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[ 2019年 7月30日付 ]

 JBL伝統のホーン&ドライバー搭載『 STUDIO 6シリーズ 』に迫る!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、お手頃価格で鳴らしやすい、良き時代のJBLのイメージそのままに現在に蘇ったスピーカー『 STUDIO 6シリーズ 』を取り上げます。


■ JBLについて
現在、JBLブランドのスピーカーには、「EVEREST DD67000」「L100 Classic」などの《 プレミアムモデル 》、「4367」「4312G」などの《 スタジオモニター 》、そして今回取り上げる「STUDIO 6シリーズ」「Stageシリーズ」などの《 スタンダードモデル 》の3ラインがあり、多彩です。

JBLは、ジェームス・バロー・ランシング氏によって、1946年に米カリフォルニアで設立されました。氏はJBL設立以前、アルテック・ランシングに籍を置いており、かの銘機「アルテック604」も開発しています。特に70年代、一世を風靡した「4343」をはじめとする「JBLスタジオモニター・シリーズ」は、私はもちろん、オーディオマニアの憧れの的でした。

同社のスタジオモニターは、プロオーディオの現場で鍛えられ、そして磨き抜かれ、そのノウハウを注入して卓越した音響特性を持つ、数々のホーム用スピーカーの傑作を世に送り出してきました。

そして、70年を越す歴史を持つJBLスピーカーの魅力は、何といっても「ホーン&ドライバー」にあるのは疑いのないところです。それが今に至るまで、アメリカを代表するスピーカーブランドであり続け、多くのオーディオファンから常に高い評価を受けている理由でもあると思います。

■ STUDIOシリーズについて
《 スタンダードモデル 》の「STUDIOシリーズ」はこれまで、2011年発売の「STUDIO 5シリーズ」、2013年発売の「STUDIO 2シリーズ」がありました。

これらはいずれもホーンを採用してはいましたが、「STUDIO 5シリーズ」は独特の縦型ホーンで違和感は否めず、ホームシアター指向であったため、今ひとつ人気は出ませんでした。

一方の「STUDIO 2シリーズ」は、25mmアルミベースのドームツイーターに、後にご説明しますHDIホーンを付けたもので、本格的ホーンとは少し違う構成を取っていました。

■ 最新モデル『 STUDIO 6シリーズ 』の特長を見てまいりましょう。


  • JBL伝統のコンプレッションドライバーと最新のHDIホーンを全モデルに採用

    やはり、『 STUDIO 6シリーズ 』で一番に目につくのは、JBLスピーカーのシンボルともいえるホーンで、JBL Professional直伝のHDI(ハイ・ディフィニション・イメージング)ホーンです。

    HDIホーンは、大型モニタースピーカー「4367」のために開発された技術で、「Xウェーブガイド・ホーン」を搭載することで、ホーンシステムならではの高密度かつ緻密なディテール表現と、広く一定した定指向性を獲得できたのだとしています。広いサービスエリア全体にわたり、フラットな周波数特性と均一な音圧で、正確な音像定位と共に明瞭なJBLトーンを実現できたのです。
    HDIホーン

    ドライバーは、前作「STUDIO 5シリーズ」と同じ「2441H」で高分子系のTeonexダイアフラム、マグネットはネオジュームのリングマグネット採用のコンプレッションドライバーです。世界中のコンサートで活躍するJBL ProfessionalのSRスピーカー「VERTEC SUBCOMPACT MODEL」のために開発されたドライバーです。
    コンプレッションドライバー

    ただ「STUDIO 5シリーズ」と比べ、ホーンの性能が格段に向上しており、指向性が広く、周波数特性も広いエリアにわたって制御されています。その結果、低歪みの高音を広く行き渡らせることができ、エネルギー感を伴った豊かな表現力と、しなやかでなめらかな音色を実現できたのだとしています。

  • PolyPlas(ポリプラス)コーン・ウーファー搭載

    ウーファー(STUDIO 698のスコーカー含む)ユニットには、軽さと剛性を両立したPolyPlasのコルゲーションつきコーンを採用。マグネットには、対称磁界を形成するポールピース構造と、変調歪低減技術を組み合わせたJBLお得意のSFG磁気回路を搭載しています。小音量時から大音量時まで、JBLならではのリズミカルな低音と歪みの少ないクリアな中低域再生を実現できたのです。

  • 最適化されたエンクロージャーとバスレフポート

    エンクロージャーはつなぎ目のないMDF製で、前後のバッフルとも両サイドがラウンドエッジ構造で、優美さに加え、回析による輻射を抑え、豊かな音場を再現します。また、背面にはフレア付きバスレフダクト(STUDIO 660Pは底面)を設けることで、ポートノイズを抑えることができたのです。内部の適切なブレーシングにより共振も抑えたとしています。なお、STUDIO 698/680はバイワイヤリング対応(他はシングル)となっています。

■ 日本橋1ばん館で試聴しました


『 STUDIO 680 』は、厚くたっぷりの低域、ハリのある中域、そしてキレの良い高域のバランスの良いフロアタイプです。この底抜けの明るさ、スピード感はホーンならではと感じました。かつてのJBLのような荒々しさやキツさはなく、あくまでもスケール感やゆとりを感じさせる、音楽を楽しく聴かせる音楽指向のスピーカーと感じました。

一方の『 STUDIO 630 』は、ブックシェルフとしては若干大きめですが、その分低域が厚くしっかりしています。ボーカルはかつてのJBLとは違い、口は原寸大でヌケの良いもので、高域は爽やかで軽やかでした。スピーカーの大きさ以上にスケール感があり、この大らかさはJBLのホーンスピーカーならではと感じました。

久々にお手頃価格で鳴らしやすい、いかにもJBLらしいホーム用スピーカーの登場です。その魅力は何といってもこだわりのコンプレッションドライバー。快活・明快・鮮烈、そしてスケール。良き時代の【 JBL 】のイメージそのままに現在に蘇った、ハイC/P『 STUDIO 6シリーズ 』の登場です。
(あさやん)


今回ご紹介した JBL『 STUDIO 6シリーズ 』 はこちら