2021年のサマーナイト・コンサートでも音楽の灯を消さずに進み続けるウィーン・フィル。ハーディングとレヴィットがダブル・デビュー。
毎年ウィーンの聴衆を熱狂させる記念碑的コンサートのライヴ。
ニューイヤー・コンサートと並ぶウィーン・フィルの名物行事で、2004年の開催以来、初夏のウィーンの風物詩として定着している「ウィーン・フィル・サマーナイト・コンサート」。
ユネスコの世界遺産にも指定されているシェーンブルン宮殿を舞台に行われるオープンエアの演奏会は、世界の60カ国以上に生中継(もしくは録画放送)されています。
このコンサートはこれまで、ゲルギエフ、バレンボイム、ヴェルザー=メスト、マゼール、エッシェンバッハ、メータ、ドゥダメル等が登場など、
錚々たる指揮者陣の起用というだけでなく、ピアニストのラン・ランやテノールのカウフマン、ソプラノのネトレプコらも登場していることからも、
ウィーン・フィルにとって最も重要なコンサートという位置付けがなされていることがわかります。
コロナ禍でも前に進み続けるウィーン・フィルの姿勢は2020年11月の来日公演の敢行やニューイヤー・コンサートの無観客開催で世界的に大きな話題となりましたが、
2021年のサマーナイト・コンサートも、2020年同様感染予防対策を考慮して聴衆を3000人に限定して開催される予定で、医療関係者と教育関係者が招待されることになっています。
ソニークラシカルは2013年からこのサマーナイト・コンサートをCDと映像ソフトで発売しており、
その第9回目となる今年2021年は英国出身のダニエル・ハーディングに指揮が託されます。
2004年にマーラーの交響曲第10番で鮮烈なウィーン・フィル・デビューを飾って以来、常連指揮者として共演を重ねているハーディングが同コンサート初登場となります。
今年のテーマはドイツ語でFernweh=遠方への憧れ、つまり「遠くへ行きたい」ということで、ヴェルディ(イタリア・シチリア島)、
ラフマニノフ(ロシア)、バーンスタイン(ニューヨーク)、シベリウス(フィンランド)、エルガー(イギリス)、
ドビュッシー(ギリシャ)、ホルスト(宇宙)という外国への憧れを音楽で満たすような彩り豊かな選曲も楽しみ。
このうちラフマニノフとシベリウスは何とウィーン・フィルが演奏家で取り上げるのはこのサマーナイト・コンサートが初めてという点も興味深いところです。
注目は、今最も熱いピアニスト、イゴール・レヴィットがラフマニノフ「パガニーニ狂詩曲」で
ウィーン・フィルと初今共演&サマーナイト・コンサート初登場というダブル・レビューを果たすことでしょう。
レヴィットの「パガニーニ狂詩曲」といえば、日本の音楽ファンにとっては、2017年9月、東京文化会館における
キリル・ペトレンコ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団との鮮烈な共演ぶりがいまだに記憶に残っています。
その時のインタビューで、「(この曲なら)このロビーですぐに弾いてくれと言われても大丈夫だよ」と
作品を完璧に手のうちに入れていることを自信たっぷりに語っていた鬼才ならではの集中力溢れる演奏が期待できます。
レヴィットによるオーケストラとの共演CDがソニークラシカルから発売されるのは今回が初めてとなります。
【仕様】
2層MPEG-4 AVC|COLOR
画面/16:9 1920 x 1080 59.94i
音声/リニアPCM/STEREOおよびDTS HD Master Audio/ 5.0chサラウンド