国内販売とともに輸出の増産に入りました。そして、1962年に東京テレビ音響(株)は、社名をティアックオーディオ(株)に、東京電気音響株式会社は、社名をティアック(株)に改称し、1964年の東京オリンピックの年にティアックオーディオ(株)とティアック(株)が合併し、新たにティアック(株)として発足したのです。

筆者が本格的にオーディオを始めた60年代後半から、ダイレクトドライブ方式のターンテーブル(TN-400)や、平型カセットデッキ(1973年国内初のドルビー搭載機「A-350」)が一世を風靡、もちろんお家芸のオープンデッキなど、一時プリメインアンプやセパレートアンプを発売したことはありましたが、その歴史の殆どがメカニズムを中心にして発展してきたと言っても過言ではありません。

そんなティアックがCDの登場から遅れること3年、1985年初の自社製CDプレーヤー「ZD-5000」を発売。本格的に市場に投入してきました。さらにティアックのCDプレーヤーの他社製品との決定的な差別化となったのが、1987年発売のエソテリックブランドのCDトランスポート「P-1」でした。その後1990年、CDプレーヤー「X-1」、そしてティアックブランドでも、その名もずばり「VRDS-10(VRDSメカ搭載)」を1992年に発売し、CDプレーヤーでの不動の地位を固めたのでした。

その後、VRDSの集大成でもあるCDトランスポー トエソテリック「P-0」を1997年に、そしてSACDプレーヤーの登場(1999年SONY「SCD-1」発売)後遅れること4年で、SACD対応のVRDS-NEOを完成させ搭載したSACD/CDプレーヤー「X-01」を発売。SACDにおいてもエソテリックは孤高の存在となったのです。

そのエソテリックが放つディスクプレーヤーの最終型こそが、今回ご紹介する『 K-01Xs 』『 K-03Xs 』なのです。

一体型SACD/CDプレーヤーの銘機「K-01」「K-03」が登場したのが2010年。さらに2014年には、第2世代の「X」モデルへと進化したのでした。このシリーズはエソテリックブランドで最も多くのアワードを受賞しており、世界のデジタルプレーヤーの金字塔へと成長したのです。

その銘機の血統を継ぎ、2018年ついに第三世代「Xs」モデルとして誕生。前作発売からの4年の間にもエソテリック製品はめまぐるしい進化を遂げ、フラッグシップモデル「Grandioso K1」や「N-01」に採用された新しいDACプラットフォームの導入や、最新のデジタル入力部、独自の電流伝送方式「ES-LINK Analog」など、贅沢な部材と最新のテクノロジーをふんだんに投入し、ここに究極のデジタルディスクプレーヤーを完成させたのです。

■ 『 K-01Xs 』とは

『 K-01Xs 』の第一の肝とも言えるのが、前述のような歴史を積み重ね、常に最先端を誇って来たVRDSメカです。SACD/CDのディスク回転にターンテーブルを使用し、面振れをメカニカルに補正することで、読み取り精度を格段に向上させています。

『 K-01Xs 』に搭載しているのは、「Grandioso P1」「Grandioso K1」と同一の高精度ターンテーブルシステムVRDS-NEO「VMK-3.5-20S」で、スピンドルの軸受けには特別に選別された高精度ボールベアリングをペアで採用し、ミクロン精度のジュラルミン・ターンテーブル、20mm厚スチール製ターンテーブル用ブリッジを搭載し、メカユニット単体で実に5.2kgの質量を誇ります。シャッター機構もありディスク収納時にシャッターが閉まることで、メカニズム内部の機密性も高める工夫も施され、これ以上のメカニズムは今後とも存在しないのではと思わせる程の完成度の高さです。

