2023.12.02
Joshin 試用レポート
ヒートポンプ式乾燥機能搭載! 日立のドラム式洗濯機乾燥機 ビッグドラム BD-STX130J
日立 13.0kg ドラム式洗濯乾燥機 ビッグドラム BD-STX130J
「洗濯をラクしたい(サボりたい)」ならドラム式洗濯機だ、絶対。
洗剤は自動で入れてくれるし、乾燥機能を使えば衣類を干す手間がなくなるので、スタートボタンを押したら寝てもいい。さすが三種の神器、神家電である。
今日は日立のドラム式洗濯乾燥機 ビッグドラム BD-STX130Jの特長と、ドラム式洗濯機の魅力やデメリットもお伝えしよう。
ライター:ぴよこ
日立 13.0kg ドラム式洗濯乾燥機 BD-STX130J
まず屋内に設置をしてください
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撮影にあたり、事務所に設置場所がなくて屋外に設置した。
「屋外に設置してるやん!」とツッコまれるのを覚悟の上で設置した。
ドラム式洗濯機(以降:ドラム式)は雨に濡れたりすると故障の原因にもなるのでご家庭で使われる際は、屋内に設置してください。さて本題のBD-STX130Jだが「これぞドラム式」というフォーマルなデザインだ。
どんなサニタリーにも溶け込む白い清潔感のあるボディは、屋外だとホントに違和感しかなくてBD-STX130Jには申し訳ない気持ちだ。
容量 | 洗濯脱水13kg / 乾燥7kg |
---|---|
総外形寸法 | 幅(排水ホース含む)630×奥行720×高さ1,065mm |
質量(約) | 93kg |
ドラム式は基本的に天面に「洗剤自動投入タンク」、表示パネル、電源やスタートなどのボタンが配置している。
ドラム式に詳しい人だとここで“あるモノ”が抜けていると気付いたかと思うが、それは後述。
BD-STX130Jは天面左側に洗剤自動投入部、中央にタッチセンサー式の操作パネル、右側に電源とスタートボタンだ。
洗剤自動投入部のふたが2つ折り式になっていて、洗濯機の上の空間に棚などを設置した時用にふたの高さを抑えようという心遣いを感じる。
投入口が大きくて大容量の「洗剤自動投入タンク」
ふたを開けると液体洗剤(青色)、柔軟剤(桃色)のタンクが内蔵されており、その手前に漂白剤や洗剤の手動投入口がある。
BD-STX130Jのタンクの注ぎ口は、洗剤を注ぐ時にも安心の大きな口。
液体洗剤・柔軟剤共に1000mlとたっぷり。
柔軟剤のタンクは前モデル(BD-STX120HL)の700mlより大容量になった。
洗剤を入れたらあとは洗濯機が適した洗剤量を自動で投入してくれる。
洗剤の自動投入するなら「基準使用量設定」をしておこう。
洗剤パッケージに記載の目安量を確認し、洗濯機に記録させることで、正しい洗剤量が投入される。
使用洗剤量は洗剤によって異なるので、別の洗剤に替えた時には必ず設定の見直しもお忘れなく。
本体幅は約60cm! 一般的な防水パンに設置ができる
設置可能防水パン(奥行内寸):540mm以上 |
13kgの洗濯・7kgの乾燥が出来る大容量ながら、本体幅は約60cmとスリムで、一般的な防水パンに設置ができる。
縦型洗濯機(以降:縦型)と違ってドラム式は衣類を正面から取り出すので、設置場所はドアが開いた状態の奥行幅が必要。
BD-STX130Jの場合だと、ドアが開いた状態での奥行は約1,153mm。
縦型と比べてサイズが大きく、衣類の取り出し口が正面な事など、ドラム式は縦型よりも設置のハードルは高い。
筆者の以前の家では、防水パンと奥行はクリアしたが、水栓よりも洗濯機の背が高く、給水ができない設計だったため、設置ができなかった。
購入前には、奥行、水栓の位置、搬入通路の幅が洗濯機より広いか、家のドアに引っかからないかなど、入念に下調べを行ってください。
直感的に操作ができるタッチセンサー式操作パネル
操作パネルはタッチセンサー式でカラー表示。
ホーム画面で「洗濯」「洗濯→乾燥」「乾燥」と、大きく3つの洗濯コースに分かれている。
各コースをタップすると、衣類の悩みに合わせた様々な洗濯コースがあり、コースを選ぶと「洗い」「すすぎ」といった工程の時間目安が表示される。
定番ではあるが温水で衣類を洗えるのはドラム式の魅力の1つ。
BD-STX130Jの温水コースは「念入り」「黄ばみ予防」など、ガンコな汚れには30〜60℃までの温水で洗濯ができる。
