2023.07.25
Joshin 試用レポート
大人気モデルがさらに進化!ソニー 完全ワイヤレスイヤホン『WF-1000XM5』を実機レビュー!
ソニー ノイズキャンセリング機能搭載 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン WF-1000XM5
原音を忠実に再現する高音質と、高性能ノイズキャンセリングで完全ワイヤレスイヤホン人気に拍車をかけた、ソニー「WF-1000Xシリーズ」に、最新モデル『WF-1000XM5』が登場!
本体サイズの小型・軽量化を実現しながらも、音質と機能はさらにパワーアップし、非常に完成度の高いイヤホンに仕上がっています。
実際に使うと、従来モデルからの進化に驚くところがたくさんあったので、詳しく見ていきます!ライター:もあ
NC性能・音質・通話品質の全てが進化した、ソニー『WF-1000XM5』
高音質と高性能ノイズキャンセリング(以下:NC)を追求し続ける、ソニーのハイエンド完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000Xシリーズ」。
2年前に発売された「WF-1000XM4(以下:M4)」は、原音に忠実な高音質がどの曲調にもマッチし、NC機能では圧倒的な静寂感を味わえる、満足度の高いイヤホンとして有名になりました。
音質と機能が高レベルなことから、筆者の中でも「ハイエンドイヤホンの完成形」というイメージがあったM4ですが、今回登場した『WF-1000XM5』ではNC性能・音質・通話品質がさらに進化したとのこと!
大きな進化ポイントは新しくなったプロセッサーで、M4では統合プロセッサーV1を採用していましたが、WF-1000XM5では「統合プロセッサーV2」と「高音質NCプロセッサーQN2e」の2つを搭載しています。
処理能力が向上し、6つのNCマイクの正確な制御が可能になったことで、NC性能はなんと世界最高レベルを実現※!
(※ 完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングヘッドホン市場において、2023年4月10日時点。ソニー社調べ、電子情報技術産業協会(JEITA)基準に則る)
音質面では、ドライバーユニットがM4の口径6mmから8.4mmと大型化し、より深みのある低域を再生できるようになりました。
従来モデルに引き続きLDACコーデックに対応し、ストリーミングサービスの曲をハイレゾ級の音質にする「DSEE Extreme」機能も搭載しています。
マイクが増えたことにより、通話品質もソニーの完全ワイヤレスイヤホン史上最高レベルに仕上がっています。
高いNC性能により環境音が抑えられ、5億超もののサンプルで学習したAI技術が声をピックアップして伝えるため、屋外での通話もスムーズに行えますよ。
ノイズキャンセリングと外音取り込み機能
ノイズキャンセリング機能
早速、世界最高峰というNCの性能をチェックしましたが、ノイズカットの強さが凄まじい・・・!
筆者は街中でも静けさが欲しい派で、普段からNCが強力と謳われているイヤホンを愛用しているのですが、音楽を再生していなくても車の音やお店のBGMがほとんど聞こえないと感じたのは初めてかもしれません。
NCをオンにすると自然に「スッー・・・」と音がなくなる感覚は従来モデルと同じですが、騒音を打ち消す威力がすごく強く、個人的には密閉型ヘッドホンにも負けていないのではと思います。
車や電車の走る音は音楽を聴いていれば全くといっていいほど耳に入ってこず、大きめの音量で動画再生した飛行機のエンジン音も耳を凝らしてやっと聞こえるレベル。
M4と比較すると、ドライヤーの音など低周波の音のカットがより強力になっている印象です。
人の声もしっかり打ち消していて、静かな室内で上司に話しかけられても全く気が付かず、平謝りすることもありました・・・。
どれだけ高いNC性能でも、風切り音や電車のアナウンスといった高い周波数の音など、少し不得意なシーンがある印象でしたが、WF-1000XM5は全ての音を消せるのでは・・・?
