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[ 2018年5月8日付 ]

〜筆者が考える! 絶対失敗しない!! ハイエンド・電源対策アクセサリーをご紹介!〜
ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
オーディオシステムを最大限活かすためには、「電源供給経路の最適化」が最も重要です。今回は、筆者が選ぶ電源対策が可能なアクセサリーBEST5をご紹介します。



■ 電源対策で機器の能力を最大限発揮!

高級オーディオシステムでは、一応そのままでも構成するコンポーネントの基本的な性能の範囲内の音ではありますが、それなりに楽しむことはできます。そしてオーディオアクセサリーの有能性を理解しようとされない一部の方は、これで十分と考えられています。しかしそれでは非常にもったいない話です。恐らく機器の持つ真価の何割かしか発揮されていないのではないでしょうか。

それらを生かすオーディオアクセサリーの中でも特に「電源供給経路の最適化」が最も重要です。文字通りオーディオシステムにエネルギーを供給する源(みなもと)は電源です。マイ電柱(オーディオ専用の電柱)を建てられた一部の超マニアを除き、一般的には、オーディオの電源経路は分電盤の出力ケーブルから始まり、屋内配線、壁コンセント、電源ケーブル、電源タップ(BOX)、そして機器に直結されるケーブルで構成されています。

そして日本国内で特に電源を重要視しなければならない理由がもう一つあるのです。日本では一般的には「単相三線式」を基本に安定した高品位な電源が供給されています。ただし住宅用の単相電圧は、世界的に見ると今や非常に珍しい100Vという低い電圧で供給されています。さらに電源周波数も50Hzと60Hzが併存している点も非常に異色です。

この結果、機器の消費電力が同じ場合には、機器が必要とする消費電流が多くなってしまうため、より電源環境による影響を受けやすくなってしまうのです(例えば230Vの機器の場合、100Vの機器の半分以下の電流量で済む)。さらには、古い家屋の一部にはまだ単相二線式も残っている上、一般家庭の殆どは本格的なアース(大地アース)も取られていません。

過去に度々このコーナーで述べていますように、電源経路を強化することで、機器の能力を最大限発揮できるのはもちろんのこと、近年特に問題となってきている、電磁波や静電気の影響からの回避、電源経路の振動対策、さらには電源アース対策に至るまで、我々ができる電源対策はまだまだ沢山あるのです。

電源ケーブルの交換は、今や常識となりつつありますし、壁コンセントから直接電源を取るより、電源タップ(BOX)を経由する方が音が良いと言うのも今や常識です。そんな中でも壁コンセントの交換、屋内配線材の変更、本格的なアース工事などは工事業者に依頼しなければなりません。しかし今回はコストは掛かりますが、ご自身でも十分な電源対策が可能なアクセサリー5種をご紹介します。

いずれも、筆者が考える【絶対失敗しない】オーディオアクセサリーばかりです。

■ 【1】中村製作所「NXP-001SE-BLACK」


中村製作所の床据え置き型「NXP-001」、壁コンセント直接接続型「NXP-001V」からなる電源タップ「NXP-001」シリーズのSE(スペシャル・エディションバージョン)です。外観全体を高級感のある梨地黒焼付塗装とし、特殊金属製ベースボード・制振側面パネル・高さ調整可能な特殊金属フットなど大幅に強化されており、重量もオリジナルの約3倍の1.8kgになっています。サイドパネルのメッキ処理は金メッキ・クロームメッキ・黒クロームの3種類から選択可能です。

本シリーズに搭載されている「角形アモルメットコア」のメリットは、通常のトロイダルのドーナツ型に対し、コイルの「整列密巻き」が可能なため、漏れ磁束がほとんどゼロとなり、電源雑音を強力に吸収すると言います。結果、音質面・特性面・安全面・省スペース面で、より高効率な電源対策が実現できたのです。

