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[ 2018年4月10日付 ]

驚異の電源ノイズフィルター iFi-Audio『 iPurifier AC 』その効果を体感!
ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、電源電流に起因するノイズを減少させる、iFi-Audioの電源ノイズフィルター『 iPurifier AC 』をご紹介! 実際に使用してみた結果もレポートいたします。

■ 電源の質こそが、オーディオ機器の音質を左右!

オーディオ機器に幾らお金をかけても、それらを駆動するには電気が必要です。その電気はオーディオにとっては単なるエネルギー以上の存在なのですが、AC電源はもちろんDC電源でも様々なノイズに悩まされている昨今です。その電源の質こそが、オーディオ機器の音質を左右すると言っても過言ではありません。

特にデジタル機器の普及、特に携帯電話やインバーター、最近ではLED照明など、リスニング環境はありとあらゆるノイズに曝されています。中でもAC電源では、家中の電気製品から屋内配線を通じて流れ込んで来るノイズに加え、空中を飛び交っている高周波のデジタルノイズが屋内配線や、電源ケーブルに飛び込んで来るケースが、日に日に増加傾向にあるのはご承知の通りです。

従来はオーディオ回路にノイズが飛び込まないようにシールドを強化したり、デジタル部とアナログ部を分離させたりと、色々な方法で対策が取られてきましたが、大概は不完全であり、さらに同一筐体内にノイズ発生源がある場合は、シグナル・グラウンドを介してノイズがオーディオ回路に入り込んでしまいました。

さらに日本の一般のご家庭の電源環境では、コンセントにはアースが来ておらず(接地されていません)、例え壁コンセントにアース端子があっても、それは洗濯機や電子レンジなどでの感電防止のための簡易アースで、本来のアースである【0V】ではありません。

■ アクティブ電源ノイズキャンセラー『 iPurifier AC 』の効果を徹底検証!

今回、以前このコーナーでTELOSのアクティブアース発生器「GNR mini3.1」をご紹介した際にも少し触れました、iFi-Audio(アイファイオーディオ)のアクティブ電源ノイズキャンセラー『 iPurifier AC 』の効果を筆者宅で徹底検証しましたので、ご報告します。

『 iPurifier AC 』はAC電源の壁コンセントや電源タップの空いた3Pタイプのコンセントに挿して使う並列型の電源ノイズフィルターで、その機能は以下の4つあります。

【1】アクティブノイズキャンセレーション(軍事技術:特許技術)等のテクノロジーを応用して、電源タップに差し込むだけで電源電流に起因するノイズを100分の1以下に減少させる。
【2】コンセントの極性をLEDで判別※(通常は検電ドライバーが必要)できる。
 ※極性判別にはアースが取れている(=アースLEDが緑色)必要があります。
【3】壁コンセントなどのアース端子が実際にアースされているかLEDで確認できる。
【4】並列タイプでは珍しいのですが、家庭内の上流の機器で何らかの電源トラブルが起きた場合、最大で25000A(8/50μ秒)の「サージプロテクション(Overvoltage Surge Protection)」効果がある。

そしてiFi-Audio曰く、『 iPurifier AC 』はさらに以下の様な効果を発揮するとしています。

【1】電源プラグの2本のピンに同相で存在する「コモンモード・ノイズ」(電源の+側、−側で同方向に流れるノイズ電流)の除去〜これには大地アースが基準電位になることが必要。
→『 iPurifier AC 』のEarth(アース)表示のステータスLEDが緑に点灯すれば「コモンモード・ノイズ」が除去できる。赤では動作しません。

【2】電源プラグの2本のピンの間にのみ存在する「ディファレンシャル(ノーマル)・ノイズ」(電源電流と同一経路で流れるノイズ電流で行きと戻りの向きが逆)が除去できる。
→『 iPurifier AC 』のEarth(アース/右LED)表示のステータスLEDが赤のままでも「ディファレンシャル(ノーマル)・ノイズ」は除去できます。


『 iPurifier AC 』は一般的なノイズフィルターの様なパッシブ型(MHz以上の高周波ノイズにのみ有効)ではなく「アクティブ型」であるため、広い周波数帯域に亘ってノイズを40dB低減させるとしています。