マイクによるノイズカットの性能が高いのはもちろんですが、装着時耳穴を完全に塞ぐ形状と、遮音性を高めるイヤーピースが、NCの威力を底上げしているのだと思います。
外音取り込み機能
遮音性が高く、音楽を再生していない状態でも相手の声を正確に聞くのは難しいので、急な会話の際は「外音取り込み機能」を使いましょう。
NC機能との切り替えは本体のタップひとつで、スムーズに周囲の音をコントロールできます。
マイクの数が増えたためか、外音取り込み機能のクオリティも従来モデルよりアップしているように感じ、人の声や車の走る音がとても自然に耳に入ってきます。
外音取り込み機能は専用アプリから20段階でレベル調整できます。
屋外に出た時にNCオンの状態では静かすぎて怖いという場合は、外音取り込みレベルを10くらいにしておくと程よく周囲の音も聞こえて安心ですよ。
外観と付属品
セット内容 | 本体、充電ケース、USBケーブル(USB Type-C/約20cm)、ノイズアイソレーションイヤーピース(SS/S/M/L)、保証書、使用上のご注意/主な仕様 |
---|---|
質量(約) | 5.9g(片方/イヤーピースMサイズ含む) |
対応コーデック | SBC/AAC/LDAC/LC3 |
防滴性能 | IPX4※ ※ ヘッドホン本体のみ対応。あらゆる方向からの飛沫に対して本体機能を保護するもの。本機の音導管(音出口の筒部)、通気孔、マイク穴を除く |
本体の質量は片方約5.9gと、M4(約7.3g)から大幅なサイズダウンを実現し、ハイエンドイヤホンの中でも小型の部類に入りました。
本体のトップはマット素材、それ以外は光を反射するシームレスデザインで、外観だけでは全面マット素材の「LinkBuds S(約4.8g)」よりも軽やかに見えます。
質感はツルツルとしていて、M4のような指が引っ掛かる感じはありません。
カラーバリエーションは、シリーズお馴染みのブラックとプラチナシルバーの2色。
トップ以外に光沢があるためか、従来モデルと同じ色でもWF-1000XM5の方が明るく煌びやかな雰囲気です。
従来モデルからの形状の変化
本体質量(片方)
M3 | M5 | M4 |
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8.5g | 5.9g | 7.3g |
WF-1000XM3(以下:M3)とM4もお借りしたので、並べてサイズ感をチェックしました。
WF-1000XM5の本体とケースは共にM4のデザインを引き継いでいますが、横に並べるとひと回り小さくなっているのが分かります。
M3からM4では形状の変化が大きく、当時はすごくコンパクトになったと思ったので、M4からWF-1000XM5の方が質量の差は大きいのは意外でした。
プロセッサーとマイクの数を増やしドライバーを大型化してもなお、ここまで本体を小さくできたのは、とにかくスゴイ!のひとことです。
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耳穴にノズルを突き刺すイメージのM3から、M4は耳穴付近をしっかり覆う形となり遮音性が高まったことで、NCの満足度もアップしました。
ただ実際に装着すると、M4は女性の筆者にはサイズが少し大きく、長時間使うと圧迫感が気になることも・・・。
WF-1000XM5のホールド感はM4とよく似ていますが、サイズが小さくなったことで耳のくぼみにスッポリと収まりやすくなり、装着時の安定性が抜群に上がりました。WF-1000XM5は耳からの飛び出しもかなり抑えられていて、髪を触ったときなどに本体に触れてズレてしまうこともなくなり、ストレスフリーです。
大人気のWF-1000Xシリーズに憧れるけれど、耳が小さいから合わない・・・と諦めていた女性は少なくないと思うので、小型化は本当にうれしいですね。
本体で約8時間、ケース込みで最大約24時間の連続再生が可能
ケースサイズ(約) | 39g |
---|---|
充電時間(約) | 1.5時間(USB充電) |
連続再生時間(約) | 8時間(本体のみ)、24時間(ケース込み)※NCオン時 |
急速充電(約) | 3分間の充電で60分以上再生可能 |
ワイヤレス充電 | Qi規格のワイヤレス充電器に対応 |
充電ケースは約39gとすごく軽量で、他のハイエンドイヤホンと重さを比較したとき、WF-1000XM5の方が本体は少し重いけれど、ケースを入れた総重量は軽いということもあります。
近年小さめのバッグがトレンドになっているので、毎日持ち歩くイヤホンが場所を取らないのはうれしいですね。
ケース内の本体は半分以上飛び出していて、掴んで取り出しやすいですが、ツルツルとした本体は焦って扱うと滑りそうになるので、電車の乗り降りや歩きながらの取り出しは控えた方が良さそうです。
ケースは小さいですがノズルを収納する場所にはしっかり余裕があり、大きめのイヤーピースも問題なく入るのが個人的にうれしいポイントです(下記に掲載のあるイヤーピースは全て問題なく収納できました)。
連続再生時間は本体で約8時間、ケースを含むと最大約24時間とM4と同じですが、約60分再生するのに必要な急速充電の時間が、M4の約5分から約3分に短縮されました。
実際に試聴してみました
装着感と本体操作方法
付属のノイズアイソレーションイヤーピースは、指で軽くつぶしてから耳穴に入れると中で膨らみしっかり密閉して、遮音性を高めます。
装着感はとても軽く、従来モデルと比較した際にも記載しましたが、耳からの飛び出しが少ないため、ふとした時に本体に触れることがあまりなく常にイヤホンの位置は安定しています。
ホールド感が高いので落としそうになることもなく、イヤホンは耳穴をガッチリ塞ぎたい派の筆者にはドンピシャでした。
本体の操作方法
音楽の再生/一時停止 | 右側を1回タップ |
曲送り/曲戻し | 右側を2回タップ/3回タップ |
ボリューム(+/-) | 右側を4回タップ/左側を4回タップ |
NC機能/外音取り込み機能の切り替え | 左側を1回タップ |
音声アシスタント機能 | 右側を長押し |
※上記の表はデフォルト設定の場合です。専用アプリで外音コントロール/再生コントロールが振り分けできます。
本体の中央(マット素材の箇所)がタッチセンサーになっていて、再生/一時停止などの音楽の操作が行えます。
これまでのソニーの完全ワイヤレスイヤホンは、ボリューム調整と曲の変更機能のどちらかしか操作できませんでしたが、今回はボリューム調整がタップ4回で可能になりました!