水温が低いと洗剤が溶けにくく汚れ落ちも悪くなるので、水温が13℃以下の時には15℃まで自動的に温めてくれるといった機能も搭載。
温水コース以外にも、食べこぼしやメイクが付いてしまった衣類の汚れを落としたい時には「洗剤直ぬりコース」や、ダニ対策コースなど、年中活用できる洗濯コースが搭載されている。
コース | ||
---|---|---|
洗濯 |
標準 13kg すすぎ1回 13kg おいそぎ 7kg 洗剤直ぬり 2kg 手造り 13kg 柔らか 4.5kg |
毛布 6kg (ふとん1.4kg) デリケート 3kg おしゃれ着 3kg 消臭 2kg |
洗濯〜乾燥 |
標準 7kg すすぎ1回 7kg 化繊 2kg 手造り 7kg 毛布 3.6kg (ふとん1.4kg) |
ナイト 4.5kg 省エネ 7kg 消臭 2kg |
乾燥 |
標準 7kg 毛布 3.6kg (ふとん1.4kg) ナイト 4.5kg |
静止乾燥 0.4kg 省エネ 7kg スチームアイロン 1kg |
清潔 |
ダニ対策 3kg 除菌清潔プラス 1kg 花粉 2kg 温水槽洗浄 |
槽洗浄 槽乾燥 槽洗い 自動投入経路洗浄*3 |
温水 |
約60℃ 2kg 約40℃つけおき 2kg 約40℃消臭 2kg |
約40℃ 6kg 約30℃ 13kg 約15℃温め自動 13kg |
乾燥フィルターがないから掃除の手間がない!
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先述していた天面にない“あるモノ”とは『乾燥フィルター』の事。
ドラム式には、衣類から出てきたホコリや糸くずをキャッチする乾燥フィルターがついている。
フィルターにホコリがたまっていると乾燥機能が落ちるので掃除する必要があるのだが、その頻度が「1回の乾燥につき1回」というほど高頻度。「ドラム式に替えて洗濯はラクになったけどフィルター掃除の手間が増えた」と言われるほど、乾燥フィルターに対してネガティブな意見が多いのだが、日立のビッグドラムには乾燥フィルターがないのである。
これがビッグドラム最大の特徴の「らくメンテ」システム!
でも、ほこりと糸くずは一体いずこへ?
ほこりや糸くずは「大容量糸くずフィルター」に収集される
ホコリや糸くずは、洗濯をすると自動的に行われる「洗濯槽自動おそうじ」「乾燥経路自動おそうじ」「ドアパッキン自動おそうじ」によって「大容量糸くずフィルター」に収集される。
「大容量糸くずフィルター」はドアの左下側にあるカバーを開き、ひねる事で取り出せる。
縦型の槽の中にあるフィルターが、ドラム式だと本体の外側についているのだ。
フィルターはほこりや糸くずをしっかりキャッチできそうな深さのあるボックス型で、メンテナンス頻度は約1か月に1回でOK※。
フィルターにゴミが溜まるとパネルにお知らせが表示されるので、メンテ時期を気にする必要もない。
※日立調べ。洗濯〜乾燥7kg、1日1回運転時。衣類の量・種類により効果は異なります。
衣類の洗濯〜乾燥を行ってみよう
乾きにくい衣類も含めて約6kgを洗濯〜乾燥する
使用する衣類 | 男性用綿シャツ(厚手)×2、子供服×3、綿Tシャツ×3、女性用綿シャツ(薄手)、ハンカチ×3、靴下2足、肌着×1、ロングパンツ(綿)×1、スウェット半パンツ×1、スカート1、パーカー(厚手)×1、デイム×1、ハンドタオル×3、フェイスタオル×2、バスタオル×2 |
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乾きにくいデニムと厚手のパーカーに、バスタオルも2枚を入れた、衣類約6kg(内訳は上記)を用意した。
この量を我が家のマンションの浴室乾燥で乾燥させたら、パーカーのフードと袖あたりは生乾きで仕上がること間違いなしだ。
標準の「洗濯〜乾燥」コースで洗っていく。
今回は汚れなどをつけていないが、自宅で前モデル(BD-STX120HL)のビックドラムを使っている筆者としては、ファンデーションが付いた衣類も標準の洗濯でしっかり落ちる。
BD-STX130Jは従来の「ナイアガラ洗浄」を進化させた「ナイアガラ循環2段シャワー」になり、洗浄力はさらに進化している。
日常的な衣類の洗濯で汚れ落ちに不満が残るという事はないだろう。
スタートボタンを押すと洗濯槽が回転して衣類の重さの計測がはじまり、計測量から洗濯完了時間が割り出されるとパネルに終了時間目安が表示される。
今回は洗濯から乾燥まで約3時間18分!
