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[ 2018年12月4日付 ]

 11年ぶりに復活! LUXMAN「Neo Classico II」  〜 真空管プリメインアンプ『 SQ-N150 』/CDプレーヤー『 D-N150 』登場! 〜

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、ラックスマン 真空管プリメインアンプ『 SQ-N150 』と、CDプレーヤー『 D-N150 』をご紹介。初代のお洒落なA4サイズというコンセプトはそのままに、さらに上級機という位置づけで開発された製品です。


■ 「Neo Classico」が11年ぶりの復活

2007年にラックスマンが発売した、お洒落なA4サイズのコンパクトな真空管プリメイン「SQ-N100」と、CDプレーヤー「D-N100」をご記憶の方は多いと思います。当時は2ウェイ・ブックシェルフスピーカー「S-N100」との組み合わせが提案され、それらを総称して「Neo Classico(ネオクラシコ)」を命名されました。

当時、オーディオ機器は重厚長大でなければならないとの風潮がオーディオ界で支配的でしたが、一部のユーザーからの"重厚長大は嫌だけれど音質には妥協したくない"との要望に応えた形で、ラックスマンが提案したのが「ネオクラシコ」だったのです。

「SQ-N100」は、真空管アンプとしては非常にコンパクトで、精緻感あふれる上質なデザインと真空管ならではの高品位で魅惑的な音質。そしてコンパクトでデザイン上の統一感もある「D-N100」とのセットが、音にこだわる音楽ファンやオーディオマニアのサブシステムとして支持され人気を集めました。しかし惜しまれつつ生産終了となってしまったのでした。

今回「Neo Classico」が11年ぶりの復活となった"Neo Classico II"。単なるマークIIではなく、上級機という位置づけで開発されたと言います。11年の進化と新しいサウンド傾向についてレポートしてまいります。


■ 「Neo Classico」とは

1925年(大正14年)創業のラックスマンは、それまでの真空管アンプや、トランジスタアンプのラインナップに加え、1972年(昭和47年)オーディオライフの新たなスタイルを提案すべく「L&G」ブランドを設立したのでした。オレンジ色と白色を基調とした華やかなデザインは、高感度なユーザーの支持を集めました。筆者としては"Neo Classico"はその流れの延長線上にあると感じます。


前述の初代「Neo Classico」は真空管をフィーチャーしたコンパクトなA4サイズのコンポーネントということで、大いに注目を集めました。真空管はラックスマンブランドの代名詞的増幅素子であり、この真空管をお洒落なA4に凝縮したのが意義深かったと思います。今回の"Neo Classico II"ももちろん前作同様A4サイズでの製品化です。


■ 真空管プリメインアンプ『 SQ-N150 』



パワーアンプ部の出力管には、前作「SQ-N100」同様[EL84(6BQ5)]を4本でプッシュプル動作させて、10W+10W(6Ω)の出力を得ています。ただ同じ[EL84]ではありますが、今回はより信頼性の高いスロバキアJJ製の真空管が使われています。

前作は6Ω時の出力が12W+12Wでしたが、今回増幅回路をムラード型(差動型位相反転回路)から[EL84]と相性の良いP-K分割型位相反転回路にしたことで、プレート電圧に余裕を持たせ、高い信頼性と長期の安定性を狙った設計のようです。位相反転段には同じくJJ製の[ECC83(12AX7)]を使用しています。


因みに、1962年発売で一世を風靡したラックスマン(当時はラックス)の本格的管球式プリメインアンプ「SQ5B」に使われていたのも同じく[6BQ5]でした。

本機は、プリアンプ部がソリッドステートのハイブリッド構成をとっています。前作はMMカートリッジのみの対応でしたが、今回はMCカートリッジにも対応すべく本格的なヘッドアンプまで内蔵しており、ハイレベルなアナログレコード演奏が楽しめそうです。

フロントパネルにはボリューム・コントロールとラインストレート・スイッチに加え、今回新たにLR2個のLED照明付き出力メーターが装備され、同社の高級アンプ同様、音楽をメーターの動きで楽しませてくれそうです。さらにシャーシの上面には入力切換、トーン・コントロールと新規にバランス調整ボリュームが設けられています。

入出力は、ライン3系統、フォノ1系統(MM/MC切替)の合計4系統の入力とスピーカー1系統とヘッドフォン1系統の出力を装備。電源ケーブルにも手抜きはなく、OFC極太線ノンツイスト構造のラックスマンの標準電源ケーブルJPA-10000が驕られています。

『 SQ-N150 』 の開発にあたっては、同社「LX-32u」や「LX-380」の開発で得られたノウハウを注入し、ドライブ力よりも豊潤な真空管サウンドを末永く楽しんでいただくことを目指したということです。


■ CDプレーヤー『 D-N150 』



アンプ同様A4サイズのコンパクト設計ながら、大型の上級機「D-380」に導入されている、正確で安定した読み取りが定評の高信頼性CD専用ドライブメカを搭載。再生能力を大幅にアップさせています。回路は前作同様ソリッドステートです。

DACチップにも192kHz/32bit対応プロセッシングと高品位なバッファーアンプを内蔵し、ここも「D-380」と同じTI社製のPCM5102Aにアップグレードされています。スペックでは、ダイナミックレンジとS/N比がともに6dBも改善されています。

結果32bit音源にも対応し、同社製品としては初めてBulk(バルク)転送方式に対応したUSB入力を搭載したことで、パソコンおよびD/Aコンバーターの負荷の軽減が実現でき、再生音質が大きく向上しています。

入力は、デジタルがCOAX、OPT、USBの3系統で、COAX/OPTは192kHz/24bitまでに対応、USBは192kHz/32bitのサンプリング周波数のPCファイル再生に対応しており、ハイレベルなPCオーディオも楽しめます。

出力は、アナログ1系統とデジタル(OPT)1系統です。電源ケーブルはJPA-10000、付属のリモコン(RD-27)は「SQ-N150」はもちろん、現行ラックスマン プリメインでのボリュームのUP/DOWNも可能です。


■ Neo Classico II『 SQ-N150 』+『 D-N150 』でのサウンドは



大きさから来る当初の不安をものともせず、小型ブックシェルフのみならず、大型スピーカーでも余裕のサウンドを聴かせてくれました。真空管アンプならではのふくよかで弾力のあるボーカルには、「もうこれで十分」と感じさせられる程でした。「本当にこれが10Wの音」と言うのが正直な感想です。この温度感&湿度感は真空管ならではのものとも感じました。

一方、フロントパネルのライン・ストレート(トーン・コントロール回路をバイパス)のONでは、透明度が上がりスッキリとしたやや現代的な、立ち上がりの良い生き生きした明るめのサウンドになり、ソフトのジャンルや好みによって選択できます。またトーン・コントロールを使うことで好みのサウンドも楽しめます。

アナログプレーヤーを接続してのレコードの音は、CD以上に滑らかで優しくなり、十分にリラックスして楽しめるアナログサウンドとなりました。



■ 最後に
この"Neo Classico II"の、ネジ類を表面に露出させず、エッジを活かしたシャープなデザインのブラスターホワイトの筐体は、同社のハイエンド機器に通じる高級感を備えています。 さらには、持つ喜びをも十分味わわせてくれ、そのお洒落なデザインが小型ながらも所有欲を十分満たしてくれることでしょう。

決して音質だけを追い求めるのではなく、あくまで音楽を楽しくゆったり聴きたい音楽ファンに、そしてオーディオマニアがリラックスして聴くためのサブシステムとして、お使いいただきたいコンパクトなオーディオシステムです。(あさやん)




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