イヤホンのタップ4回はあまり経験がありませんでしたが、タップの反応がよく、1回押すたびに短く音が鳴るので今何回目なのか分かりやすいので、想像以上にスムーズに操作できました。
スマホと接続
ケースを開くとペアリングモードになるので、端末のBluetooth設定で「WF-1000XM5」を選択すれば接続完了です。
スマホとウォークマン、パソコンなど異なる2台の端末と同時接続できる「マルチポイント接続」にも対応していて、プライベートと仕事の両方で活躍します。
音質レビュー
アプリで音質優先(LDAC再生)に設定し、ハイレゾ音源を聴いてみました。
音の作りは従来モデル同様、味付けが薄く原音を忠実に再現するナチュラルな音という印象ですが、M4と聴き比べると低域の深さが際立ち、全体の音もさらにクリアになったように感じます。
特に「君に夢中/宇多田ヒカル」のように高低差の目立つ曲は、バランス良くまとまりつつも音の広がりが大きくなったのが分かりやすく、より高音質になった!と実感しやすかったです。
サビ終わりのボーカルの高音もとても伸びやかで、気持ちよく聴けました。
個人的に嬉しかったのが、ドライバーが大きくなっただけあって、低域がすごく豊かになったこと。
従来モデルではロックサウンドを迫力満点で聴きたいときはイコライザーをBASSに設定することもありましたが、WF-1000XM5はデフォルトでもキレのある重低音がビシビシと響きます。
ポップス、ロック、クラシックなど様々な音楽ジャンルを試聴しましたが、どれも自然にキレイに鳴らしていて、オールジャンルを満足に楽しめる音だと感じました。
新しくなったノイズアイソレーションイヤーピース
WF-1000XM5に付属するイヤーピースは、M4で付属していたノイズアイソレーションイヤーピースの音導管周りを薄くすることで、装着時の圧迫感が低減したもの。
さらに先端部がシャープになったSSサイズも追加され、耳の小さな女性も使いやすくなっています。
WF-1000XM5のノズルは一般的な形状で、他のイヤーピースを付け替えできる点も魅力の1つ。
そこで今回は、オーディオテクニカ「AT-ER500」、AZLA「SednaEarfit」、コンプライ「T-type スタンダード」、日本ディックス「COREIR」の4つを用意して聴き比べをしてみました。
音質面は、音導管に金属コアを内蔵した「COREIR」が特に音の粒がハッキリとしていて、WF-1000XM5の解像度の高さを上手く活かしているように思います。
遮音性が高く細かな低減も逃さないのは、フォームタイプのノイズアイソレーションイヤーピースやコンプライですが、音の細かさや音場の広さを実感しやすいのはCOREIRでした。
他よりカップが浅く圧迫感が1番控えめな「AT-ER500」は装着感も軽く、普段シリコン製イヤーピースを使っていて、フォームタイプの密閉しすぎる感覚が苦手という方におすすめです。
カップが浅いと遮音性は少し落ちるので、他のイヤホンではNC性能に満足できなくなることもあるかもしれませんが、WF-1000XM5の強力なNC機能なら心配ありませんよ。
個人的なノイズアイソレーションイヤーピースの感想は、AT-ER500よりも遮音性があり、コンプライほどの圧迫感はなく消耗もしにくい。
音の情報量はCOREIRの方が多く感じるけれど、全音域でクリアな音を表現するといった感じです。
筆者はとにかく密閉感がほしいので、圧倒的な静寂が欲しいときはコンプライ、長時間使いたいときは蒸れにくいノイズアイソレーションイヤーピースを使い分けたいと思いました。
イヤーピースを変えると装着感・音質・NCの効果が一気に変化するので、ぜひご自身にピッタリなものを見つけてみてください。
音導管が硬く他の完全ワイヤレスイヤホンではケースに収まらないものも多かったCOREIRも問題なく入ったので、ほとんどのイヤーピースを安心して使えますよ。
まとめ
非常に完成度の高かったM4がさらに進化した『WF-1000XM5』。
特にNCの強さは凄まじく、屋外でも静寂の中で音楽を聴きこみたいという方は、試聴と同時に購入を決めてしまうであろうレベルです。
音質もWF-1000Xシリーズの正統進化といった印象で、原音を忠実にキレイに再現するため、どの音楽ジャンルも違和感なく楽しめます。
見た目の高級感はM4の方があると感じる方が多そうなので、デザインは好みが分かれそうですが、イヤホンが小さくて軽いというのはかなり重要なポイント。
ゴツゴツしたカッコよさのあるM4は男性向けのイメージが強かったですが、小型化したWF-1000XM5は耳の小さな女性にもおすすめです。
NC性能・音質・通話品質など、ハイエンドイヤホンに欲しい機能が全て高レベルで、非常に完成度の高い仕上がりとなっています。
ぜひ試してみてください。 2023.07.25 (もあ)