高低差のある上下からのシャワーで高濃度洗剤液をさらに浸透促進
日立の洗濯機といえば、少ない水にしっかりと洗剤を溶かした高濃度洗浄液で「押し洗い」「たたき洗い」「もみ洗い」を行い、汚れを落とす「ナイアガラ洗浄」機能。
従来のナイアガラ洗浄は槽の上から洗浄液を衣類へ吹きかけていたが、BD-STX130Jは上だけでなく下からもシャワーが出る。
前機種よりも少ない水で高濃度洗剤液を作り、下段シャワーで洗剤液をしっかり浸透させてから、高低差のある2本のシャワーで洗剤液を循環させ衣類にたっぷり散布することで、汚れ落ちを良くしている。
扇状の水が洗濯槽の上下から衣類に吹きかけるように噴射された後、本格的に回転がはじまる。
遠心力で持ち上がった衣類が、ぽすっ。ぽふっ。と落ちる様は癒し効果がある。
高速風&大風量でキレイに仕上げる乾燥機能「らくはや風アイロン」
BD-STX130Jの乾燥方式はヒートポンプ式を採用。
ヒートポンプ式は低温で乾燥する方式で、高温で乾燥させるヒーター式よりも電気代が抑えられる。
BD-STX130Jは約65℃の低温風と、高速でたっぷりの風を槽の手前から衣類に直接当てることで、衣類にやさしくふんわり仕上げる。
風の強さを確かめるために槽の中にハンカチをテープで留めてデモモードで「らくはや風アイロン」を運転させたのだが、秒でハンカチの固定が取れて槽の外へと飛び出てきた。
風が強すぎる…!
この風量に槽の回転も加わるので、低温乾燥ながら乾燥時間が従来より時短化されて、電気代もさらに抑えられている。
乾燥終了!衣類の仕上がりをチェック
洗濯完了予定時刻通りに停止。
洗濯前よりも槽内がギュウギュウで、乾燥できているのか心配になった。
でもドアを開けて衣類を取り出した瞬間、槽の中に充満していた柔軟剤の香りがビッグバン。
洗濯前と比べて衣類もあきらかにふわふわで、生乾きでもいいやというダメな気持ちが出てきたが、厚手のパーカーのフードと脇の部分、バスタオルやデニムもしっかり全部が乾いてる!
タオルは乾燥前と比べてふんわりやわらか!
