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ルノー・カピュソンの様々な音色で響かせる『四季』!
カップリングには、アフリカ系の母親の血を引いたため褐色の肌色を持ったサン=ジョルジュのヴァイオリン協奏曲。
2021年秋、ルノー・カピュソンはローザンヌ室内管弦楽団芸術監督に就任。
このコンビによる最初の本格的な録音 (ヴァイオリンも演奏)は、アルヴォ・ペルトの空間と時間の概念は超越した演奏で高評価を得ました。
その2枚目のアルバムでは名曲中の名曲《ヴィヴァルディ:四季》の録音となります。
ピリオド楽器が主流で、ほとんどモダン楽器での録音が無くなってしまった現在、あえてモダン楽器で演奏する意義が問われるに違いありません。
ヴァイオリンの奏法や表現は常に拡大していますが、現代ヴァイオリンの弦のビロードのような色と表現は、しばしばトゥッティに精神性に近い次元を与えます。
カピュソンの豊かな音楽経験と多才な能力の高さは、演奏に際し一番大切な豊かな歌心として奏されます。
しかし現代的な解釈として、ヴィブラートを大きく付けたりしなかったり、音の強弱のメリハリを付けることで、音の緊張感を維持しているということは眉唾。
ピリオド楽器には表現なせない情緒豊かなメロディーとハーモニーは、ルノー・カピュソンの表現したいこと全てをぶつけています。
ルノー・カピュソンは芸術監督として彼なりの考えを浸透させ、この音楽の瞬間を、並外れたレベルにまで引き上げることに成功していますが、正統的なスタイルから全く逸脱することなく自然な描写を描いています。
この「四季」にあわせたカップリングにあわせたのが、カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のヴァイオリン奏者・作曲家サン=ジョルジュの作品。
ウォルフ族出身の母親の血を引いたため、褐色の肌色を持ち、後に「黒いモーツァルト」と異名を取りましたが、ジャン=マリー・ルクレールからヴァイオリンを学ぶとともに、フランソワ=ジョセフ・ゴセックに作曲を師事、そのままゴセックのオーケストラの奏者となるほど才能を認められ、また作曲家としても交響曲や弦楽四重奏曲など多くの作品を残しています。
ヴァイオリン独奏パートはヴィルトゥオジテの披瀝を指向しており、ハイドンやモーツァルトの協奏曲と比べても、より高い音域や動き回るパッセージも独特なもの。
ここでは情熱的で艶やかで華やかで、そして哀愁を帯びた音色のルノーの独壇場ともいえる表現で再現されています。
【演奏】
ルノー・カピュソン(ヴァイオリン&指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
収録情報
アントニオ・ヴィヴァルディ:
協奏曲集『四季』Op.8-1〜4
ジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュ:
ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op.8-9
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Op.5-1
【録音】2022年3月23-24日、ローザンヌ、サル・メトロポール
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