もう一つの肝は、同じく「Grandioso K1」用に開発された最新DACプラットフォームを踏襲した差動8回路/ch構成のデュアルモノD/Aコンバーターの搭載です。DAC ICには最新の旭化成エレクトロニクス社の32bitプレミアムDACデバイス「AK4497」を採用、エソテリック独自の特許技術である35bit D/Aプロセッシング・アルゴリズム、さらにHCLDバッファーアンプ、DSD対応USB、低位相雑音の大型カスタム・クロックなど、究極のデジタルディスクプレーヤーと呼ぶにふさわしい充実した仕様を誇ります。

DAC電源部の回路パターンは従来機にさらに改良を加え、電源トランスも左右独立させ、クリーンで安定性の高い電源供給能力を獲得したのです。デジタル回路・アナログ回路のアイソレーションも従来以上に徹底させ、合計4台(DAC用2台、デジタル回路用とメカ駆動用に各1台)の電源トランスを搭載した電源部や、高剛性シャーシなど同社定評のコンストラクションにより、ピュアで定位感と奥行き感に富んだ迫真の音楽再生を実現できたとしています。

そしてエソテリックのお家芸でもある充実した機能も注目です。

オリジナルFsでの再生に加え、PCMデジタル信号を2/4/8/16倍(最大768kHz)にアップコンバートする機能を装備。さらに独自のアルゴリズムによるPCM→DSD変換機能を搭載しており、DSDは22.5MHzにアップコンバートします。

ディスク再生以外にも多彩な機器との接続を可能にするデジタル入力3系統(USB×1、同軸×1、光×1)を装備。同軸、光入力は、192kHz/24bitまでのPCM、DSD2.8MHz(DoP)入力に対応しています。クロックはGrandiosoカスタムVCXO(電圧制御型水晶発振器)を搭載。大型の水晶片を内蔵し、位相雑音が少なく、中心精度は±0.5ppmを実現しています。もちろん外部からのクロック信号と同期させることができ、10MHzサイン波にも対応し、USB入力時にも外部クロックとの同期再生が可能です。

パソコンと接続するUSB-DACとしてのUSB端子も装備しています。DSD22.5MHz、PCM768kHz/32bitのハイサンプリング再生とアシンクロナス伝送に対応し、スタジオマスター・クオリティのソースも高品位に再生できます。従来のアイソクロナス伝送方式に加え、新たにBulk Pet(バルク ペット)伝送方式にも対応し、音色選択の幅が広がったとしています。

このようにエソテリック『 K-01Xs 』は、これでもか!と思わせる程のディスクプレーヤーとしての完成度の高さを誇っています。ただその分価格も上がってしまったのは致し方ないのかもしれません。

■ 『 K-03Xs 』とは

『 K-01Xs 』の第一の肝と言えるのが、前述のような歴史を積み重ね、常に最先端を誇って来たVRDSメカです。SACD/CDのディスク回転にターンテーブルを使用し、面振れをメカニカルに補正することで、読み取り精度を格段に向上させています。

そんな中、そこまではとおっしゃるオーディオファイルのためのハイパフォーマンスモデルが『 K-03Xs 』という訳です。メカをVRDS-NEO「VMK-3.5-20S」の高精度を継承した「VMK-3.5-10」に、DACは『 K-01Xs 』と同じデバイス「AK4497」をチャンネルあたり4回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成として使用しています。また32bit DACデバイスを複数個組み合わせることで、34bitハイビットD/A プロセッシング・アルゴリズムを採用しています。


■ 最後に
このようにエソテリック『 K-01Xs 』は、フラッグシップ「Grandioso K1」に限りなく近づけることを目標にして開発され、一方の『 K-03Xs 』は、『 K-01Xs 』にいかにコストを抑えつつ近づけるかを目標にしたのだと言います。いずれも同一価格帯では他社には絶対まねのできない、最高の出来映えを誇るディスクプレーヤーに間違ありません。

ここに究極の、そして最終型のデジタルディスクプレーヤーの誕生です。(あさやん)


エソテリック『 K-01Xs 』『 K-03Xs 』

※ご紹介した製品は販売を終了いたしました。
こちらは2020年発売のK-01第四世代機となります。


エソテリック SACD/CDプレーヤー ラインナップ