洗濯前の「天日干し」のタオルは、BD-STX130Jで洗濯〜乾燥をすると、別人のようになって帰ってきた。
天日干ししたタオルは、パイルが縮こまってペタッとかたまった状態だったが、BD-STX130Jで乾燥させた後だとパイルが膨らんで大きくなり、肌触りが良くなった。
ゴワゴワとしたタオルがこれほどにやわらかくなるとは…。
畳んだ時も高さも1.5倍ほどは高くなっている。
使い込んだタオルが新しいタオルのように生まれ変わる乾燥機能はとても魅力的。
袖の長いシャツは絡んでシワになってしまった
洗濯槽の中で衣類乾燥をする場合、衣類の量が多かったり、袖や丈など長さのある衣類が多いと衣類同士で絡みやすくシワになりやすい。
シワを抑える「らくはや風アイロン」でも、衣類の状況によってはやはりシワはできてしまうようだ。
今回だと半袖のシャツはややシワが残り、長袖シャツは右袖がグリンとねじれている。
他の衣類やタオルにはシワはなく、やはり綿の長袖シャツは絡みやすくシワになりやすい衣類の代表なのだろう。
シワを予防したい場合には、1度の洗濯量を減らすか、絡みにくい衣類と一緒に洗うか、絡みやすい衣類だけは洗濯機以外で乾かすといった工夫が必要そうだ。
衣類量を替えて洗濯乾燥し、長袖シャツのシワ具合を確かめる
右袖ねじれシャツ+白い綿シャツ(長袖)3枚 他を加えて衣類量は約2kg
そこで今度は衣類の量を減らし、右袖ねじれシャツを含んだ長袖シャツ4枚に、半袖シャツ2枚、綿パンツ1着にし、約2キロほどに量を減らして洗濯〜乾燥を行ってみた。
衣類量は減らしたけど、絡みやすい衣類は増えている。シワ対策になっていないかも知れないが、春や秋だとこの洗濯パターンは多いかと思うのでやってみた。
量を減らした事で洗濯乾燥終了目安時間は2時間20分。シワの状態はどうなった?
半袖たちはいい仕上がりだ。
右袖ねじれシャツは…右袖ねじれが解消されて、左袖ややシワシャツに!
綿の白シャツは3枚のうち2枚はほぼシワのない仕上がりだったが、1枚は袖にシワが残った。
6キロ時と比べるとシワは減ったが、やはり長袖シャツにシワを残さない事は難しいのか…。
長袖1枚と半袖シャツ、バスタオルなどの衣類量1〜2kgだとシワなくきれいに仕上がった
長袖シャツがシワにならない量はどのラインなのかを追い求める旅に出てしまい、半袖シャツ2枚、長袖シャツ1枚、長ズボン、スカート、バスタオル2枚の1〜2kgの量でも試してみた。
終了目安は先と同じで2時間20分。
結果、ついに長袖シャツからシワが消えたし、かなりキレイな仕上がりだ!
今回の実験では防シワ加工をしていない綿100%の長袖シャツだとシワは残ってしまったが、他の衣類やタオルではシワは目立っていなかった。
ドラム式は洗濯から乾燥までを一気に終わらせるので、狭い洗濯槽の中で多くの衣類が入っていると、いくら絡みにくいといっても絡むものは絡むと、自宅でドラム式を使っている筆者は思っている。
とくにシワになりやすい衣類の場合は、やはり量を減らして洗濯乾燥を行う方がおすすめ。
(ちなみに衣類への手間を無くしたい筆者は、形状記憶のシャツなどばかりを着ているので、自宅で大量の衣類量で乾燥を行っているがシワが気になった事はあまりない)
まとめ
途中で述べているが、我が家の洗濯機は前モデルのビックドラム BD-STX120HLだ。
BD-STX130Jとの大きな違いとしてはやはり、乾燥方式がヒートポンプ式になっている事。
レポートの後半はシワにならない重さは何キロかの実験を行っていたが、我が家がドラム式洗濯機に替えた理由は「洗濯から乾燥までを一気にやってほしい(衣類を干すのがめんどくさい)」だったので、買い換えてからは毎回乾燥機能を使っている。
だがBD-STX120HLの乾燥機能はヒーター式のため、ヒートポンプ式のBD-STX130Jに比べて電気代は高い。
じゃあなぜ我が家はヒーター式でもBD-STX120HLを選んだかというと、ビッグドラムの「らくメンテ」システムである『乾燥フィルターが搭載されていない』が魅力的だったから。
衣類を干すのが面倒な筆者が、乾燥機能を使うたびにフィルター掃除をする?…しないしない!!
そんな理由でビッグドラムを選んでおり、ビッグドラムのおかげで洗濯は圧倒的にラクになった。
筆者のように「洗濯の手間を減らしたい」人だと、BD-STX130Jはヒートポンプ式で乾燥フィルターが付いていないドラム式洗濯機で、個人的にかなり推せます。
あとは、BD-STX130Jがちゃんと設置場所に搬入できるか、置いた時に扉がしっかり開くかなど、設置条件が満たされているかどうか。
購入を検討される場合は、入念に下調べを行ってくださいね。
2023.12.02 (ぴよこ)