自宅USB-DACでの試聴では、音場が広々と感じられ、音楽のスケール自体が大きくなりました。音質は全体的にふくよかになり、デジタル音源とは思えない程音に厚みが出てきたのです。高域の情報量もハイレゾ音源ならではの伸びやかさ、微細な部分も聴きとれるようになりました。これはS/Nの向上が大きく効いた結果だと感じました。自宅の電源環境が悪いと感じていらっしゃるオーディオファイルに一押しの、アモルメットの効果を最大限生かした電源タップです。

■ 【2】中村製作所 「NSSE-01B」

中村製作所が2年前に開発・発売したトロイダル構造のアモルメットを使ったオーディオ用のノイズフィルター「アモルメットコア」は、音質面での副作用が極めて少ないということで、今も大ヒットを続けています。それは一度お使いになると効果を実感され、結果リピーターがどんどん増えているためでもあります。ただ従来のアモルメットコアでは、市販の大型プラグ付きの電源ケーブルは太すぎてそままでは使えませんでした。

本機は、巨大なアモルメットコア(外径70mm、穴径43mm)を内部に搭載し、重量のある40mm厚の削り出しアルミブロックを2枚合わせて成型された超弩級バージョンです。付属の台座も床面からの振動対策として音響的に選び抜いた木材が使われています。 その効果はこれまでのアモルメットコアと同様で、サウンド全体がナチュラルで、輪郭鮮明・繊細、歪みを感じさせないクリアなものになります。

また、低音の伸びも明らかに向上しており、押し出し感も強力になっており、特に電源ケーブルでは顕著でした。 電源を含めて、高周波ノイズがいかに再生音に"悪さ"をしていたか、改めて思い知らされました。市販の電源ケーブルを分解することを躊躇されていたオーディオファイルや、アモルメットコアの効果をスピーカーケーブル(左右のスピーカーケーブル2本同時など)にも活かしてみたかった方にもお勧めです。

■ 【3】アコースティックリバイブ「RPC-1」

本機は、赤外線マウスの発明者である故・柴田潤氏のアイデアをHWTとアコースティックリバイブの共同研究によって発展、製品化させたもので、内部の特殊コイルの組み合わせによる独自の回路設計により、電源経路に乗る超高周波ノイズの除去だけを行うという製品です。

本機には、コンデンサーや抵抗などのパーツ類は一切使用されていないため、エネルギーのロスが一切ありません。この結果、従来の直列型(挿入タイプ)や並列型(吸収 タイプ)を問わず、ノイズフィルターの使用時に感じることのあった、ある種の色づけやエネルギー感の後退、音像が痩せてしまうような副作用が一切ありません。一方でS/N感や透明度が向上するという、通常は相反する要素を両立させている画期的な製品です。

自宅壁コンセントに本機を繋いだ途端、再生音にまとわりついていた僅かなザワザワ感が払拭され、中高域が非常に滑らかになりました。さらに顕著であったのは低域が深々と沈み、お腹に響く様なぶ厚い重低音が感じられる様になったのでした。これまでスピーカーの置き場所や置き方を替えたり、アンプを交換しても実現できなかった、実にリアルな低音が実現したのです。ハイレゾのデジタル音源でも、全体に一本芯の通った音離れの良いサウンドになり、よく言われるデジタル臭さが明らかに改善できたのです。 これは超高周波ノイズに的を絞った電源対策の大発見であり、副作用がないどころか、従来どうしても叶わなかった音質改善効果を実現した画期的な電源アイテムです。

■ 【4】テロス「Grounding Noise Reducer Mini 3.1」

本機は、市場にあるパッシブタイプの「仮想アース」と同様、オーディオ機器のシャーシアースに1本の付属ケーブルで接続する機器です。これによりオーディオシステム全体のアース電位をほぼ0Vにできると言います。従来の「仮想アース」では、音質の変化はあるもののアース電位の変化は殆どないことから、これだけでもテロスの凄さに驚かされます(0Vに近いかはiFi-AudioのAC電源用アクティブ・ノイズクリーナー「iPurifierAC」で確認可能)。

