今回準備した工具とケーブル
標準的な2芯スピーカーケーブルを切ってみましょう
まずは標準的な2芯スピーカーケーブルのカットから。
この程度の太さのケーブルでしたら使う工具はハサミでOKです。
直径8mm以下のケーブルでしたらほぼハサミでカットできます。
- 【注意点】
刃の根元付近で切ったほうが力が入れやすいです。ハサミは良く切れるものを使いましょう。 -
ハサミは刃こぼれなどの無いものをお使い下さい。
最近のハサミは切れ味が良いので、一般的事務ハサミでも可能ですが、先端のスリムなハサミは適しません。
ダンボールでも切れる、力の入れられる構造のハサミを使いましょう。
導体に使われている導線についての豆知識
オーディオに使われている導体と言えば、銅線がほとんどです。
「金属をハサミで切るなんて!」と思ったかもしれませんが、銅線は金属としては柔らかい素材です。
銅線に近い硬さで身近なものは、意外にも「健康な人の髪」と言われています。
更に、高級なケーブルに使われている、純度の高いケーブルほど硬度は低くなり、4Nより6N、6Nより7Nの方が柔らかくなっています。
分かりやすく数字で表してみると、一般的に鉄といわれている純鉄の硬度を「100」とした場合、高純度銅導体(オーディオ用)は「約50」と、約半分となります。
余談ではありますが、その他オーディオに使われている金属の硬度はどんなものかといいますと…
高級ラックなどに使われている鋳鉄は「約180」、硬質ガラスで「約700」、インシュレーターに使われている石英は「約1100」。
ツイーターの振動板に使われている素材では、ダイヤモンド「約10000」、ベリリウム「約400」、チタン「約300」、超ジュラルミンは「約150」、ただしハイブリットされた○○合金は全く異なる数値となります。
ちなみに、半田は熱により「0」〜「20」。
太いケーブルのカット方法
4芯の極太ケーブルや3芯のケーブルだと、さすがにハサミではきれいに切れません。
まずはカッターを使って皮膜に切り込みをいれましょう。
ケーブルに対して垂直にカットするために、マーカーなどでぐるりと一周カットラインをマーキングしておきます。
カットラインを入れたらケーブルをあまり強くまげずに、直径10cm程度にまげて、いよいよカットです。
マーキングに沿って、カッターの刃をあてます。
皮膜のカットにはほとんど力は必要ありません。
刃をあてて軽く押すだけで皮膜には切り込みがはいります!!
外側の皮膜をカットできました。
切り込みが一周でき、ニッパーの刃が入れやすくなったら、一本ずつ丁寧にケーブルをカットしましょう。
さすがに極太ケーブルの導体はカッターの刃が負けてしまいます。
ニッパーか、お持ちでしたらワイヤーカッターを使いましょう。
ワンポイントアドバイス
カットに使う「ハサミ」や「カッター」はよく切れるものを使うのが最も大切です!
キレの悪い刃を使うと余分な力が必要となり危険なんです。
板前さんが包丁を毎日研ぐのも、大工さんがカンナの手入れを欠かさないのも、使いやすく、きれいに仕上げるのが目的です。
ケーブルのカットにも全く同じことが言えます。
※もちろん良く切れる刃の取扱いには注意してケガをしないようにしてください。
まとめ
-
今回はお問い合わせの多いスピーカーケーブルのカッティングについてレポートさせていただきました。
標準的なスピーカーケーブルであればハサミでもカッティングが出来ます。
極太のハイエンドケーブルや電源ケーブルはハサミやカッターでは刃こぼれして切れない可能性があり、危険ですのでニッパーを使ってカットしましょう。ニッパは100均の小型のものでもカットはできますが、かなり力が必要になりますので、切れ味のいい道具を使う事をオススメします。
ここでは500円未満の安価なニッパーを使いましたが、問題なくカットできましたよ。
ぜひレポートを参考にしながら、ご自身でケーブルのカットにチャレンジしてみてください。次回は端末処理「Yラグ」「バナナプラグ」の取り付けの(上級編)をレポートの予定です。
2020.05.11 ichinose
ここで行うケーブルのカットは、マジック、ハサミ、ニッパー、カッターの道具があれば行えます(お手元にない方は、このページの下よりお買い求めいただけます)。
用意したケーブルは3種類。
2芯の標準的スピーカーケーブル、3芯の電源ケーブル、4芯の極太スピーカーケーブルのカットを行っていきます(電源ケーブルもカット方法は同じです)。