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[ 2019年 8月20日付 ]

 DELAデジタルミュージックライブラリー『 N100 』初体験レポート!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
先日、DELAデジタルミュージックライブラリー『 N100 』を試用しましたので、そのレポートをご覧ください。同時に、USB接続光ディスクドライブ『 D100 』もレポートいたします!!


■ DELAとは
DELAは、メルコが高品質なオーディオ専用製品開発のために新たに創ったブランドです。

メルコ(PC関連ブランド:BUFFALO)は、パーソナルコンピュータ周辺機器の総合メーカーですが、元を正せば、1975年創業の音響機器専業メーカー(真空管アンプやレコードプレーヤーなど)でした。1978年に改組して、(株)メルコとして設立し、1981年以降コンピュータ事業に参入したのです。この歴史からお分かりになるように、DELAによって同社のルーツでもあるオーディオ業界に回帰したともいえます。
糸ドライブプレーヤー

■ DELAのミュージックサーバーについて

[上段] デジタルミュージックライブラリー『 N100 』
[下段] USB光ディスクドライブ『 D100 』


DELAのミュージックサーバー(ストレージ内蔵プレーヤー)のラインナップとしては、《 デジタルミュージックライブラリー 》の製品名で「HA-N1A」シリーズと「HA-N1Z」シリーズ、そして「N10」があり、いずれもPCメーカーのNAS(Network Attached Storage)とは違う、高音質と操作性の良さでいずれもヒットを続けています。

DELAブランドとしての最初の製品「HA-N1」は当初、オーディオ専用のNASとして誕生しました。ネットワークプレーヤーと接続して使われることを前提に専用ポートを設け、PC用のNASと異なり、フロントパネルにディスプレイを搭載することで、音源の表示や設定変更がパソコンなしでできるなど、オーディオファンに支持されました。

その後、ファームウェアのアップデートを繰り返してUSB-DACの接続に対応し、ネットワークプレーヤーの一部の機能も持たせ、USB-DACを「HA-N1」に接続することで、ネットワークプレーヤーと同等の使い方ができるようになったのです。現在お持ちのUSB-DACを有効に使え、ネットワークプレーヤーの内蔵DACに依存することなく使えるメリットは大きいのです。私自身は、ここが最大のメリットだと思います。

さらに「HA-N1」はアップデートを繰り返し、楽曲配信サイトからの自動ダウンロードやCDのリッピングにも対応し、デジタル音源を管理する機器として発展してきたのです。保存機能に特化したNASでもなく、デジタル変換するトランスポートだけでもなく、楽曲の保存・管理・配信・再生、バックアップまでを一挙に行うネットワークプレーヤーを超えたことで、新しいジャンルの機器《 デジタルミュージックライブラリー 》と名付けられたのです。

今回、DELAのミュージックサーバーの入門機ともいえる『 N100 』と、同じくCDリッピングドライブ《 USB光ディスクドライブ 》の『 D100 』をお借りして、じっくり自宅で試用することができましたので、接続、セッティング、CDリッピング、操作方法、そして両機のサウンドについてレポートします。

■ 試してみました
今回試用した『 N100 』『 D100 』は共に横幅215mmとコンパクトで、横に並べれば、ほぼ標準サイズ(430mm)になり、ラックはもちろんですが、重ねてデスクトップとしても使いやすい大きさです。フロント・天板はオーディオ機器に相応しい美しいヘアライン仕上げのアルミ仕様で、安っぽさはありません。「HS-S2(Highly Stable Storage System)」という制振設計が施されており、ここにもPCメーカーの同種製品との違いが見られます。

なお、『 N100 』の内蔵ストレージは、1.0TB(テラ)の2.5インチのHDDで、CDアルバム約2,000枚分とのことです(容量の一部は管理情報や設定の保存に使われるため、全てを楽曲保存に使っているわけではありません)。USB接続型HDDを追加することで、容量拡張やバックアップにも対応しています。オーディオに特化したファンレス設計のため、HDDの動作音もほとんど気にならないレベルでした。CDのリッピングはもちろん、e-onkyoやmoraなどからのPCレスの自動ダウンロードも可能です。


◆自宅のオーディオ機器との接続
リアパネルの右側のUSB-A(USB 2.0)端子「2」から、USB-DAC「Brooklyn DAC+」のUSBインに接続。ここでPCオーディオなら専用ドライバーをダウンロードしなければならないところですが、『 N100 』はUSBケーブルを接続するだけで《 N-2680 Brooklyn DAC+ Media Renderer 》とすぐに認識され、即再生ができるという手軽さです。これは、現行の主なUSB-DACの対応ソフトが予め組み込まれていることで可能なのだそうです。