コモン・モード・ノイズは、一般にはあらゆるスイッチング電源によってさまざまな程度のノイズが生み出され、これが最大の問題となります。『 iPurifier AC 』の上部にあるアース・ポート(バナナプラグのメス)から、最大のノイズ源となっている機器(通常は電力消費量のいちばん大きい機器)のケースにアース線を加えることによって、相当なノイズ・リダクションを実現することは可能です。この場合、機器の電位が十分に低く『 iPurifier AC 』がアースとして認識できる必要があります。

アース線を加えることによって『 iPurifier AC 』が、アースとして認識すれば相当なノイズ・リダクションを実現することが可能ですが、基本的には本格的アース工事(最低でも10万円以上かかる)が必要になります。ご検討下さい。なお、TELOSの「GNR mini3.1」「GNR(Grounding Noise Reducer)」でも可能なことは自宅で確認済みです。


また、Polarity(ポラリティー:極性/左LED)表示のステータスは、ピン配列が間違っている場合には、赤になり自動的にそれを知らせてくれます。「極性不明(undefined polarity)」として検知し、その結果LEDが赤色になるのです。しかしこうなっても、家庭内で配線ミスがあるということではありません。 ※日本の集合住宅やマンション・雑居ビルでアースLEDが緑色で、かつ極性を挿し換えても赤色になる場合も、ほとんどが「バランス型トランス」を介した電源を設置してあるケースだと考えられます。

このようにアースと極性のすべてが問題ない場合は、緑のLEDが2個とも点灯します。なお、「サージプロテクション」は、LEDが2つとも赤であっても正常に動作するとのことです。

■ 使ってみました
自宅で実際に『 iPurifier AC 』を使ってみました。まずはその時の状況から・・・

【1】最初、空いた壁コンセントに 『 iPurifier AC 』を差し込みました。
−LEDは、Polarity(左)、Earth(右)とも赤が点灯(写真左)。
−サウンドは、しなやかで柔らかく透明感が向上しました。全体的に静かになりました。

【2】次に『 iPurifier AC 』のアース・ポートにバナナプラグ付きのスピーカーケーブルで、前述のTELOSのアクティブアース発生器「GNR mini3.1」(写真中央)に繋ぎました。
−LEDは、Polarity、Earthとも緑が点灯(写真右)。
−サウンドは、立体的になり、滑らかでヌケが良くなり、質感はナチュラルになりました。


【3】電源タップの空きコンセントに「GNR mini3.1」からアースを取った『 iPurifier AC 』を差し込みました。
−LEDは、Polarityは赤、Earthは緑に点灯。
※タップの右上の2Pプラグが左右逆と言うことが判明。差し替えると両方とも緑が点灯。
−サウンドは、輪郭がはっきりし音離れが良くクッキリしました。


【4】アースを取った『 iPurifier AC 』を壁コンセントに、もう1個『 iPurifier AC 』を追加してタップに差し込みました。
−LEDは、Polarity、Earthともすべて緑が点灯。
−サウンドは、さらに立体的になり、奥行き感もたっぷりで、音像がコリッとして分離良く、響きも非常に豊かになりました。明らかにS/Nが向上しました。



■ 最後に
最後に『 iPurifier AC 』をすべて外した時のサウンドは、明らかに分解能が悪くなり、音像は中央に集まり、音場はのっぺりとして平面的になってしまいました。

結果、筆者は迷わず1個『 iPurifier AC 』を購入したのでした。今後複数個を導入予定です。

お願い:本文中のTELOS「GNR mini3.1」や、上級機「Grounding Noise Reducer」では確実にアースは取れますが、他にもアースを取る方法はございます。接地アース工事はもちろんですが、音質を確認しながら壁コンのアース端子に繋いでみる(ノイズを拾って反って音質が悪化する場合もあります)。また、これはあくまでも自己責任でお願いしたいのですが、鉄の水道管や庭の鉄杭などからアースを取って見て下さい。筆者も自宅の庭に1mのアース棒を打ち込んでアースが取れました。しかし、アースの接地抵抗を下げるには本格的なアース工事(10万円以上)が必要になります。 (あさやん)


iFi-Audio『 iPurifier AC 』