一般的にオーディオ機器の増幅回路は、基準電圧(0V)を前提に設計されています。しかし機器を電源に接続するだけで、機器自体がそれぞれ違う電位を持ってしまいます。さらに、これらをラインケーブルで接続すると、平均化されて共通したある電位となってしまい、結局基準電位とは違う電位でオーディオ機器が動作することになります。これまでは、この問題の解決策は本格的な「大地アース」の設置しかなかったのです。

自宅リスニングルームでの使用では、空間が澄みわたり、楽器の前後感がはっきりし、楽器が実在するかのようなリアル感でした。ベースの吹き出し感に圧倒され、分解能の良い低域がググッと下まで伸びきったのです。 ボーカルと楽器の掛け合いでは、さらにボーカルが前に出て来て、楽器はその後ろにと、はっきり確認出来る程リアルでした。従来は楽器と重なって多少邪魔されてぎみだったボーカルが、すっきり前に出て来たのです。 楽器の立ち上がりが良くなり、ベースが出しゃばることなくクッキリ分離し、低音がズシンと響くのです。スピード感のある楽しいサウンドになりました。

効果は予想を遙かに超えるもので、機器のシャーシ電位が下がることで、信号電圧とアース電位の差が大きくなり、エネルギーロスがなくなることが、大きく貢献しているのではないかと考えられます。今さらながら、こんな所にも信号ロスがあったのかと思い知らされます。

■ 【5】アコースティックリバイブ「RTP-6 ABSOLUTE」

フルテックとの間で共同開発された、世界で初めて電極に純銅が使用された「GTX-D NCF(R)」を採用しています。本来コンセントの電極部はバネの特性が必要となるため、純銅を使用できず、どうしても音質は低下していました。しかし本機では、ステンレス製の加圧バネで電極を保持することで、長期間の安定と通常の電極素材を上回る保持力が得られたのです。差し込んだ際の感触は実にスムーズで気持ちの良いものです。

純銅の導電率を100%とした場合、導電率が最も高いといわれている電極素材であるベリリウム銅でさえ53%しかないとのことです。この差は非常に大きいと言わざるを得ません。さらに、電極部分は-196度での超低温処理を施されており、導通特性はかつてなかったレベルに達しているのです。コンセントボディーには、フルテックの新製品の壁コンセントやプラグで使用され、既にオーディオファンの間で評判となっている特殊素材「NCF(ナノクリスタルフォーミュラ) 」を採用しています。これまでの制振効果に加え、コンセント自体の帯電を防止することで、ノイズの発生を抑え、静寂感がさらに向上し、音の濁りがなくなることで、埋もれていた微妙なニュアンスまで再現できるといいます。まさに、最先端のハイテク音響用コンセントです。

音質はとにかく静かで、透明度が半端でないほど向上し、立ち上がりも素晴らしく、非常に純度の高いサウンドです。音源を丁寧に生々しく描き、中低域の充実、低域はさらに下に伸びきったのです。従来の電源タップでは、電源供給の何処かにロスがあったのだと改めて思い知らされ、明らかにシステム全体がグレードアップしたのを感じました。『 RTP absoluteシリーズ 』こそ、再生音にプラスになることは全てやり尽くした電源タップで、それは明らかにクリーン電源やアイソレーショントランスをも上回る鮮度を実現したのです。


■ 最後に
電源事情は、それぞれの住環境によって全く違います。しかしオーディオシステムの「音」の源は自宅に給電されている商用電流です。音楽はその商用電流を加工した結果であり、電源を強化することが、やはり良い音を得られる最短ルートなのです。

筆者の考えとしては、やはりお金を掛けるなら電源対策が最も確実で"失敗しない"方法です。電源の高周波ノイズ対策とアース対策こそが、間違いなく今後のオーディオの主要テーマになると思います。オーディオ界の流れより一歩先を進んでみてはいかがですか。(あさやん)


電源対策アクセサリーBEST 5