◆セッティング
CDリッピングのための『 D100 』をリアのUSB-A端子の「1」に接続します。本機ではCDソフトのメタデータ(CDのアルバムジャケットやアーティスト情報など)を「Gracenote(グレースノート)」から入手するため、LAN(有線)接続が必須となります。

自宅ではルーターが3階、オーディオルームが1階ということで無線LANを使用しているのですが、たまたま1階で使っていた「無線LAN中継機」の底部にLAN端子があり、そこに繋ぐことができました。


なお『 D100 』は、『 N100 』と接続(他のDELA製品やFidata、SONYの一部製品でも可能)しなければ、パワースイッチを押しても単独では電源が入らない設計ですので、注意が必要です。あくまでリッピング用であり、本機だけでの光ディスクプレーヤーとしての使用は想定されていません。また『 D100 』は、BD/DVDはデータディスク、CDはCD-DAディスクの読み出しのみをサポートしています。


◆CDリッピング
『 N100 』の本体画面を見ながら、右側の4つのボタンを操作することで、簡単にCDリッピングができてしまいます。ファイル形式の確認(WAV)と、進捗確認(何%完了)ができます。全くのPCレスで行え、この簡便さは正直手持ち無沙汰なくらいで、従来行ってきたPCによるリッピング作業とは比較にならないほどでした。

ただ、読み取り精度を向上させるため、あえてドライブの回転速度を低速に抑えているため、リッピングにはCD1枚あたり約8分を要します。高音質のための我慢です。MQA-CDを含む私のリファレンスCDを次々にリッピングしていきました。DELAのサポート外ではありますが、PCを使えば『 D100 』でCD-R等への書き込みも可能とのことです。


◆操作方法
リッピングした曲の再生は、『 N100 』のディスプレーと4つのボタンで可能ですが、選曲はこの小さな画面だけでは限界があり、決して使いやすいとはいえません。そこで、自宅にあるタブレット端末にコントロールアプリをダウンロードして操作することになるのですが、残念ながら取扱説明書やDELAのホームページにもほとんど言及がありません。

DELAの担当者は、同社は専用のコントロールアプリは提供しておらず、ESOTERICやLUMIN、LINN(Kazoo/Kinsky)、そして言いにくそうに商売仇でもあるI/Oデータの「fidata Music App」が綺麗で使いやすいと教えてくれました。早速タブレットにダウンロードしてみました。


非常に使いやすく、アルバム選択や選曲がいとも簡単に行え、CDジャケットを見ながら聴いているより分かりやすいのです。煩わしいCDソフトの取り替えや、トレイへのセットの動作(もちろんそれが良いのだとおっしゃる方もおられますが)も必要なくCDが聴けるメリットは、実際やってみないと分かりません。



◆サウンド
最も肝心なサウンドですが、『 D100 』→『 N100 』→「Brooklyn-DAC+」では、CDプレーヤーでの直接再生との比較(いずれも「Brooklyn-DAC+」経由)では、サウンド全体が分厚く感じられ、特に低域が力強く弾み、ピラミッドパターンのしっかりしたものでした。中高域は、何も足さない何も引かない非常にストレートなもので、ソースの録音の善し悪しがごまかされることなく出てくる感じでした。

サウンド全体にエネルギー感が充実しており、立体的で立ち上がりが速く、音場も前後左右に拡がり、ライブ録音の生々しさは格別でした。この密度感、中低域の厚みは高級CDのサウンドに通じるものを感じました。

また、注目のMQA-CDもハイレゾの良さが味わえ、CDとは違う音楽表現力に感心しました。よりマスター音源に近づいたように感じました。DSD音源もしなやかさや繊細さにはPCMとの違いをハッキリ感じました。


MQA音源時の表示(24bit/352.8kHz)


DSD音源時の表示(DSDx256/11.2MHz)


■ 最後に
私自身、自他共に認める《 PCオーディオファン 》であり、これまでPCオーディオとCD再生に専念してきて、あえて《 ネットワークオーディオ 》には近づきませんでした。しかしこの度、DELAの『 N100 』『 D100 』をお借りして、自宅で2週間じっくり初体験させていただきました。ズバリこの手軽さ、サウンドは大いに魅力的でした。

確かにまだまだセッティングやケーブルを追い込んでいけば、もっと上のサウンドを目指せると思いますし、現状ではCDの直接再生とDELA『 N100 』のサウンドには、それぞれに一長一短があります。今回の初体験での結論は「この便利さは、一度体験すると後戻りできない」です。

さあそろそろ、導入を考えなくては・・・。
(あさやん)


今回ご紹介した『 DELA N100 / D100 』はこちら

※今回ご紹介した【N100シリーズ】のSSD搭載モデルになります


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